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審判魔法は偽らない  作者: 於田縫紀
第7章 警告?

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第33話 御礼品

 合計6匹のコボルトを倒して、無事に通路の行き止まり地点を確認。

 そこから交差点が見えるところまで戻って、倒したコボルトの死骸を出して。

 やってくるコボルトやスライムを、少し離れた地点から魔法で攻撃して倒す、という作業を開始。


 これがなかなか効率がいい。

 コボルトの死骸があれば、近くの魔物発生地点3箇所で発生した魔物を、ほぼ確実に引き寄せることができる。

 そしてこの近くの魔物発生地点は、第二階層内にいる生きた魔物の数が一定以下の場合、10分に1組の魔物が発生するという仕組みだ。

『パルティカ』と同じ設定ならば、だけれども。


 そして今の体感的には、この世界は俺が変えてしまた歴史の一部以外、ほぼ『パルティカ』と同じである様に感じる。

 まさか『薬品(ポーション)作りマスタークエスト』までほぼ同じ様に始まるとは思わなかったけれど。

 なぜこんなことになっているのかはわからないし、今考えても無意味だ。

 現状、ここで俺はやっていくしかないのだから。


 というわけで、今ここでやるべきなのは経験値&報奨金稼ぎ。

 出てきた魔物を倒す作業だ。


「次の魔物をシャルが倒したら、その次は俺が槍で倒す。その後はクリスが倒してくれ」


「まだ倒せる。魔力にも余裕がある」


「俺やクリスも訓練しておかないと、魔法や武器攻撃の腕が上がりにくい。今のシャルは風属性系の攻撃魔法使いとして、十分に強い。だから俺やクリスの訓練にも協力してくれ」


 こんな感じで効率よく、合計50匹倒したところで、魔物の死骸に乾燥魔法をかけて、カラカラに軽くなったところで魔法収納に回収。


「魔石を取って放置じゃないんですか?」


「ここは魔物が出るから、時間がかかる作業をしたくない。第一階層まで戻ったら、一気に燃やして魔石を取る。でもその前に、次は第三階層から始められる様、第三階層の入口まで行こう」


「その道順も、フォルティはわかるのですか」


「ああ、一応は。ただ魔物は出るから、用心はしておいてくれ」


 ただこの階層に出るのは、せいぜいコボルト3匹組まで。

 危ないと感じることも特になく、第三階層への階段へ到着。

 階段を降りて、第三階層に出た後、階層転移の魔法陣で第一階層に戻り、乾燥させた魔物の死骸を燃やして魔石を取って、受付へ。


「結構儲かりますね、午後だけなのに」


「攻撃魔法を今くらいに使えれば、冒険者としては中堅以上だ。場所さえ知っていれば、この程度は稼げて当然だろう」


「でもそれって、結局はフォルティのおかげですよね」


「俺一人では出来ることが限られている。迷宮(ダンジョン)すら、E級では一人では入れなかった」


「でも一日で、D級に昇級しましたよね」


「運が良かっただけだ」


 そう、運が良かっただけだ。

 D級になったのは、たまたまアンジェが襲われているのを発見したから。

 更にいうと迷宮(ダンジョン)を使う攻略が出来たのは、クリスとシャルが仲間になったから。

 仲間に出来たのは、サタナテスを襲った時に、たまたま捕まっていたから。


 日本時代の俺は、正直運がいい方ではなかった。

 というか、なかなかに救われない環境だったと思う。

 それに比べれば、こっちの世界に来てからは順調としか言い様はない。

 女子2人と一緒、いや3人と一緒というのは、コミュ障陰キャには荷が重いけれど。


「それより、そろそろアンジェの方もいい時間だろう。せっかくだからお礼の何かを買ってから向かおう」


 別に『薬品(ポーション)作りマスタークエスト』そのものには、お礼なんてものの必要性はない。

 ただ攻略Webには、ファルマさんの情報がある程度書かれていた。

 その中には、焼き菓子類が好みで、贔屓にしているのはシルケンゾーの市場街北側にある『ラムル』という店だなんて情報もあったのだ。


 ひょっとしたらこれは、裏クエストのヒントかもしれない。

 俺はそう思って、一応は覚えていた。

 ただ裏クエストなんてものがなくても、お礼は持っていった方がいいだろう。

 アンジェに薬品(ポーション)作りを教えてもらったのだから。


「なにかいい物がありますか?」


「ああ、少し高いけれどな。ただで薬品(ポーション)作りを教えてもらっているんだ。少しくらいいいものを持っていってもいいだろう」


「確かにそうですね。店はどの辺ですか」


「確か商店街の北の外れ近くだったと思う。こっちだ」


 記憶通りの場所で、無事店を発見。

 無事焼き菓子と紅茶のセットを、正銀貨3枚(3万円)なんて高いお値段だけれど購入して。

 美味しそうだし、アンジェが薬品(ポーション)を作れる様になったお祝い用という名目で、クリスとシャルがケーキと焼き菓子セットをついでに購入して。

 クリスにあれこれと少しばかり頼んだ後、薬屋へと向かう。


 薬屋が見えたところで、17時の鐘の音が聞こえた。

 ちょうどいいだろうということで、空いている出入口から薬屋の中へ。

 見るとアンジェと店主、ファルマさんが店内の応接セットでお茶をしていた。

 雰囲気から見て、薬品(ポーション)作りを教える作業は終わったようだ。


「失礼します。本日はアンジェに薬品(ポーション)作りを教えていただき、本当にありがとうございました。それで、もしよければ、こちらを……」


 このパーティは、どう見てもクリスが年長だしリーダーっぽい。

 だからクリスに挨拶その他をお任せした訳だ。

 決して俺がコミュ障だから、クリスに投げたわけではない。

 本当だ……多分。


「あらあら悪いね。でもこれは、そこらの冒険者パーティなら1日分くらいかかっただろう。いいのかい?」


「いえ、魔法学園で1年かかってやっと習得する薬品(ポーション)作りを教えてもらったのですから。これでは対価には足りませんが、せめてもの気持ちということで」


「ありがとう。ありがたくいただくよ。それじゃちょっと話があるから、そこに座りな」


 応接セットのアンジェ側は、長椅子だ。

 俺達なら4人で座っても問題ない広さ。

 なので手前側から、俺、クリス、アンジェ、シャルという順で座らせてもらう。


「さて、まずは今日、アンジェに教えた内容についてだ。薬品(ポーション)としては、一般回復薬、一般魔力回復薬、毒消し薬、気付け薬……」

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