巻之壱 男、赤子拾いし候
次を考えているうちに滅茶苦茶な文ができあがっている事に気付き、1話丸々書き直しました
次話も時間を見て書き直します
さて、時は後に平安時代と呼ばれるようになった時代の終わり近く、されどまだ天皇を中心とする朝廷が国の中心であった頃、とある一人の男が山の中を歩いておりました
古くは邪馬台国があり、かつては華やかさを誇っていた旧都でさらに輝いていたかぐや姫も現代では奈良時代と呼称された頃に月に帰ったこの地で男が何をしているのかと訊かれますれば、現代で言う所の「遭難」というものでありましょうか
男・・・逢河頼晴は貴族の端くれ、辛うじて今の都の端に居を構えられる程度の身分ではありますが、それでも一端の貴族
本来であれば従者を従える様な者が何故遭難したかと申しますと、彼自身は他の貴族らの狩猟仲間と共に娯楽狩猟に出掛けたのでありますが、ふと気を取られた間に仲間とはぐれた次第であります
さて、彼が暫く山の中を歩いていますと、何処からか赤子の泣き声
それを聞いた頼晴はそちらに向かって一目散に駆け出します
もしやこの辺りに住んでいる百姓か又は通りががった商人か
一端のとは言え彼も矜持だけは立派な貴族、本来であれば自分よりも身分の劣る平民になど口も利かないような性分でありましたが、それで飢え死にでもすれば後生後世まで笑い者
そうなるよりはまだ一度矜持を捨てるだけでよいと思った彼が見たものは、上質な絹の衣に身を包んだ赤子のみでありました
はてさて、どうしたものかと困惑する頼晴
と、いうのも、彼は同様に貴族の身分である妻がおりながら、子宝には全く恵まれず、それなりの屋敷に夫婦といくばかの従者のみというさま
現代であれば不妊と診断され、適切な処置を施すか、或いはいっそ諦めるとなる所でしょうが、まだ西暦にして1100年になったかどうかの頃
そんな頃に正しい判断を医者が出来たか、と訊くのは野暮というものでありましょう
ひとまず捨て子なら拾うのが吉、という考えに至った頼晴、赤子を抱き上げようと歩み寄り・・・
ふと赤子が泣き止み、此方に目の焦点を合わせたかと思えば
『後生、悔いる覚悟は出来ておるか?』
赤子が発したとは思えぬような声を聞き、辺りを見回す頼晴
しかし、辺りに生物の気配が無いことを悟った彼は披露による幻聴だと決め、今度こそ赤子を抱き上げますと、不思議なことにすぐ近くから自らを呼ぶ仲間の声
彼は漸く心を落ち着け、帰路に就いた次第でありました
自分で書いてみたかったこの文体
読む分には面白いのですが、書こうとすると雰囲気を出すだけで精一杯
さて、書き直した本話では新たに邪馬台国とかぐや姫が(話の流れでだけ)登場させましたが、現代に伝わる伝承の新説から語句だけを拝借したのみで一応、パラレルワールドみたいな世界観です
邪馬台国を「やまとのくに」と読ませたのは従来伝えられてきた「やまたいこく」では無理がある、という説から
また、私が読んだことのある東方二次創作の小説では平安時代ということにされている事も多い竹取物語関連の話(なよたけのかぐや姫=蓬莱山輝夜)が奈良時代という事にしたのは竹取物語の成立が平安時代初期とされている事から
間に長岡京の時代があったとか突っ込まない




