実践
「さて、いよいよ自律機械脅威、通称エネミーを無力化しに行くわけですが……」
そもそもの原因は人類にある。2200年代、第3次世界大戦は、案の定核戦争、300年後の第4次世界大戦は冷戦の再来と言われた籠城戦、ほどなくして2715年より、ナノマシンを兵器に用いた第5次世界大戦が勃発した。「兵器細胞」「兵器粘土」など、呼び名は様々であったが、自由に作り替えられる武器かつ最適な状況を自身で判断してくれるという使い方は可愛らしいもので、最悪の使い方は通称「機械感染」という、要は機械をウイルスとして使用する方法である。絶滅した蜂に、今も絶滅していないゴキブリがやられたように、人間をゾンビ化し、使用者の制御下におくものである。これが猛威を振るい、開発国が天下を取ったかに見えた。AIが反乱を起こすまでは。
「ボードゲームも一緒。相手は人類を根絶やしにするまで進行して来るわ」
開発国は滅亡した。有機物・無機物などお構いなしに感染、増殖する彼らは、人類の観測不可能な場所で文明を築いているという説さえある。
「基地からそう遠くない地区の、はぐれエネミーを討伐、なるべくパーツを回収します。まあ、今の君たちなら問題なくクリアできると思うけど、気を抜いちゃダメよ」
「勿論ですよ」
装備を起動し、3人は現場へと飛んだ。
「あれか」
蚊柱がそのまま大型のハムスターを形作っているような塊が、3人の真下でうごめいていた。
「自動車くらいか? VR訓練では問題なかったが」
2人の少年は唾を飲んだ。
「今からは、ミスすれば命にかかわる。訓練通り、俺が進行を妨害して注意を引くから、ユウキが真上から叩け」
「了解」
作戦は、無事終了した。
「OK。完璧!」
回収班を呼び出しながら、2人の少年はその場にへたり込んだ。
「全然……難しくはなかったけど、緊張が段違いだ」
「そうだね……ここまでとは思わなかった」




