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ギルドカード発行

長くなっちった。

覚悟は宜しいか?

 結局私はリズさんに、色々な面倒をみてもらう事になりました。


 まずギルドに入会しました。そうしないとギルドの宿泊所は原則使用できないそうです。


 1階の受付でリズさんが担当してくれて、ギルドカードを発行してもらいます。


 丸い水晶体に手を翳すと、水晶体が淡く発光し始めます。

 発光している間に、自身の氏名、年齢、種族、職業をつげると自動的にギルドカードが作られます。


 以外にも簡単にギルドカードは作れてしまいました。偽名だが、大丈夫だろうか?と、内心ドキドキしていたのですが、肩透かしをくらいました。


 ギルドカードは白い色をしており、ランクが上がって行くと、カードの色が変化してくそうです。

 もちろん白は最低ランクで、新人の色だそうです。

 まぁ当たり前ですが。


 しかし、出来上がったギルドカードを見て、目を剥きました。私のギルドカードには、こんな事が記載してあったからです。



 リエラ


 年齢 18歳(笑)


 種族 人間(異世界人)


 職業 治癒魔法使い(胡散臭い)


 ギルドランク G



 となっていたのです。

 ありゃ?年齢18歳(笑)とは、何でしょうか?

 18歳って?ウケる~!と、いう事ですかね?

 待て!待て待て待てぇいっ!?

 どっちだ?どっちなんだ?パッと見の私の現在の外見年齢が、子供過ぎてそう見えないって事かな?


 それとも中身が既に18歳なんてとうの昔に過ぎ去った、58歳だとバレているって事なのか?

 あうあう……どっちなんだろ?

 分からん。


 私が黙ったまま嫌な汗をダラダラ流して居ると、心配したリズさんが私のギルドカードを覗き込んでくる。


 混乱していたせいで、全く隠せなかった。はっきりとリズさんに目撃されて仕舞いました。


 おぎゃ~!!!プライバシーの侵害だぞ?訴えちゃうぞ?

 ん?ちょっと待てよ?この世界にそんなもの無いな。プライバシー何て言葉も無いわ。

 じゃっ……じゃあ泣き寝入りか?ちくしょうっ!

 と、私が悔しがっていると、リズさんが首を傾げながら聞いてきます。


「リエラちゃんの顔色が悪かったから、何かカードにミスでもあったかと思いましたが、特に何もありませんね?………一体どうしたんですか?」


 カードの内容を見て、訝しげに見られると考えていた私は、またも肩透かしをくらった。


「えっ?ええっと……私のギルドカード…その、年齢の所とか、何か書いてありませんか?」


 恐る恐るリズさんに自分のギルドカードをみせる。

 リズさんは、黙ったまま真剣に確認してくれている。


「う~ん?年齢の所ですか?特に何も書いてありませんが…?あら、本当に18歳で登録で良いのかしら?今ならまだ直せますよ?」


「けっ…結構ですっ!!!」


 あるぇ~?この(笑)が見えないとな?

 安心した様な……不安な様な……。

 まぁ、私以外に見えないなら問題無いか?

 再度冷静にギルドカードを確認すると、年齢の(笑)以外にも見えてたら大変な箇所がありましたね。


 人間(異世界人)とか、治癒魔法使い(胡散臭い)とか……。

 最初に見た年齢の部分しか確認して無かったけど、後の方が危険な情報が記載されてる。

 まぁ、私以外には見えないみたいだから良いけど。




「そろそろ良いかな?カードの説明を簡単にしますからね?」


 リズさんが私の頬を指でツンツン突っついてくる。


「あっ!はい。おっ…お願いします」


 リズさんは、名残惜しそうに私の頬を突っつくのを止めると、受付の机の引き出しからドンッと、分厚い本を取り出した。


「私の簡単な説明後、わからない所はこのギルド規約を読んで下さいね?」


 うん、無理!!


 だってギルド規約……分厚過ぎじゃね?

 人一人余裕で撲殺出来ます!って厚さだ。

 いわば鈍器。

 あちこちに染みが出来ており、使いふるされたレジェンド級の武器の風格すら醸し出している。

 まさか……実際に人を殺したりはしてないよね?

 ゴクリ………。



 私がギルドの規約本に釘付けになってしまっていると、リズさんがたしなめるように囁いてくる。


「こらこら……。ちゃんと聞いてくれる~?」


 その鈍器…いや、武器…いえいえ、本を握りしめながらリズさんが、私にニッコリ微笑んでいらっしゃるが、恐い……。微笑んでいらっしゃるのに、恐い。規約本との微笑みの相乗効果が半端では無い。


 私は若干カタカタ震えながら、リズさんの説明を大人しく聞いたのであった。


「ではまず、ギルドカードは作るのにはお金がかかります。今回リエラちゃんのカード発行代金はゼノンが出してます」


 えっ?それもゼノンさん持ちですか?何か…お金を出して貰ってばかりで後ろめたいです。

 私のばつの悪い表情で悟ったのか、リズさんがすかさずフォローして下さいます。


「リエラちゃんは気にしなくても良いのですよ?これは正当な迷惑料ですからね?フフフ……」


 リズさんの片目が妖しく光る。


「あ…そっそうですね……」


 リズさんを敵に回したら駄目だと、私の第六感が告げている。

 ここは無難に肯定しておくのがベストだ。


「それで、紛失すると再発行にもお金がかかります。大体どこのギルドでも再発行出来ますが、料金が一律じゃ無いので気を付けて下さい。このフローズンバイパーのギルドでは金貨1枚となってます。無くさない様にしましょう」


 フムフム…。再発行には金貨1枚が必要と。日本円にして約10000円か。高いのか安いのか良く分からない金額ですね。

 何故かって?ふふん…私だって伊達に貴族だった訳じゃない。

 だから言えるっ!

 自分でお金を使った事など無いとねっ!!(もちろんお金の金額や種類は知ってるよ?)

 って、そう考えると貴族生活って怖いっ!

 学園で必要な物は全て学校側が手配してたし、実家では家に商人が来て、欲しい物を置いていってくれてたし……。

 私ってダメ人間じゃないかな?これからは貴族令嬢を言い訳には出来ないので、精進して行かねばなるまい。


 私が内心で決意を固めている間も、リズさんの説明は続く。


「それでギルドランクですが、カードを作ったばかりですと、色が白です。ランクが上がる毎に色は変化していきます。ランクの上げ方は人それぞれです。一般的にはギルドに寄せられた依頼をこなして上げていくのが一般的ですね。依頼内容は多岐に渡ります。依頼書が種類ごとに分けられているクエストボードを確認して下さい。そして依頼には指定ランクがある物もあります。例えばこれ、ホーンラビットの討伐依頼はEランクの冒険者しか受けられません。Eランク以下はもちろんですが、Eランク以上も受けることが出来ません。これは上位ランクの冒険者から下位ランクの冒険者の依頼を守る為にあります」


 ふぅ~ん。まあこの手の決まりができるって事は、過去にとんでもない事をやらかした人がいるってことでしょ?

 少し気になったのでリズさんに聞いてみる。


「上位ランクの人が、下位ランクの依頼を独り占めにしてしまったとかでしょうか?」


「あら、やっぱり分かる?そういう事。独占を防ぐためのランク指定ね……。後は…達成条件が難しいほど報酬は良いし、直ぐにランクポイントも貯まるから、昔は自分のレベルに見会わない無茶な依頼も受けていたのよ…まあ、大体が返り討ちに遭って亡くなっちゃったりしたから、この指定が義務付けられたと言うわけです」


 そっか…無謀と勇気は別物だよね?肝に命じて置きまっす!


「もちろん依頼は危険な討伐依頼ばかりではありません。採集依頼や、お使い依頼、護衛依頼などもあります。ちなみにはFに上がる為のランクポイントは10000ですが、まあ貴女は無理はしない様に、町の中で出来る依頼をしましょうね?」


「ええ~~~~?」


 つい不満の声を上げてしまう私に、リズさんがニッコリ微笑みながら規約本を持ち上げる。


「あら?ご不満でしょうか?」


 うひゃっ……。不満なんて無いです!あるわけ無いですっ!!


「なっ…ふっ…不満なんて無いですっ!!」


「なら良かったです。貴女は現在妊娠中ですからね?時々ご自分でも忘れてしまっているみたいですが………」


 あっ!そうでした。忘れてました!


「はぁ……。やっぱり忘れてましたか……。本当に表情で直ぐに分かりますね。今後も貴女の行動には目を光らせねばなりませんねぇ…フフフ…」


 うぎゃっ!目がっ!リズさんの片目がぁ~~!!!妖しく光輝いて…すっ…凄く恐い……。ガクガクブルブル……。


 私がひとしきりリズさんの目の前で震えて居ると、ギルドの扉が開き、知っている人達の声が聞こえてくる。



「うおおおお~!帰って来たぜっ!!酒だ!俺は酒を浴びる様に飲むぞっ!!」


「はぁ…疲れた。私は甘いものよ!ケーキ!ケーキを浴びる様に飲むわっ!」


「落ち着いて二人とも…。先ずは報告が先ですよ?それにアーウィンのお酒を浴びる様に飲むというのはまだ分かりますが、ミランダのケーキを浴びる様に飲むとは、一体どういう事でしょうか?」


「だから……言葉のままですわ!浴びるが如く飲むのですわ!!!」


「あっ…浴びるが如く飲む…ですか?ケーキを?」


「あら、ヘスは知らないかしら?ケーキって飲み物よ?素晴らしいでしょう?」


「それは……知りませんでした………ですが、素晴らしくは無いですね」


「おい!ごちゃごちゃ何やってんだよ?早いとこ依頼の報告しちまおうぜ!で、面倒くさいからヘス!頼んだっ!!ほら、早くしろ~」


「はいはい、分かりました。そんなに急かさないで下さい。では…………」


 騒ぐ二人を仕方なさそう宥めながら、こちらに向かって来たのは、今朝別れたばかりのヘスさんであった。






って、そんなに長くなかったかな?良く分からない。短かったらすまぬ。


そして勘違いじゃ無ければブクマ100件…有り難う御座います。嬉しいです。


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