子供扱いはちょっといただけない
書けたので即時投下。
今回は色々と省きました。
換金所から出たヘスさんと私は、マーケットが建ち並ぶ広場へ戻って参りました。
キョロキョロと辺りを見回しながら歩いていますが、ミランダさんとアーウィンさんの姿は残念ながら見付けられませんでした。
丁度町の人や、旅人などで賑わう時間帯だったせいでもありますが。
「手早く日用品で必要な物を買っていこう。まずはコップに歯ブラシ…髪ブラシに石鹸と身体を拭くのと洗う用の布が必要かな?」
ヘスさんがテキパキと必要な物を出店で揃えてくれます。
私は黙ってその都度お金だけ支払います。
私がいつも買うものを迷って、中々欲しい物を決められないとこぼすと、有り難い事に殆どヘスさんが選んでくれた。しかもお姉さんが居るせいからなのか、妙に女心をくすぐる物を選ぶのが上手い。
譲れない所はだけは、私が選びつつヘスさんにも意見を聞たりして、残すは服と下着のみになりましま。流石に下着は自分で選びますが、服ならば男性に意見を求めても問題は無いですよね?
「ヘスさんが選んでくれたこの部屋着ですが、少し子供っぽくありませんか?」
「そんなことは無いよ?僕はリエラにこの服がとても似合うと思うよし、ゆったり着れるからこれからもきっと着続けられると思う」
私の目の前には、胸元にピンクのモコモコフリルが付いた膝丈のゆるふわワンピースが、高々と掲げられていた。
確かに可愛らしいデザインですし、これから私のお腹はどんどん大きくなるので、ゆったり着れるのは魅力的ですが、これは可愛らし過ぎではないでしょうか。
私と致しましては年齢相応の、もう少しシックな色合いの物が好きなんですが、ヘスさんが爽やかに微笑みながら勧めてくれますので、ちょっと断りづらい。
NOと言えない日本人精神が疼きます。
「えっと……。その………」
私がもごもごしていると、既にヘスさんがゆるふわワンピを購入していた。
ええっ?そんな趣味じゃ無い服に、私はびた一文出さんぞ……などと内心で考えて居ると、ヘスさんは爽やかに購入したワンピを私に手渡した。
「はい、リエラ。君がこの服を買うのに乗り気じゃなかったのは、分かってるけど絶対に似合うと思うから僕にプレゼントさせて?」
うぎゃあぁぁぁぁぁ!
イケメン……爽やかにイケメン!
ヘスさん以外がやろうものなら、何を勝手なことしてんじゃボケー!っていう事なのに、何か許せちゃう………むしろ素敵!!
その後もヘスさんの爽やかで手慣れている手管に丸め込まれ(?)少女趣味丸出しな服を買い揃えられてしまったのであった。
まぁ、誰に見せる訳ではない部屋着だからもう好きにしてくれって気分であった。
流石に普段着の服は落ち着いた色の服を中心に購入し、下着の購入は自分ひとりで行いました。
粗方日用品や買い終わる頃には、時刻は夕方になってしまっており、私のお腹は空腹を訴えて物凄い音を立てていた。
マーケットの一角には軽食屋さんも出店されており、空腹をくすぐる良い匂いが漂ってくる。
私の目と鼻を一際刺激したのは、シチューとチーズパンの店でした。
トロリとしチーズが焼きたてのパンの上に乗っていて、物凄く美味しそうです。
私は付き合ってもらっちゃったし、ヘスさんに夕食を奢ろうと考えて、後ろに居るヘスさんを手招きした。
「ヘスさんヘスさんっ!そろそろお腹も空きましたよね?ここでご飯にしましょう!」
「うん。そうだね?お腹も空いてきたから、丁度良いですね」
ヘスさんは直ぐに了承すると、私と一緒に店先の席についてくれた。
私はヘスさんが料理を頼む前に直ぐに店主へ注文した。
「この野菜ゴロゴロシチューと、チーズパンをふたつずつ下さい!お会計は先払いしますっ!!」
「あいよっ!シチューとパンふたつで、しめて銅貨8枚だぜ!」
ヘスさんに口を挟まれる前に、スッと私は鞄から銅貨を取り出して、店主へと渡した。
ポカーンとこちらを見詰めてくるヘスさんに、私はペロリと舌をだすとこう言った。
「今日付き合ってもらっちゃったお礼です!それに部屋着も買ってもらっちゃったし………。多分ヘスさんにはお金とか渡しても、受け取ってもらえないと思ったから、無理矢理ですが夕飯を奢らせて頂きました!」
私が自分の薄い胸を、そらしながら言うとヘスさんはしょうがないなぁって表情をして、私の頭を撫でてくれた。
「ふふ……。有り難うリエラ。ご馳走になるよ」
いよっしゃ~!!ヘスさんの言質を取ったど~!!
調子にのった私は追加注文でデザートに、チェリッシュの果物パイを頼み、ヘスさんは果実酒を頼んで2人で楽しく夕食を過ごしたのであった。
私は纏まったお金が入るまで、ギルドの2階にある簡易宿泊所で過ごすことに決めていたので、夕食の後にヘスさんにギルドまで送ってもらいました。
「ここには姉さんも住んでいるから、何かあったら姉さんを頼ってくれてかまいませんからね?一人で無理をしたら駄目だからね?」
おおう……。ヘスさんはまるで小さい子に言う台詞を私に真面目に言い聞かせる。
だから、私って何歳に見られているんだよ。もう18歳だっつーの。
「はいはい、分かっていますよ?無理はしないから大丈夫だよ?」
ヘスさんを安心させるために、ニコッと微笑んだが、逆にそれが良くなかったらしい。
ヘスさんは心配そうに続けてこう言った。
「姉さんにもリエラの事を十分に気をつけてもらうようにお願いしてあるからね?」
なぬっ!?そんな話をリズさんといつしたのだ?
あっ!分かったぞ!私が渡した手紙にでも書いてあったんだな?先回りされていたとは。
「あの…。私はもう18歳だから、1人でも大丈夫何ですけど?」
ヘスさん、忘れてないよね?私と貴方は同い年ですからね?
「うん?リエラの年齢はもちろん知ってるよ?でも何故か心配なんですよ………」
そう言いながらヘスさんはまたも私の頭を撫でている。
本当に好きなんだな、私の頭が。
「………分かりました。困ったらリズさんに相談しますから、そんなに心配しなくても大丈夫です。それと今日は本当に有り難う御座いました。ミランダさんとアーウィンさんにも、お礼をいっておいて頂けますか?」
「うん。分かってくれたなら良かった。ミランダとアーウィンには僕から、リエラがお礼を言っていたって伝えておくから。じゃあね?」
「はい、じゃあまた…………」
私はギルドの前で、ヘスさんが見えなくなるまで手を振っていたのであった。
リエラ自身は大人のつもりですが、周りからは危なっかしいと思われていますし、事実危なっかしいです。
周りのこの対応は致し方がないことなのですが、本人は不満気です。




