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キラキラの
カチリ、とスプーンが器の底に触れる音がした。
あんなにたっぷりあったはずの果肉は、いつの間にか私の身体の一部になって、すっかり消えてしまっている。
残されたのは、エメラルドとオレンジが溶け合って、淡い琥珀色になったひとすじの果汁だけ。
それを名残惜しく飲み干すと、さっきまで重かった胸の奥に、すっと涼しい風が吹き抜けた。
カーテンを開けると、容赦のない夏の青空が広がっている。
「よし」
小さく声に出して、私は立ち上がる。
不器用な始まりも、とろけるような優しさも、もう全部私の中にある。
さあ、部屋を出よう。
スプーンを置いて、本物の夏の中へ。




