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善かれと思ってしたのにさ……。

誤字脱字は……きっとそういう仕様です。

 翌朝、私がギルドの簡易宿泊所の共有スペースで顔を洗っていると、背後より声を掛けられた。


「いよお!リエラ……つったか?」


 うん?この野太い声は………。


 聞き覚えのある声に反応して、布で洗い終えた顔を拭きながら振り返ると、そこに居たのはゼノンさんだった。


「あれっ?ゼノンさんもギルドにお泊まりだったんですか?」


 私が不思議そうに聞くと、ゼノンさんも不思議そうに首を傾げながら「………まあな」と、肯定してくれた。


 そこで私はふと気付く。ゼノンさんの厳つい顔の鼻の部分が赤く腫れあがってる事に。

 なんともまぁ……痛そうだ。

 それにその腫れた鼻では、顔を洗うのも一苦労だろう。


「ゼノンさんも顔を洗いに来たんですか?それと、その顔の傷は一体どうしたんですか?」


 一体どこで傷を負ったのか……。昨日の今日で何か依頼でも受けたんですかね?


 私は特に気にせずに、ゼノンさんに聞いたのですが、私のその反応のせいなのか、何故かゼノンさんはその場で項垂れた。


「どっ……どうしましたか?気分でも悪くなってしまったんてすか?」


 私は大いに焦ってしまったのですが、項垂れたゼノンさんが本気でションボリしながら、こう言ってきた。


「はぁ………。あのな、俺のこの顔の傷は昨日お前の目の前で、リズに殴られた時についた傷だ………」


 えっ?殴られたって………………あっ!ああっ!そうだった!あわわ……思い出した。

 確かにリズさんに、ゼノンさんは殴られてました。

 そしてそのまま昏倒したゼノンさんを、放置してリズさんと共にギルドカードを発行する手続きをするために、階下の受け付けに向かったんだった………。


 あの後、ヘスさん達に会ってゼノンさんの事はすっかり忘れてたっ!!

 ヤバイ……流石に忘れていたなんて、面と向かっては言えない……でも、どうしよう……。罪悪感が半端じゃない。


 私がオロオロしながらゼノンさんの方を見ていると、ゼノンさんはしょうがねぇな?っていう表情をしながら、私の頭を撫でながらこう言った。


「はっ!そんなに気にすんな!見た目ほど酷くはねぇからよっ!はっはっはっはっ……痛てっ……」


 私が気にやまない様に豪快に笑ったゼノンさんでしたが、やっぱり痛いみたいです。

 直接の原因は私ではありませんが、ゼノンさんにはギルドカードの発行代金を出してもらった手前、このまま知らん顔を決め込む事は、私のなけなしの良心が痛むので、私には出来ません。



 なので、せめてものお礼として治療魔術を使って鼻の傷を治させてもらおうと思います。


「ゼノンさん……ごめんなさい。今治しますので………」


「はっ?はあっ?治すって………」


 私は怪訝そうな表情のゼノンさんの鼻の辺りに向かって、治療魔術の呪文を詠唱する。


「ヒール……!!」


 淡い光が溢れ出ると共に、みるみるゼノンさんの赤く腫れている鼻が治って行く。

 そして淡い光は徐々に消えていく。


 光が消えると治療完了だ。


「はいっ!治りました~」


 呆然とするゼノンさんに、私はニコッと微笑みかけると、ちゃんと痛みが無くなったか聞いてみる。


「ゼノンさん?どうですか?痛みは消えましたか?~」


 しばらくして、ゼノンさんは小さな声で反応してくれた。


「おっ……おう……。痛みは消えたが……いいのか?そんなに簡単に治療魔法なんて使ってよぉ?はっきり言って、俺は治療代金なんざ払えないぞ?」


 おや?治ったのに喜ばないと思ったら……そっか、治療代金に困っていたのかぁ……。

 そんなもの要りませんよ。勝手に治療しておいてバカ高い治療代を請求したら、それって間違いなく詐欺やん!!

 私はまだ捕まりたくない……まぁ、この世界に詐欺という言葉があるのかは別として。

 だから困っているゼノンさんに、私は再度微笑みながら優しくこう伝えた。


「安心してくださいゼノンさん!私が勝手に治療しただけなので、治療代を請求なんてしませんからっ!」


「本当かっ?後で治療代を無心されても、俺は石貨ひとつたりとも払わないからな?」


「ですから、いりませんから……」


「絶対だなっ!絶対だからなっ!!」


「ええ、絶対に絶対ですから……」


「誓いの誓約書とか……必要か?」


「……………………………………」


 しつこいし疑り深いなゼノンさん。かなり相槌打つのがめんどい。


 もう、良いから………。何回確認するんだろ?

 あんまりしつこいと、バインドで拘束して、サイレンスで声を出せなくしてしまおうか。


 私が魔力を練ろうとすると、それを察知したかの如く、ゼノンさんは「治してくれてありがとなっ!んじゃあなっ!」と、言うと勢い良く私の前から走り去っていったのであった。



 危険を察知した時だけは素早いです。きっと冒険者には必要不可欠なんスキルなんですよね?

 ゼノンさんに備わっていてよかったです。




 私は1人納得すると、次は歯を磨みがくために歯ブラシに歯みがき粉を絞り出した。そして気付いた。


 ゼノンさん…………顔も洗っていなければ、歯もみがいていなかった事に。




 う~ん……ばっちいなぁ。





ブクマや評価有難うございます。

やる気に繋がります。


残念な事にそのやる気が持続しないんですけどね……。


因みに重度の肩こりちょっと改善しました。

(寝相は相変わらずですが)

寝る前にはご飯は食べない方が良いそうです。後、寝る1時間前にはスマホとかを弄るのは止めた方が良いとの事でっす。

(教えてもらい、感謝の極みです)

両方ともやってました………HAHAHA!!


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