#14 満ちぬ月と月の姫 -宵闇に蠢くもの-
久し振りな1日複数投稿
「とりあえず紅魔館を飛び出して来たはいいけれど
・・・咲夜、どっちへ向かえばいいのかしら」
「私にも分かりかねます」
「なら手の鳴る方へ向かえばいいのでは?
鳴らしているのは鬼ではないですけど」
「貴女も半分鬼のようなものでしょう
私に至っては全部だけれど」
レミリア、咲夜、そしてジャスミンの3人は八雲紫が夜を止めたのち、すぐに紅魔館を飛び出した・・・はいいものの、何処に向かえばいいものか迷っていた
一先ず当主の気の向くままに飛んでいたのだが
「確かに手は鳴らされていますね
というか、蛍が求愛しているだけなのでは?」
「咲夜、向かっている方をよく見なさい」
「何だか変なのがいますね
今夜は蛍狩りですか?」
「蛍狩りっていうのは・・・」
「勿論、そんな暇は無くってよ」
「人の話を聞けぇ!!」
「何か喚いていますね」
「人じゃないからスルーしましょう」
「待て、お前たち
この私が見えないのか!」
「虫の癖に煩いな
咲夜、さっさと片付けて頂戴」
「分かりました、では」
「漸く相手をする気になっ・・・ちょっ」
何やら騒がしいのが現れたのだが、突如出現した(厳密には咲夜が投げたのだが)大量のナイフに追われてどこかに行ってしまった
「煩いだけで大したこと無かったですね」
遠方から「ちょっ、スペルカードは・・・」などと悲痛な叫びが聞こえるが、3人は気にせず飛び続けた
暫く飛んでいると歌が聞こえ始め、咲夜の様子がおかしくなった
「お嬢様、今どちらへ向かっているのでしょう
確かに手は鳴っているようなのですが、何も見えません」
「おかしな月とはいえ、これだけ光があるのに・・・
・・・確かにおかしいわね」
「そういえば、夜雀の屋台があると聞いたことがあるから、その夜雀の仕業では?」
「何?その『ヨスズメ』って」
「夜雀なら私の」
「私も話半分に聞いている程度なので良くは知りませんが」
何かを通り過ぎた気はするのだが、殆ど盲目状態の咲夜も含め誰も気にしては居なかった
「ちょっと待って!」
「また煩いのが居るわね、咲夜」
「お嬢様、殆ど前が見えないのですが」
「・・・と言うわけで、元に戻してくれるとありがたいのだけれど」
「私の屋台に寄ってくれるなら元に戻してあげてもいいけど」
「じゃあ実力行使ね」
「何でそうなるの!?」
「悪いけど私たちは急いでるの
そんな悠長に付き合っている暇は、無い」
レミリアが言い放つと同時に大量の蝙蝠と紅い弾を放つが、目の前の『ヨスズメ』は辛うじて避けきった
「ああもう、話どころか名前も聞かないで!
悪魔ってのはあんたみたいなのを言うのね!」
「よく気付いたわね
私がその悪魔だけど」
「げっ、本物!?」
「せっかくの良い夜の筈だったのに、満月を奪われてイライラしているの
貴女は満足させてくれるのかしら?」
「ところで何も見えないのですが」
「ああジャスミン、咲夜と下がってて
私は少しこいつで遊ばせてもらうわ」
「『こいつ』じゃないでしょ!
私はミスティア・ローレライ、その夜遊び、後悔させてあげる!!」
「私はレミリア・スカーレット
こんな夜に私に喧嘩を売った事を後悔するが良い!!」
ミスティアと名乗った夜雀が大量の楔状の弾を放つ・・・が、レミリアはそれを全く意に介さず、先程よりも更に威力を上げた弾で全て打ち消した
そればかりか楔状の弾を呑み込んだ弾は無数の小さな弾に分裂し、ミスティアを襲う
「もう!
仕方がないけど1枚目、使わせてもらうわ!」
『猛毒「毒蛾の暗黒演舞」』
ミスティアが周囲に弾を放ち、接近していた弾を全て叩き落とす
おまけと言わんばかりにレミリアに向かって弾を射かけてくるのだが・・・
「ふん、この程度か
児戯にも劣るな」
そう言いながら文字通り片手で叩き落としていた
「何その反則技!」
「反則じゃないわ
直撃しなければ被弾したことにはならないでしょう?」
実際、手に魔力を纏って叩き落としているので、直撃どころか掠ってすらいない
確かにルール上反則とは言いにくいので、ミスティアは早速2枚目を使うことにしたようだ
『鷹符「イルスタードダイブ」』
ミスティアとはまた違う小さな鳥か蛾のようなものが弾を放ちながら飛んでいき、同時にミスティア自身も弾を放つ・・・が
「いくら何でも穴だらけね
この程度では、倒せない」
全ての弾を避けながら逆にレミリアも弾を放つ
その余裕綽々の態度には流石にミスティアも怒ったのか
「夜雀の怖さ、思い知るがいい!」
『夜盲「夜雀の歌」』
流石にレミリアといえど視界は狭まるのだが
「そんなもの、弾ごと薙払ってしまえばいい
紅符『不夜城レッド』」
四方、というより六方に放たれた紅い気が全てを押し流していった・・・が
「なら、最終手段!
夜雀『真夜中のコーラスマスター』」
一度広がった視界がまた急速に狭まろうとするのだが、レミリアは手元に特大の弾を作り出し・・・
「調子に乗るな、弱小妖怪が」
腕力を生かして全力で投擲した
「流石に悪魔といえど・・・おぶっ!!」
どうやら直撃したらしく、視界が元に戻る頃には夜雀も見えなくなっていた
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「貴女も大丈夫なようね
じゃあ、先に進みましょうか」
一応、話的には萃夢想の方が先なので既に『神槍「スピア・ザ・グングニル」』は既にスペルカードとして存在している設定にはなっていますが、今回はゲームでプレイヤーキャラクターが攻撃しいている感覚で使ってもらいました
・・・明らかにオーバーキルな威力なのを気にしてはいけません
誰にも質問されない(そもそも質問来るほど読まれてないような・・・)のですが、2話程前に本作主人公のアリスとジャスミンがスペルカードルールに則って喧嘩している最中、咲夜さんが割り込みますが、本作的にもルール違反です
ただ、あの時はアリスが(威力がかなり絞られた状態とはいえ)核融合を手元で行ったため、主人と館を守るため、仕方無く介入したという事で解釈していただきたいのです
※因みにレミリアがミスティアの弾を叩き落としたのは後にスペルカードルールの禁止事項に加えられました(具体的には「相手の弾幕は避けるか弾幕で迎撃しなければならない」)




