#4 紅霧異変-紅白白黒-
霧で紅く染まった空を飛んでいく2つの影があった
博麗霊夢と霧雨魔理沙である
「・・・本当にこっちで合ってるのか?」
「こんなことするのは大体あいつらの仕業でしょ」
「・・・そういえば屋敷も紅かったしな」
暫く飛行を続けていた2人だが、周囲の異変に気付いて止まる
「おかしいな、昼に出発したはずなのになんだか周りが暗いな」
前方から徐々に暗くなっていき、夜になったのではないかと錯覚する程にまで暗くなった頃、周囲に擬態するような服装をした少女が現れた
・・・尤も、金に近い髪に赤いリボンを巻いているのでは擬態出来ているかどうかも怪しいのだが
「あなた達は食べてもいい人類?」
「あんた誰だっけ」
前方から現れた少女に霊夢が返した
「酷いな~
私はルーミア、貴女は食べてもいい人類?」
「食べられるのなら」
「じゃあ遠慮なく」
「良薬口に苦し、って知ってる?」
そう言いながら霊夢は1枚のカードを取り出した
「そう来るのか~」
と言いながらルーミアも同じ様なカードを3枚取り出した
「いいの?私の方が多いけど」
「私を誰だと思っているの?」
「誰だっけ」
「オウム返しかよ」
横で魔理沙が突っ込んだ
「いいわ、これで勝ったら通させてもらうわ」
「負けたら?」
「貴女の好きなように」
魔理沙が「じゃあ私は観戦だな」と言って離れたのを合図に弾幕ごっこでの戦闘が始まった
ルーミアが周囲に妖力で作った弾を放つ・・・が
「雑」
という一言だけ発して霊夢は自分に向かって飛んできた弾を全て避けた
「あれ、おかしいな~」
とルーミアが言うと同時に
『月符「ムーンライトレイ」』
先程までよりも大きな弾が霊夢目掛けて飛んでくる
その弾の塊を避けようとしたとき、左右から挟み込むようにレーザーが放たれる・・・が
「こんな平面的な攻撃、欠伸が出るわ」
と言った霊夢はカードを取り出し
『霊符「夢想封印」』
瞬間、霊夢の周囲に大きな光球が8つ現れ、
「これでお終いね」の一言を合図に全ての弾がルーミア目掛けて飛んでいった
弾を見て焦ったルーミアがかわそうとするが、避けられたのは最初の弾のみだったようで次々に光球が命中し、煙を上げて墜落していった
「結構呆気なかったな」
「弱小妖怪に負けるほど、私は弱くないわ」
墜落していったルーミアには目もくれず、2人は進んでいった
暫く飛んでいると、先程までの闇の代わりに冷気が漂い、視界が僅かだが白く染まった
「もう霧の湖まで来たのか」
と、周囲から間髪的に弾が飛んできた
「何だ?」
「どうせ妖精が興奮して弾撃ってるだけでしょ」
と言った霊夢がお札を1枚取り出して投げると、お札が視界から消えた頃に何かが水に落ちる音がした
「いったいな!
何処の誰だ、こんなもの私に投げつけたの!!」
先程までよりも僅かだが冷気が強くなり、前方から全体的に青い、羽を生やした子供のようなのが飛んできた
「あんただな!」
と見るからに子供にしか見えないのが叫ぶと、霊夢は魔理沙を指差した
「あっ、おい!」
と魔理沙は抗議の声を上げたが
「あたいはチルノ
こんな紙切れをぶつけたのを後悔させてやる!」
と明らかに魔理沙に対して宣戦布告したため
「・・・仕方ないか」
とだけ呟き、カードを2枚取り出した
「それはスペルカードね
いいわ、受けて立つ!」
と、チルノは3枚取り出した
今度は霊夢が離れていったのを合図に魔理沙が星形の弾を放ち、先制攻撃を仕掛けた
負けじとチルノも小さな氷のつぶてを大量に飛ばしてくる
「さっきのよりはやりがいがありそうだ!」
と魔理沙が言うと
「妖精を嘗めるなー!」
とチルノが返し
『雹符「ヘイルストーム」』
先程魔理沙に向かって放たれた密度の氷弾と同等の密度の氷を周囲に飛ばす
それは途中で一瞬静止すると、それぞれが違う方向に飛び始める
その様は正しく雹の嵐なのだが、魔理沙は危なげもなくそれを避けていた
「じゃあこっちからも行かせてもらうぜ!」
『魔符「スターダストレヴァリエ」』
魔理沙の周囲に魔法陣が現れ、それぞれが色の異なる星弾を放ちながら広がっていく・・・と、放たれた星弾は順に配列を崩しながら外に向かっていく
流石にその密度にチルノも若干焦りはしたようだが、何とか当たることなく避けてみせた
「少しはやるみたいだね
ならこれで!」
『凍符「パーフェクトフリーズ」』
チルノの周囲に色とりどりの弾が放たれる
だが、速い割には密度が異常に低い・・・と、一瞬冷気が通過した瞬間、弾は凍ったまま静止した
再びチルノの周囲から弾が放たれると、そのタイミングを狙って凍った弾も動き出した
「妖精にしてはやるな」
と魔理沙が呟きながら避ける
少しすると周囲の弾が全て消失した
「なかなかやるね
でもこれで最後!」
『雪符「ダイアモンドブリザード」』
今度は氷の弾がランダムに放たれ、加速していく
「そうか、私もこれで最後だ
恋符『マスタースパーク』!!」
魔理沙が右手で構えたミニ八卦炉の中心に光が灯り、極太のレーザーが放たれた
極太のレーザーは前方にあった氷弾を全て薙払い、チルノに直撃した
チルノはルーミア同様、煙を上げて墜落していき湖に落ちた
「さ、さっさと行きましょ」と霊夢
「ありゃないぜ」と魔理沙
既に視界には紅い館がそびえていた




