ブクマ200件お礼小話
ラズリエラの婚約者の、ノエルを奪ったマナ視点です。
誤字脱字はあるかと思いますが、とりあえず書けたから、投下!
私の名前はマナ。前世では日本人でした。
前世の私は日々の不摂生で18歳で亡くなり、現在は大好きだった『恋と魔術と光の乙女』という、乙女ゲームの主人公をやってます。
小さい頃は普通の村娘として、平凡に暮らしていました。
前世の記憶など微塵もなく、このまま村の中で結婚して、死んで行くものだと思っていました。
しかし18歳になる直前に、私は稀少な光魔術に目覚めて、魔力暴走を起こしてしまった。
そしてその時に、前世の記憶が甦ったのであった。
3日3晩高熱でうなされ、生死の境をさ迷った私は、4日目の朝全てを思い出したのである。
前世では今宵なく乙女ゲームと漫画とアニメが大好きな、所謂オタクという人種でした。
そんな私が死ぬ間際に遊んで居たのが、この『恋と魔術と光の乙女』という乙女ゲームだったのです。
そして光魔術に目覚めた私は、これからこの国の王都にある魔術学園に入学することになる。
私は極めて珍しい光魔術の使い手だから、貴族しか入れない魔術学園にもフリーパスで、入学する事になる。
そこで攻略キャラの男の子達と出逢い恋をする。
確か攻略キャラは、全部で7人だったと思う。
えっと……うちの国の第三王子と、宰相の子息と騎士侯爵家の後継ぎと、神官長の弟……後はそう!大商人の子息と、他国の王子も居たな。
それと隠しキャラが1人居て、確か魔術の大家の後継ぎだったと記憶している。この隠しキャラだけ、魔術学園に在籍しておらず、他の6人を攻略した後にルートが解放になるのだけど、それはゲームだから出来た仕様だ。
隠しキャラの攻略はほぼ無理なのでは無かろうか?
まぁ何にせよ隠しキャラは、他の6人の攻略後でないと、出会うことすら出来ないので今は気にしない。
攻略キャラを1年でフルコンプしなければっ!
うぉぉぉぉ~!!乙女ゲーマーの血が騒ぐぜぇぇぇぇ~!!!
出来る事なら7人全員攻略してハーレムエンドと、大団円エンドをこの目で実際に見てみたいものです!
魔術学園に入学するのが待ちきれない。今から楽しみでしょうがない私であった。
***
私の考えって本当に甘かった……というよりも、よく考えたら何にも考えてなかった事が浮き彫りになった。魔術学園に入ってから、楽に攻略キャラに出会えると思ったら大間違いだった。中々出会えないし、会っても身分が違うから、私の方から声なんて掛けらんないし。
それに何あの、周りの貴族たちの冷たい視線はっ?
平民ってだけで、あそこまで見下されるとは……貴族って怖い!
きっとゲームの主人公のマナは、よほど強心臓の持ち主だったのか、この状況でも楽しめるドMだったかのどっちかだよっ!
私にはもう耐えられそうもない。
だって…私は普通の日本人だもんっ!その日本人の弱気な気質に、村娘のマナの知識が入ってしまっているのだから、そりゃあ卑屈にもなるわっ!
しょうがないから隅っこでビクビクしていたら、何故か第三王子の方から声を掛けて来た。
えっ?違くね?第三王子は、宰相の子息と仲良くなったら話せる様になるんじゃなかったっけ?
あるぇ~?何でだろ?私なにもアクションしてませんけど?
これが世に言う主人公補正?って、何でだよっ!
何もやってないのに、補正なぞ掛かるものかっ!
怖い……第三王子の方から私に近寄ってくる理由が分からないので普通に怖い……。
そのままただ来る日も来る日もビクビクしてた。ただそれだけなのに、何故か他の攻略キャラまで、私の周りに集まって来る。だから………何でだよっっっ!!!
私が歩くと、一緒になってぞろぞろと後を着いてくる……。これじゃあ端から見たら私が引き連れているみたいに見えないかな?ううっ……困る。
いや、攻略キャラってイケメンばっかりだし、ウハウハだろ?って思うかもしれない。でもイケメンたちに囲まれるのって、2次元だから楽しいのであって、3次元になると途端にウザくなるんだね。それは勉強になったよ。うん、学んだ。
たがら……だからもう、勘弁してくださ~いっ!
追い払いたいけど、相手の身分が高過ぎて自力じゃ無理っス……。
誰かぁ~!!ヘルプッ!ヘルプミー!!!
ああっ!そっ、そうだっ!良い考えが浮かんだ!
確か攻略キャラたちには婚約者とか、幼馴染みとかの主人公のライバル役の女性キャラが居た筈だ。その人達にお願いして攻略キャラを、私から引き離してもらえば良いのだよっ!
よっしゃ!思い立ったら吉日と言うし、早速行動に移してみるとするかっ!
***
結果から言おう…………失敗だった。いや、むしろ悪手だった。
第三王子の婚約者の侯爵令嬢に、王子を私から引き離してくれと頼んだら、大きな誤解をされた。
侯爵令嬢いわく、私の言葉はこの様に聞こえたらしい。
【ざまぁみろ…。悔しかったら私から婚約者の第三王子を、引き離してご覧なさいよっ!ふんっ!貴女なんかには無理でしょうけれど?】
的な感じに伝わったみたいです。
いやいや、そんな風に言ってねぇしっ!どんな受け取り方だよ、ちくしょうっ!!私に対しての悪意の補正でもあるんじゃないの?
しかも侯爵令嬢と、その取り巻き令嬢に囲まれながら「鬼畜がっ!」とか「悪女っ!」などと罵られまして、メンタル激弱な私はうっかり泣いてしまい、その上その現場を第三王子に目撃された。
どんな確率だよっ!
第三王子は婚約者の侯爵令嬢に「マナを泣かせる者となど、婚約してられない。君とは婚約破棄をする」と、冷たい声で言い放ち私の肩を優しく抱いてその場を後にしてしまったのだ。
私は第三王子の肩越しに、泣き崩れる侯爵令嬢を見てしまい、良心が痛んだ私は王子に婚約破棄はやり過ぎだから、撤回してくださいと取り成したのだが、それがまたいけなかった。
第三王子の中で、私への心証がうなぎ登りだった。
「泣かされたのに、泣かした相手を必死に庇うなんて、マナはなんて純真で無垢な少女なのだろうか?」とか、キラキラ光る瞳で見詰められながら言われた。
ノォー!!その高評価、ノーセンキューーーー!
他の攻略キャラもことごとく失敗に終わり、攻略キャラたちの私への高感度は上がりまくったが、その他の人たちの私への評価は地に墜ちた。(いや、元々底辺だったが、更に)
もうこの状況を打破するには、卒業式の告白イベントで一人一人丁重にお断りするしか道は無い。
日に日に攻略キャラ以外の視線が冷たく突き刺さりますが、それも後少しの辛抱です。
明日に控えたダンスパーティーを凌げば卒業は直ぐそこですからね?
それまでの我慢だ。頑張れ私、負けるな私。
自分で自分を鼓舞していないと、メンタル激弱の私の心が、ポッキリと折れてしまいそうです。
こんなはずじゃなかったんだよぉーーーー!!!
私の叫びは、誰にも伝わらなかったのであった。
――――――――――――――…………無念っ!
実は最初はゲーム感覚だったけど、直ぐにあれは2次元だから楽しかったんだと、気付くマナ。
3次元じゃ辛いだけでした。
しかもやること成すこと裏目に出る、残念な少女の話でした。




