表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
81/82

第81話

『僕は自分の運命を恨んだよ……。


 どうして僕だけが、こんな思いをしなければならないのかって……。


 何度も何度も考えた。


 そして、僕は自分自身を見失いそうになった。』


『だけど……そんな僕を救ってくれたのは、キミだった。


 キミは何も聞かず、ただ優しく僕のことを受け止めてくれた。


 冷たく閉ざしていた僕の心を、キミは温かく包んでくれたんだ。』


『ありがとう……小町。


 どれだけ感謝しても、感謝しきれない。


 キミからもらったものは、僕にとって何よりも大切なものだった。』


『だから僕は……。


 そんなキミに、クリスマスの日に自分の気持ちを伝えようと思っていた。


 キミに出逢えたこと。


 キミを好きになったこと。


 全部、正直に伝えようと思っていたんだ。』


『だけど……。


 その時、妹の佐奈の容態が急変した。』


『僕は、どうしても妹を助けたかった。


 恥を承知で……。


 自分でも情けないと思うような頼みだと分かっていたけど、僕は幸隆のもとへ行った。』


『そして、妹の佐奈を助けてほしいと頼んだ。


 だけど……幸隆の答えは冷たいものだった。』


『「私には関係ないことだ!」』


『その一言で、僕の最後の希望は簡単に打ち砕かれた。


 僕は、どうすることもできず、その場に立ち尽くした。』


『だけど……。


 翌日、突然、佐奈のアメリカでの手術が決まった。』


『僕はすぐに、幸隆が手を回したのだと思った。


 そして、一瞬……この話を断ろうとも思った。』


『あの人の情けに頼ることが、僕には悔しかったから……。


 僕は、母さんを傷付けたあの人を許せない気持ちもあった。』


『でも……。


 今、一番大切なのは何なのかを考えた。』


『僕にとって一番大切なのは、妹の佐奈の命だった。』


『だから僕は……。


 幸隆の情けに縋ることにした。


 たとえ、それがどんなに悔しくても……。


 佐奈を助けるためなら、僕は何だってするつもりだった。』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ