第52話 これから付き合う可能性は?
秋谷さんへのQ&A
Q1. 文化祭のとき、秋谷さんが男の子と一緒にいるの見たんですけど
A. 男の子と一緒に居ました。
Q2. 付き合ってるの?
A. 付き合ってないです。
Q3. 今日の朝何食べた?
A. シリアルだったかな、豆乳をかけて食べました。
Q4. 男の子とどういう関係?
A. 中学校の頃からの友人です。
Q5. 結構仲良さそうでしたけど?
A. 仲がいい、中学校からの友人って感じです。
Q6. 昨日の夜は何食べた?
A. え、昨日の夜?なんだったっけ…あっ、ハンバーグだったかも。
Q7. 午後から文化祭回ったそうですけど?
A. そうですよ?午後から見ませんでした?ちゃんと外に出てましたけど。
Q8. 一緒にいた男の子はどんな人?
A. 普通の人ですよ、本当に。
Q9. 昨日の昼は?
A. なんで君はさっきからご飯の話しかしないの?
Q10. 実は私も秋谷さんの朝ごはん気になってたんですけど…
A. そこに引っ張られることあるんだ…ちょっと待ってよ、オムライスだった気がする。
Q11. その男の子って1-Cにいます?
A. います。
Q12. 秋谷さんが1-Cに行くのってその男の子と関係はある?
A. 私は1-Cの女の子と一緒にご飯食べてるから、関係はないかな。
Q13. いや、そんなこと言ってるけど実は関係あるんじゃないの?
A. 一緒に食べることはあんまりないですよ?
Q14. 私も1-C行っていいですか?
A. ご遠慮ください。
Q15. 実は私、もう1-C行ってるけどねー。
A. なんでマウントとるようなこと言うの?
Q16. じゃあ私も、他の子に用があるっていう理由で1-Cに行っていいですか?
A. 別の理由作っちゃってるじゃん。本当に用があるんだったら来ればいいんじゃないかな。
Q17. 私、秋谷さんに用があるっていう理由で1-Cに行ってもいいですか?
A. 私、ここにいるんだけど?
Q18. これから付き合う可能性は?
静観していた明空さんが核心に触れる質問をする。
他の女の子は興味津々と私の顔を見つめてきた。
どう答えればいいか考える。
下手に煽ると他の子たちは1-Cに来るよね。
でも、完全にナシっていうと吉川くんに悪いような気もする。
「…分からないけど、ゼロ、じゃないかも」
そう私が応えると、女の子たちは沸き立った。
「ごめん、私1-C行くから」
他の人に迷惑がかかるかもしれないから、教室には来ないでよ、と付け加えて席を立つ。
あの子たちのことだから、教室の入り口でニヤニヤしながらこっちを見てくる。
あとで聞くと「教室には入ってないから!」って言い訳されそう。
「好奇心を煽るようなこと言っちゃったね」
明空さんはいつも通りの様子で私に話しかける。
「そもそも、明空さんがあんなこと聞かなければよかったんじゃないの?」
「誰かは聞いてたって」
そこで付き合う可能性はゼロって言わないところが優しさだね、と言って明空さんは笑った。
実際、ゼロじゃないし。
すぐに1-Cの教室に着く。
やっぱり吉川くんはそこまで変わっていない。
そんなに一朝一夕に変わるようなものじゃないし。
「やぁ駆け出しの自分磨きくん、今日は一緒に食べてくれるの?」
そういって空いているの席に腰を下ろす。
明空さんも私の隣に座った。
「あ、秋谷さん…」
ちょっと待ってよ、と言って少女漫画を開く。
ラブコメ主人公が少女漫画を読んでいるのは初めて見たかも。
「ストップ」
私は少女漫画を取り上げる。
「私、ここにいるんだけど?」
ちゃんと私を見て、とは流石に大勢の前では言えない。
「じゃあこんにちは、秋谷さん」
「こんにちは」
私たちは昼ご飯を食べ始めた。




