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オレはおっぱいを揉みたいんだ  作者: はれ
第三章 おっぱいとお尻、どっちを選ぶ?
44/49

40 オレ、旅に出ようと思うんだ

 

 ――――2日目――――


「ライタ、ちょっといいか?」


「ん?」


「オレ、旅に出ようと思うんだ」


「……あ?」


「オレ、旅に出ようと思うんだ」


「お前は二回言えば理解できる発言だと思ってるのか!? 思わないよな!? 十人が十人理解を拒むぞその発言!」


 

 ――おっぱいとお尻の頂上決戦。その準備期間となる一週間。

 一日目は彰が部屋をパイ塞化。瀬川はお尻を連呼した結果美崎にボコボコにされた。

 まぁ要するに、一日目は二人とも準備を着々と進めてたわけだ。……何の意味も無い準備だが。

 それが二日目。いきなり彰のこの発言である。


(旅に出たいって……)

 

 そう、旅。それが意味するものは――


「なるほど、遊ぶのか。よし、俺も一緒に行く」

「ライタ。オマエの旅費はない」


 ちぇっ。無いのか。

 まぁこいつが遊ぶとしても一緒に行くつもりはない。

 冗談はさておき。とばかりに、俺は彰に向き直る。

 

「で、どういうことだよ。旅に出るって」

「そのままの意味だ。ちょっくら行ってくる」

「それも……()()か?」


 俺の言葉に、彰はこくりと頷いた、

 こいつ、おっぱいで争う為に旅に出るのか。どういう頭の構造してるんだよ。

 

「そうかー。寂しくなるなー。まぁ元気でなー」

「……オマエ、喜んでんの?」

「へっ!? いやいやいやまさか。喜ぶなんてそんなのあるかもしれない」

「あるのかよ……」


 そう。俺としては彰が旅に出るのは決して嫌な事ではない。むしろ、うれしい。

 なんてったって部屋を自由に使えるし、彰関係のゴタゴタに巻き込まれる心配もないのだ。これは嬉しいだろう。

 俺は顔の半分を笑顔にしながらも、彰を送り出す。


「まぁ気を付けろってのは本音だ。お前がいなくなったら家事担当がいなくなるからな」

「おう。あ、そうそう――()()()にはもう言ってあるから、そこは安心しろ」


 彰の言葉に、俺は少しだけ理解に時間がかかった。

 というのも、その名前をここ最近聞いてなかったからだ。

 

「……そうか、管理人か……最近見てないけど、どうだった?」

「いや、どうもなにも無かったぜ。いつも通りだ、いつも通り。エロかったぜ」

「やっぱりエロかったんだ! 良かった! そこ変わってないかどうか気がかりだったんだ!」


 そう。管理人はエロい。

 その事実だけ噛みしめて、俺は彰を送り出した。

 

「んじゃ、行ってくるわ」


 なんだかお別れの挨拶みたいだが、よくよく考えたら数年前まで顔も知らない仲だったんだよな。なんてことを考えている内に、彰は旅立っていった。




 ************************



「あっ! 彰のやつ人がダメダメになるクッション持っていきやがった!」



 ************************



「オラァ、修行に出ようと思うぞ」


「分かった。行ってらっしゃい」


「オラァ、修行に出ようと思うぞ」


「お前俺の話聞いてたか!? どう考えても理解して送り出す体勢だっただろ!? もうウンザリなんだよ! お前ら仲良しなのかよ! 行動パターンがもう俺には読めてんだよ!」


 頭をぶんぶん振りながら、俺は自らの心情を吐露する。

 そうだ。彰と瀬川。こいつらは一昨日からそうだった。

 片方はおっぱい、片方はお尻を好きという真逆の状況にありながら、行動が同じようなものばかりなんだ。ほんとは兄弟かなんかじゃないの?


「一応聞くぞ? 6日後の準備って事でいいんだよな?」

「あァ! 立派なおシリーターになってくるぜ!」

「おシリーター!? むやみに新しい言語作らないでくれる!?」


 どうやら、瀬川も準備のためにどこかに行くらしい。

 それならどうでもいいや。と俺は瀬川の背中を押して部屋から出させる。


「お、オイ、ライっち」

「いいからいいから。気を付けて行ってこい。あ、管理人には言ったか?」

「あ、あァ」

「そうか。どうだった?」

「どうだったって……いつも通りだったぜェ」

「ならばよし! じゃあ行ってこい」


 うん。その事実だけで十分だわ。


「じゃあ……行ってくるぜ、ライっち」


 なんだかお別れの挨拶みたいだな。と思ったが、俺と瀬川って友達なんだろうか……? 

 そんな事を考えている内に、瀬川は修行に赴いたのだった。


「……ふぅ」


 俺は息をついて、状況を整理する。

 彰は旅立った。瀬川も修行に行った。

 俺を邪魔するものはもういない。ならば――


「部屋でダラダラするぜ! 行くぞ! 愛しのマイルーム!」


 つかの間の平和を味わう為にも、俺は歓喜しながら自らの部屋に戻る。

 そこには、誰もいないリビングが――


「あらライタ。お邪魔してるわよ」


 そこには、誰もいないリビングが……


 ……



「なんでいるんだよ、美崎ィィィィ――ッ!!」



 平和なんてなかった。

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