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たいよう
一歩、外へ踏み出すと、アスファルトから立ち上る熱気が容赦なく肌を包み込んだ。
いつもなら「暑いな」と眉をひそめて、すぐに日陰を探してしまうような、そんな眩しい朝。
けれど不思議と、今日の足取りは軽い。
胸の奥で、さっき飲み干したエメラルドとオレンジの記憶が、心地よいエネルギーとなって味方してくれているのが分かるから。
すれ違う見知らぬ誰かの忙しそうな横顔。
急き立てるように鳴り響く信号機の電子音。
めまぐるしく動く都会の景色の中で、私だけが、どこか穏やかな南国のリズムをステップを踏むように刻んでいる。
不器用な自分に立ち止まりそうになったら、あの鮮やかな酸味を思い出せばいい。
張り詰めそうなときには、あのまろやかな甘さに心を委ねればいい。
お気に入りのサンダルが、軽やかな音を立てて夏を蹴る。
器の中の旅は終わったけれど、私自身の旅は、これからが本番だ。




