第七話「雑学茶飯事」
「さぁ、少年達よ。今日はこれからの人生をもう少し楽に考えられるようになる雑学を持って来たぞ....。」
そう言いながら少年少女を目の前にしながらどっしりと公園のベンチに座っている女が居た――。
みなさんご存じ、佐圓乃子だ。
今日も今日とて、子供達はソワソワした様子で佐圓の声に耳を傾けていたのだった。
「右からお願いしたらおこずかい少しだけ増えた~!」
「今日も使えるやつがいいな~」
「結局、部長からは承諾は下りなかったなぁ....」
「お願いしたらからあげになったよ~!」
その子供たちの中にちょこんと大きな大人がちょこんと座っていた。
その名も出来詩子。
佐圓の仕事場の後輩でもあり、佐圓の唯一の理解者である。
あれから、数日経ったがこの公園には佐圓と出来2人でよく来るようになっていた。
あの出来事以来、出来は佐圓の事が気になってしょうがなかったのだ。
どんな人なのか、どういう生態なのか、どういう行動を取るのか....。
子供が虫を観察するかの如く...。
「君たちは祖先や遺伝子などの事を気にしたことがあるかね?」
子供たちは祖先や遺伝子と言われこれまた頭にハテナが浮かび上がる。
「実はだね....人間は...。」
佐圓はゆっくりと焦らすように、背中をゆっくりと人差し指で撫でるように言葉を溜める。
ゴクリ....。
「人間はバナナとDNAが半分ぐらい一緒らしい!」
うおぉぉぉぉ!
子供たちが半分訳も分からずに盛り上がる。
「どういうこと~?」
「DNAって~?」
「人はバナナってことですか!?」
「サルじゃないの~?」
その声をひとしきり聞いたあとに佐圓は再度話し始めた。
「DNAというのは簡単に言うと自分の体に刻まれた情報だよ。その情報からそれらがどういうものなのかというのを割り出すことが出来る。要はメモのようなものだな。そのメモには祖先のルーツや体質、病気のリスクなどのいろんなことが書かれているのだが、それがバナナと半分以上合致しているという訳なのだよ。
よって、私たち人間とバナナの祖先は同じものということになる。イコール、実質的には私たちはバナナなのだよ!」
顔を上げ堂々と胸を張り、口角を上げ、正にドヤ顔をしている。
「へぇ~!俺たちバナナなんだ~!」
「DNAってすご~!」
「一皮むけるってそこから来てたりするのかな...」
「そーなんだ~!」
噓か誠か、"人間はバナナ"という飛躍した知識を得た子供達はその後、親に「あんた何言ってんの?」と軽くあしらわれたという...。
そんな、毎週のように披露するために土日を消費しながらも考え抜いた雑学。
どうやって披露するまでに至るのかを次回覗いてみよう....。
ぼくは、ばなな。
きみも、ばなな。




