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Forgotten Story ~ 幻想奇忘譚  作者: 生涯迷い人
平々凡々な魔法使い
17/45

Scene11-12A 生と死の狭間で

-貴女も1人なの?


-じゃあさ、友達になってくれない?


-名前? ジャスミン、ジャスミン・ルーナ・ノーレッジ


-そう、アリスって言うの


-え、魔法があんまり得意じゃない?


-なら私が教えてあげる


-訓練すれば多少魔力で劣っても問題ないよ



ああ、これは記憶だ


そういえば前に走馬灯という言葉を聞いたことがある


誰に教えて貰ったかはもう覚えてない



気がつくと、辺り一面、何もない場所にいた


自分以外は真っ白で、果てが見えない


そういえばここにくる直前、私は後ろから刺されたんだ


そうか、私は死んだのか



『違う』


「誰?」


『ここは汝の精神世界』


「精神世界・・・?」


『そのまま死んで貰っても構わんが、それでは我の存在意義がなくなる』


「あなたは誰?」


『覚えておらんのか・・・まあ、当然じゃな』


『儂自身が汝の記憶に封印を掛けた』


「記憶を封印?」


『如何にも

尤も、汝がその肉体に宿る前の記憶じゃがな』


「一体なにを言っているのかさっぱり・・・」


『うむ

さて、汝は知っておるか?

最高の魔導書と呼ばれた儂を』


「魔導書?

あなたは魔導書なの?」


『ええい、埒が明かんぞ

良いか、儂は魔導書(グリモワール)

尤も、魔導書で溢れかえった今日に於いては原初の魔導書《グリモワ・オブ・オリジン》と呼ぶ者の方が多いじゃろ』


「原初の魔導書・・・

もしかして、魔導書そのものが魔力と意識を持ち、書かれていない魔術はないとされる伝説の魔導書?」


『知っておるではないか

如何にも、儂がその伝説の魔導書じゃ』


「何でそんなものが私に?」


『儂も知らぬ

じゃが、気がついたときには汝と契約を結んでおったのでな

儂自身が乱用されぬよう、記憶に封印を掛けたのじゃ』


『そして、もう1つ、汝には思い出して貰わねばならん事がある

・・・汝、特殊能力(スキル)は?』


「まだ発現してない」


『うむ、これも当然と言えば当然じゃな

よいか、特殊能力は発現していないのではない、汝が忘れているのじゃ』


「それもあなたが?」


『流石に違うぞ、儂ではない

それがその特殊能力の性質じゃ

汝の特殊能力の名は理性を保った暴走(オーバードライブ)

5分の制限時間と、制限時間後の反動を代償に、汝の全ての身体能力と魔力を引き上げる特殊能力じゃ』


「そういえば、活性化(オーバードライブ)の術なら聞いたことはあるけれど、あれは使用するのに膨大な魔力が必要で・・・」


『それはあくまでも特殊能力を模倣した術じゃ

術なら精々2~3倍が限界

じゃが、理性を保った暴走はそうではない

汝の状況に応じて自動で倍率が変わる

・・・尤も、倍率が上がればそれだけ反動も大きくなるんじゃがな』


「まさか、最悪反動で」


『そんなことはないから安心せい

どれだけ重くても精々数ヶ月眠り続ける程度じゃ

尤も、今の汝の状態ならほぼ最大出力じゃな』


「それだと5分しか無いのは・・・!」


『汝、儂は全ての身体能力が上がると言った筈ぞ

5分となるとかなり長く感じる筈じゃ

もう余り時間がない、儂の術を使うのじゃ』


私は頷いた後、頭に浮かんだ語句を口にした


「回復禁術・Heal by absorbed power」

前回タイトル、妖しき翼のままにするか、天狗が見ているにしようか悩みました

ただ、この状態だとサブタイトルで天狗が誰なのか分かってしまうので、それではつまらないだろうと思い、最初に考えついた方にしました


今回はScene11とScene12の間のアリス視点の話です

身体は動いてませんが、死んだとも書いてません

ここで幻想郷に飛ぶと思った貴方、甘いですよ?

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