SceneEX 1300年の孤独
EX - extra
[名]
号外、例外
[形]
余分な、特別な
意:番外
-私はずっと独りだった
当然と言えば当然だろう
まだ種族の概念が完全では無かった頃に生まれたとはいえ、今では高位悪魔に属する吸血鬼の父と人間の母の間に産まれたのだから
当時はまだよかった
魔力も知能も関係なく、皆同じように生きていたのだから
だが、その後の私を決定づける出来事が起こった
今の中位悪魔と上位悪魔に属するもの達が魔法能力で劣る人間達と一緒のコミュニティーでは生きていられないと反発したのだ
無論、上位悪魔以上の魔法能力と人間以上の知能を持つ高位悪魔達は反対した
だが、それに構わず、あいつ等は戦争を起こしたのだ
結果、高位悪魔達の方が折れ、ランクごとに国を作ることになった
・・・だが
吸血鬼にしては余りにも弱く、人間にしては余りにも強い力を持った私は世間から嫌われた
人間であった母は亡くなり、父も戦争に巻き込まれていなくなった
つまり、私は頼るべき者を幼いうちに無くしたのだ
守るべき存在が無くなった私は謂われのない迫害を受けた
そんな世界が嫌になって私は逃げ出した
幸い、両親から引き継いだ血は互いに争うことなく共存していた
故に吸血鬼としての強大な力と引き替えに弱点が殆どなく、人間よりも強い身体を持ったのだ
だが、その先が苦労した
並の吸血鬼としての力を手に入れるためには相当長生きする必要がある
そのために私はまず、人間に擬態することを覚えた
力の制御は難しかったが、幸いにもうまくいき、普通の人間よりも全体的に身体能力が少し高い程度で安定した
次は吸血鬼としての力を得る為に長生きしなければならなかった
純粋な吸血鬼でも、戦乱があったために寿命は1000年に満たなかったのだ
長生きするためには人間に紛れて生活する必要があった
本来なら同じ吸血鬼の中に入るのが良かったのだろうが、当時の私はまだ弱かった
だから、ほとぼりが冷めるのを待って、人間の世界に紛れ込んだ
その時には戦乱から既に数百年が経っていた
だが、何かの定めに導かれるように、私は少女の姿のまま成長が止まっていたのだ
そして1度目の人間社会への潜入を敢行した
私が驚いたのが、人間達は戦乱を既に過去の物と認識していたことだ
当たり前だが、吸血鬼と人間では余りにも寿命が違う
私が隠れ住んでいる間に、人間は既に4代ほど入れ替わったのだそうだ
そして、私にとっては僅かな時間が流れると、皆変わっていった
もうそこには居られないと踏んだ私は行方を眩ませた
また数百年の時を待ち、2度目の潜入をした
今度は学校と呼ばれるところに潜入した
相手は人間だったから、簡単にごまかせた
そして、私が学生として過ごし始めた頃に、1人の人間の少女の存在に気がついた
彼女は何ヶ月経っても1人で居た
時には虐められていたこともあった
その姿が過去の自分と重なり、気がつけば声をかけていた
彼女の名はアリス
生まれついて魔法能力が低かったが、それでも頑張ってここに来たのだという
だが、それももう限界なようだった
だから私は1つだけ教えたのだ
「魔法をコントロールする訓練をし続ければ、多少の魔力の差ならどうにでもなる」・・・と
それから私たちは唯一と言っていい友達になった
彼女は私に声をかけられてから虐められなくなった
私は彼女に出会って、長い孤独から解き放たれた
アリスと出会えて、私は幸せになれたと思う
・・・気がつくと、長い夢を見ていた
もう空は明るくなり、目覚めの時間になっていた
今日も学校に行かなくては
・・・アリスに逢うために
前に「この記事を更新する形でアリスとジャスミンの馴れ初めの話を書く」と言ったな、あれは嘘だ
・・・という感じで、ジャスミン視点(夢だけど)での馴れ初めの話です
ジャスミンに出来た唯一の親友だったから一度アリスが刺されたときに激怒したんですね




