イケメン5.武官_パパ
第2部が始まる。
第2部はなんと、キラ、兄、李氏様、燈実様、御者、燈実様の父親、私。燈実様と御者は予想外に早い旅からのご帰還。遊んでこなかった?
イケオジの燈実パパには初対面。私が香香ということは伏せ、都案内人ということになってた。西の国の男は、男としか仕事をしない文化。男装の私は好都合。ツアーコンダクターだったら会合への同席は変なんだけど。ま、気にしない。
[ほう。若いのに語学に精通しているとは感心な]
燈実パパは細かいことを気にしないタイプみたい。ヨカッタ。
第2部は軍事について。
外国船が来るとしたらどこなのか、来たらどうするのか。
大きな船が着岸できる港は限られてる。
列強諸国の船は船底がV字型で深い。普通の港では船底が岩礁に乗り上げてしまう。
但し、船から小船を下ろして兵士が来るパターンもあるんだって。
「目的が植民地化なら狙いは皇帝。都に向かうでしょう。そうすると、やはり華港かあるいは、大河を遡って都の港。あの港なら大きな船でも着岸できる」
と燈実パパ。
兄は素早くキラに通訳する。
そこでキラから、外国船の大きさの説明が入った。予想される兵士の数、砲弾の飛距離、命中率。
机の上には巨大地図。燈実パパは軍を配置すべき数カ所に碁石を置く。
キラは碁石の1つを指した。それは、華港がある湾から大運河への入り口。大運河を北上すると都を通る大河に合流する。
[大運河は、他の国に知られておりません。私は今回の旅で初めて知りました。ですので、ここは狙われません]
キラの言葉を兄が通訳。
確かにそーかも。
「大運河は、海からの船では幅が狭くて通れないと思います。小船で進むとしても、迷路のように複雑で、土地勘のない者は都まで到着できません」
私は旅で見てたことを伝えた。
大河はうねうねしながら東から西に向かって流れている。大運河は南北に走り、大河の、河口と都の間で交わる。
燈実様は、新たに、地図の2箇所に碁石を置いた。
「じゃ、大運河の北側と南側で待ち伏せて、大河を海から遡ってきた船を挟み撃ちにすればいい」
大河は大運河と美しくクロスしてはいない。大河を海から遡ると、まず左側に大運河の華港へ向かう入り口が現れる。数キロ進むと大運河は大きく左にカーブする。カーブの内側寄りに中洲があり、外側ーーー右側に大運河の北へ向かう入り口がある。
戦場は、幅4里(2キロ程)、長さ12里(6キロ程)の範囲になる。敵船を取り囲んで撃沈させるという作戦。
「では、河がカーブした後の川幅が狭くなったここがいいと思います」
御者が燈実様の置いた2つのうちの1つ、華港へ続く南側の碁石を中洲の辺りにずらした。中洲の分、川幅が狭い。そこなら敵船により近づいて攻撃できる。戦場は2里(1キロ程)四方くらいになる。
ということで、第1目標.華港で撃沈、第2目標.大河と大運河、中洲の部分で撃沈、第3目標.都への上陸前で撃沈。
「それ以上は人々に被害が及ぶ。絶対にそこまでで食い止める」
イケオジ燈実パパは宣言した。かっこよ。
「水軍があるのですか?」
尋ねると、これから訓練するとのこと。軍事用の船はないので大砲を乗せる。船の操舵は経験者を雇うことを検討。
「大砲をかき集めるぞ」
「どう考えても足りません」
「予算も兵も足りないんじゃないですか?」
武官3人が小声で話し合ってる。
「上層部に知らせず、演習という形で訓練を行おう」
なんて言う燈実パパ。十分上層部なのでは? 船の調達や軍を動かす権限あるんだから。
燈実パパが李氏様に目配せする。
「あれを使うか」
「そうですね」
李氏様が頷くと、燈実様と御者も「分かりました」と返事。
あれって何?
「問題は戦費ですね」
李氏様は眉に皺を寄せ、額に手をやった。お金ないん?
燈実パパは退出。
キラと兄も帰る。
燈実パパは、キラ&兄と握手し、めっちゃ感謝してた。




