⑧次章予告
——数週間後。
花屋「Bloody Flower」は、妹のセンス全開のPOPと過剰なインスタ映え什器により、
なぜか女子高生と近所の奥様に人気の映えスポットと化していた。
妹「本日のおすすめ〜! “裏切り者の赤い薔薇ブーケ” で〜す!」
兄「商品名がおかしいんだよ毎回!!」
彼女は今日も花束を整えながら、耳の奥で微細なノイズを聞いた。
——あの、通信暗号の残響。
蜂女(彼女)《……感じる。追跡信号。まだ消えていない》
だが――最初に“それ”を視認したのは、妹だった。
◆ 妹、気づく
夕方、仕入れ帰りの妹が路地で見覚えのない黒コートの人物を目撃する。
妹(自転車こぎながら)「……あれ? あの人……うちの花屋、ずっと見てない?」
黒コートは、花屋の前で立ち止まり、妙に長い時間“看板”を見つめていた。
> 《Bloody Flower》〜悪の秘密結社から逃げてるカップルが経営しています〜
妹「……やべぇ、あの看板マジで世界に向けて情報発信してたのかもしれん」
その黒コートが、一瞬だけこちらを振り向いた。
——目が、赤く光った。
妹「……っ!?」
次の瞬間、その人物は消えた。
◆ 花屋に戻る妹、しかし――
妹「兄貴……ちょっとヤベぇの見たんだけど」
店に戻ってきた妹。
だが、兄は配達中、彼女も奥で花束の整理中。
そこに、花屋のスマホが鳴る。
着信表示:『非通知』
「……?」
妹が出た瞬間、低い機械音声がスピーカーから流れる。
> 『保護対象識別。コード:SISTER_A。捕捉開始』
妹「……へ?」
電話越しに、ガラスを叩く音。
——花屋の外。さっきの黒コートが、
【看板を指でトントン叩きながら、妹を見て笑っていた。】




