秘密の露見って、何だそっちかぁ…
一発書き。お察しください。
笑いの波が落ち着いて来ると、私はゼノンさんでは無く、美人さんの方に話を聞く事にした。ゼノンさんとはまた言い合いになってしまうだろうし。
それって時間のムダだよね?
「それで、何で私はの首は痛かったのでしょうか?後、ここはどこですか?」
「おう、それはだな…………」
何故かご機嫌でゼノンさんが教えてくれようとするが、途中で待ったがかかる。
「ゼノン…貴方は黙っていて下さいません?彼女が聞いたのは私にですよ?」
「チッ……。何だよ~…………」
「お黙りなさいっ!!」
「ーーーーーっ!?」
美人さんの鋭い恫喝に、沈黙するゼノンさんとついでに私。
だから美人が怒ると夜叉になるってばっ!!うぅぅぅ~コワッ!
ゼノンさんから私の方に視線を向ける美人さん。
あれっ?もう微笑んでる。顔は怖くなくなったけど、何かその変わりようが恐い。
「ええっと。ごめんなさいね、ゼノンが邪魔して。それで首の怪我の原因は、ゼノンよ。アイツが貴女の首に手刀を叩き込んだから怪我をしたの」
「ええっ?何故会ったばかりの私に手刀を?」
野蛮過ぎる。ゼノンさんに何か悪いことでもしましたかね?記憶にございませんが?
「ゼノンいわく、貴女が話を聞かないからだって言ってたけど……事実でしょうか?」
「話を聞かない……?というか、意見の不一致ですかね。私は門の通行料をゼノンさんに支払ってもらう理由が無いので、断りましたが……それが話を聞かない事に繋がるのならばそうでしょうね?」
「それはまた……本当に単細胞ですね、ゼノン?」
「だってよぅ…。通行料を出してやるって言ってんのに、何かウダウダしてっからさ……つい……」
「ついで、女の子に暴力ですか?やはりあのまま牢に投獄された方が良かったのでは?庇ってやるんじゃ無かったっ!!」
「うおっ………」
ひいっ!またもや美人さんの顔がっ!顔がぁ~!!
夜叉を突き抜けて、般若の様な表情をされて居ります!!ゼノンさん、今すぐ謝ってっ!ここは日本のお家芸、土下座だっ!!
「えっと…貴女は何をやってるんですか?まだ首が痛いのでしょうか?」
何ですと!?
土下座が通じない!!!そうだっ!異世界だった!
ううっ…。ローリングを最初に入れて置くべきであった。
悔やまれる。
「あっ!そう言えば…。先ほどの貴女の魔法は中々でしたね?魔法が使えるのならば、治療魔術は要らないですよね?魔術は魔法より治療費が高額ですからね」
ん?とっさに使っちゃったけど、良かった。魔術師だとはバレて無い。魔法使い。そう、私は魔法使い。ヒールなんて初歩の呪文ならば魔術も魔法も違いは無い。
「そっ…そうですね~?自分で治せましたから、治療魔術師は大丈夫でした。そこまで重症では無かったですしね」
「ゼノンには後でお仕置きしておきますから。本当にごめんなさいね?」
頭を美人さんに撫でられます。ふぁ~気持ち良い。
うん?何かデジャブ……。つい最近誰かに同じ様に撫でられた気がする。
う~ん?誰だったか?後少しで分かりそうだ。
私が悩んで居る間にも、美人さんは先ほどの質問に答えてくれる。
「後は…そうですね、ここはどこか?という質問の答えですが、ここはフローズンバイパーのギルドですよ?」
なぬっ?ギルドだったんですか?
でも私……ベッドに寝てますが?
「貴女は全部考えている事が顔に出ますね…。簡単に説明しますね?このギルドでは、1階がフロアーが受付&食堂、2階フロアーが簡易宿泊所と資料室、3階フロアーがギルドに勤めている者達の寮、4階フロアーがギルドマスターの執務室となってます。因みに地下には素材の解体、買い取り所が併設してますし、外には訓練所などがありますよ。そして貴女が現在居るのが簡易宿泊所です。ベッドと机と椅子しかありません」
確かに美人さんの言うように私が寝ているベッドと、美人さんが座っている椅子と、ゼノンさんが寄り掛かってる机しか無いですね。パッと見4畳半程度でしょうか。
学園寮に比べると狭いですね。あそこは15畳はありましたからね。しかもバス&トイレ付きです。
勿体無い。たかが学生ごときにあれですからね?
まあ皆貴族でしたが。
「そうなんですか。色々教えて頂いて有り難う御座いました。申し遅れましたが、私はリエラです。魔法を……少し使えます」
そう言えば名乗って無かったわ。礼を欠いていた私に、美人さんも今気づいたらしく、名乗り返してくれます。
どうやらお互い様だったみたい。
「こちらの方こそ、申し遅れました。私はリズと言います。このギルドで受付をさせて頂いております。ヨロシクね」
「はい。ヨロシクお願いします………」
リズさんですね?了解でっす!ってあれっ?ギルドのリズさん……?えっと?う~んと…………?
ああっ!!!そうだっ!!確かヘスさんが言ってた双子のお姉さんの名前がリズさんだったような。
「リッ…リズさん。突然ですが、ご兄弟にヘスさんて言う人はいらっしゃいますでしょうか?」
「あら?ヘスと知り合いでしたか?私の双子の弟ですが?」
私は素早く横に置いてあった魔法のカバンからヘスさんに預かった手紙を取り出すと、リズさんに手渡しました。
「手紙…ですね?少々失礼します」
そう言うと、直ぐに手紙を開けて内容を確認し始めるリズさん。
読み進める内に、段々と表情が険しくなって来ます。一体どんな内容をヘスさんは書いたのでしょうか?
リズさんは読み終わったのか、手紙を小さく畳むと、なんと胸元に入れました。
どうして胸元に入れるのでしょうか?確かに大きいですから、手紙が落ちて仕舞う心配は無用でしょうが。チッパイな私と致しましては、若干ジェラシーを感じてしまう行為です。
チッパイにも需要はあんだよ、元婚約者のノエルとかなぁ……。ちくせうっ!!!
「勝手で悪いけれど、ヘスからの手紙で貴女の秘密を知ってしまいました」
ひえっ?魔法使いとか言いましたが、魔術師だってバレてしまいましたか?いえ、嘘を付こうとした訳では御座いませんっ!
保身は計りましたが。
お許しを~~~~~~~!!!!
無意識にベッドの上で土下座体勢をとってしまった私に、リズさんが何故か慌てて止めに入ります。
「ちょっと!!そんなお腹に負担の掛かる体勢は今すぐお止めなさいっ!!お腹の子に障ったらどうするのです!!」
「ごっ…ご免なさいっっっっ!!!」
リズさんの余りの剣幕に驚いて反射的に謝ってしまった。
そうだった。忘れがちになりますが、私は妊娠してたんだった!
ヘスさんからの手紙に書いてあった私の秘密ってその事だったのかぁ……。危なく自分から魔術師だってペラペラ喋る所でしたよ。
そして今一人、リズさんの発言について行けなかった人物が居たのでした。
そう、ゼノンさんがすっとんきょうな叫び声を上げたのでした。
「はぁ~~~~~~~?嬢ちゃんが……?まさか……嘘だろぉぉぉぉぉぉぉ?」
「ゼノン、うるさいっ!!」
「ブギャッ………」
リズさんの裏拳が顔面にクリティカルヒットしたゼノンさんは、鼻血を滴ながら床に沈んだのであった。
やっとヘスの姉のリズと気付きました。
双子ですが、二卵性のため、面影が被る位ですかね。そんなに似てない。
ゼノンはあんな役回りです。単細胞、暑苦しい……って、アーウィンとキャラ被ってねぇ?




