#3 紅霧異変ー赤い霧は突然にー
外の人間たちから忘れ去られた者達の最果てにして最後の楽園、幻想郷
その幻想郷にいつもの朝が訪れた・・・いや、訪れる『はずだった』
里の人間たちは外に出ると、驚愕した
何故なら、霧が出ていたからである
とは言え、視界が利かない程度の普通の霧ならしばしば発生するため、あまり気にはしない
問題は、その霧が毒々しさすら感じさせるほどの赤だったからだ
里の長老ですらこんな霧は見たことがない、という
故に里の人間たちは暫く外出を控えるようになる
それから数日もしないうちに、この幻想郷の東にある唯一の神社、博麗神社には1人の客が訪れていた
黒と白の衣服を纏い、頭には先の曲がったとんがり帽を乗せた、金の髪の少女は西洋の魔女を思わせる
そんな少女・・・霧雨魔理沙はこの博麗神社の当代の巫女である、博麗霊夢を説得しに来ていた
「また来たの?」
「だから、この霧は異常だって」
「それくらい、私にも分かってるわ」
「じゃあ何で!」
「準備とかいろいろあるでしょ
大体、これを引き起こした犯人が分からなければ対処のしようもないし」
そう口では言っているものの、実際には既に『仕事』の為の服に着替え、頭にリボンを付けているところだった
この博麗神社は幻想郷のほぼ東の果てにあり、人間たちの大部分が住んでいる里からはやや離れている
加えて、里からの道中にはよく妖怪が出没するために、人間の参拝客は殆ど居ない
故に歴代の博麗神社の当主・・・主に巫女さんは、通常の神職としての業務の他、妖怪退治を生業にしている
それは霊夢も例外ではなく、時々依頼を貰っては妖怪退治に出かけていた
「ただ、これだけ大規模なのは初めてなのよね
念のため、『あれ』持って行きましょうか」
霊夢はそう言うと、棚の引き出しの1つから、通常の御札とは別のカードを取り出し、先程頭に付けたリボンの中に仕舞った
今仕舞ったカードこそがスペルカード・・・命名決闘法にて用いられる道具である
道具とはいえ、それそのものに特別な力が込められている訳ではない
簡単に磨耗したりしないためにやや厚手の紙を使ってはいるものの、あくまでも『契約書』である
それを持ち出すことを前提にこの異変が引き起こされたのだが、神社に居る2人はまだ知る由もない
そして、神社の拝殿から出てきた霊夢が大幣を持っているのを確認した魔理沙はいざ行かん、と言わんばかりの勢いで箒に跨がった
それを見た霊夢も宙に浮き、2人は異変を引き起こしたと思われる者の居を目指して飛び始めた
当初、携帯から投稿しようとしていざ投稿ボタンを押す・・・という段になって、間違って更新ボタンを押して、書き上げたのがボツになったので書き直しました
投稿する筈だった稿と比べると微妙に、というか結構内容が変わってます
本来は神社まで霧が到達した日の朝には出発させる予定だったのですが、そのままだと異変と認定させるのが難しい気がしましたので
因みに今章は主人公視点であるとは限りません(というか時間の経過とともに主人公に当たる人物が増えていきます)
サブタイトルは本来なら「赤い霧は突然に」とかやりたかったんですが、システムの都合上却下
パロディ元の曲が出た頃にはそもそも作者は産まれてなかったのですが




