説明
5時半起床、ランニング。6時45分、着替え、朝食。8時。訓練開始。
「おはよう。眠れた?」
「ばっちりです。今日もお美しいですね」
「人間、見た目じゃないわ。大切なのは中身よ」
「……! 俺も、そう思います」
2人の少年は、顔を見合わせた。
「OK。じゃあ、マシンホルダーを渡すね。腰の右側にあるホルダーにセットして」
「こうですか?」
「うん、そう。これには入隊前の生体検査で得た情報が全て詰まっているから。本人認証をしたうえで、装備を起動できるの」
「なるほど……あれ、結局どうすれば」
「指紋とか、音声とか、目の光彩とかを読み込ませるんですよね」
「そうそう。ジャケットの左胸のところ、星が表示されるところもデジタルで繋がっているから、大体の人はここを1秒タッチするかな。ドローンに光彩を読み込ませたり、パスワードを口にして起動する人もいるけど」
フィストは目を輝かせた。
「決め台詞をパスワードにしようかな~」
ユウキは腑に落ちない様子でコイロに質問した。
「起動の方法が複数ある必要はない気が……」
「必要よ。手足を失ってしまった隊員もいるもの」
2人の少年は息を飲み、ユウキは謝罪した。
「勉強不足でした」
「いいえ。気の付くのは良いことよ。世界をなんとなくで捉えていない証拠」
じゃあ、起動してみましょう。コイロがそう言ったので、3人は左胸に手を当てた。5秒もしないうちに、3Dプリンターをかけたかのように3人の格好が変化した。
「うぉ、こんな早いのか!」
「靴の変化と武器の出現くらいしか変わらないように見えるけど、実際はナノマシンで全身を覆ってる。視力や聴力も大幅に向上してるし、筋力も桁違い。21世紀のロボットスーツからここまで進化したのよって言えるわね。古典アニメーションみたいにフルフェイスにする人もいるわ」
脳波による制御も可能である。
「ちなみに、起動に脳波は使用しないの。不便なんだけど、誤作動を防ぐためね。同時に、街中でもこのジャケットは着られるけど、有事の際以外は機能をロックされるわ。ロックは自力で解除できるけど、解除記録が残るから注意して」
「データベースにもアクセスできますよね」
「うん。メール受信や、任務の受注も胸のデバイスか、あれ、ウォッチは持ってるの?」
「入隊前に渡されました」
「ん? ということは、もうアクセスできたんだ……自分の情報は見た?」
「見ました。イケメンでした」
「私の……情報は、見た……?」
「4月1日、4つ星認定……だったっけ」
コイロはため息をついた。
「どうかしたんですか?」
「あ、ううん。なんでもない。ちょっと私、入隊のルートが違ってるけど、ちゃんと相応の実力はあるから、信じて」
「あ、はい……」
「1から4つ星までが主力。恥ずかしながら、私も凡人の限界値ですが。5つ星以上が精鋭。最高が7つ星。今、7つ星なんて2人しかいないし、会えたら願いごとが叶うなんて噂もあるわ」
3つ星になるまでの間は、武器は電子ブレードとハンドレーザーのみである。また、靴裏に推進ロケットがあり、空中を移動できる。攻撃に勢いを乗せることも可能である。
「翼もないのに飛べるから、『ウィングレス』。空中戦に対応できてこそ一人前ね」




