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「青年サン・ジェルマンと黄色いワンピースの雪女」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編③)  作者: サナダムシオ


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㉔ クリスマスの朝

 翌朝。京子は、自分がサン・ジェルマンのベッドに寝ていた事に、気がついた。

 思わずガバッと身を起こすと、伯爵は暖炉の前の安楽椅子で寝ていた。


 彼女は慌てて、簡単に身だしなみを整えると、とある物品を白い袋から出し、優しく彼を起こした。

「あのう、伯爵?」


「う〜ん……あ、京子さん、起きましたか。ご一緒に美味しい朝食でも、如何ですか?ウチのシェフの腕前は、最高なんですよ」


「ああ、すいません。早々にお暇しますので……昨晩の私、きっとご迷惑をおかけしましたよね?」

「なあに、大した事は有りませんよ。何か未来のボクが、大切な京子さんを、ないがしろにしたみたいで……」


「……それで、こんなところまで来て、優しいアナタに、当たり散らしたのね?ホントにごめんなさい」

 彼女はそう言うと、立ったまま、殆ど120度くらい、ペコリと頭を下げた。


「ねえ、未来のボクと京子さんの関係って……?」

「……自分の未来について、多くを知る事は、とても危険な事なのよ。だから知らない方が、身のためよ」

「そう……なんだね?」 


「ソレより、アナタに、ちょっとしたプレゼントが有るのよ。はい、コレ」

 彼女はそう言うと、白い袋に入れていたモノを、伯爵に差し出した。

 ソレは一見、なんの変哲もない、真っ白なタオルの束だった。バスタオル、フェイスタオル、それにタオル地のハンカチまで。


「京子さん、コレは?」

「私からの、ちょっとしたクリスマスプレゼントよ。と言っても、アナタは大金持ちだから、何でも持っているでしょ?だから選ぶのに苦労したのよ。でも

それは多分、私の世界に来なければ手に入らない、"今治のタオル"よ。こう見えても、なかなかの高級品なんだよ」

 彼女はそう言うと、ちょっとドヤ顔をした。


「それは……ありがとう」

 サン・ジェルマンは、何だか少しだけ、胸騒ぎがした。

「それぞれ7セットずつ有るから、一週間使い放題……あー、でも、もし追加で欲しくなったら、160年後の、愛媛県今治市辺りに行ってみて。多分そこで、製造が始まっているから……」


「……そうなんだ」

「それに、そのハンカチには、ちょっとした細工がしてあって……とてもいい匂いがするのよ」

「へえ、どれどれ、クンクン」


「ああーっ!ちょっと待って、まだ……って、もう遅いか。」

 さっき目を覚ましたばかりの25歳の伯爵が、何故かまたクタッとして、安楽椅子に座ったまま、眠ってしまったのだった。


挿絵(By みてみん)

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