第一話:低身長ですが何か?
「とりあえず散策してみてるは良いものの…何も無いなぁ」
テクテクと萎はその辺を歩いていた。
不思議な樹の実や、見たことない植物に目を輝かせ、自分のいるこの世界が日本ではないことをふと感じる―――
「ちょっと!ここは人間禁止の森なんだけど!?」
―――その瞬間、どこから声がした。
「えっ何!?何!?」
思わず下を向く、その方向には麗しい少女が立っていた。
金色の髪に緑色の瞳、絶世の美女とはこういうやつのことを言うのだろう
「なにボーっとしてんのよ!!ここは人間禁止のエルフの森なんだってば!」
彼女の身長はとても低かった。
彼自身が身長147cmなのにも拘らず、見下ろせるくらいの身長である。
そう思っているのがバレたのか、彼女の怒りの表情を露わにした。
「ねぇ!いま身長低いって思ったでしょ!こう見えても私はこの村一番の高身長なんだから!」
…どういうことだ?
この低身長の俺が見下ろせるくらいの身長だというのに、村一番だと?
「失礼、身長をお聞きしても?」
「109cmよ!」
自慢家に彼女はそう答える
「ひゃ、ひゃく9?」
109cmなんて小1でもなかなか見ないぞ!?
確かにそう言われればしっくりくる身長だが…
「私の名前はシーヴャ!あなたは?」
「僕は轢田萎です。よろしく」
「あなた、私を目の前にしても恐れないなんてなかなか度胸のある人ね!気に入ったわ!村に案内してあげる」
「ありがとう!」
俺は彼女についていく。
しばらく歩いて森を抜けると、目の前にはツリーハウスの集落が広がっていた。
「ねぇ、この人だれ?」
村人が話しかけてくる。
その瞬間、横にいたシーヴャが隠すように前に出て、喋り出した。
「この人はヒクタ・ナエル!とっても身長の高い人なのよ!」
「そうか、俺はこの世界では高身長なのか…」
もしこの世界にもバスケがあったなら、俺はバスケ部だっただろう。
って…こんな妄想してる場合じゃないか
「それより、ここは人間禁止の森じゃなかったんですか?何で僕を入れてくれたんですか?」
「え、人間なの?身長高すぎて人間じゃないと思ってた。」
非道なことを喋る彼女の横から、何やら小さな少女が出てきた。
「身長80cmいかない奴は人権ない!身長80cmいかない奴は人権ない!」
頭にアルミホイルを巻き、5Gは毒電波だと言わんばかりに思想の強いことを喋っている。
「ごめんなさい、この子、私の妹なの!親の影響で陰謀論者なの!!ほらアンタ自己紹介しなさい!」
「こんにちわ、私ザンギ!(身長78cm)あなた、身長はいくつ?」
「146」
「…え?」
「だから、146cmです」
「「え、えええええええ!!!」」
ムンクの叫びのような感じで二人は驚いている。
「あなたこそ救世主様だったんですね!」
「ああ、そうっぽいです」
萎の冒険は続く!
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