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オレはおっぱいを揉みたいんだ  作者: はれ
第三章 おっぱいとお尻、どっちを選ぶ?
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39 完璧なスタイルを持つ女ァ! 美崎花!

 ――事のあらましはこうである。


 一週間後の決戦に備え、彰は部屋をパイ塞化するなど、準備を着々と進めていた。

 それに対して瀬川はどういった準備を行っているのか、気になって彼の部屋を訪れた。

 すると、何故か美崎が瀬川をボコボコに殴り倒していた。

 以上が今日の出来事だ。


 ……おかしくね?



 ************************




「あら、ゲボ――ライタじゃない。いつからそこに居たの? 今、私は取り込み中であまりライタに構う事が出来ないんだけど」

「今のセリフだけで突っ込み所が多数あるんだけど……とりあえず、どういう状況か説明プリーズ求めてもいいか?」

 

 俺は靴を脱いで瀬川の部屋に乗り込み、瀬川に馬乗りになっている美崎の横まで移動する。

 うわ、瀬川の顔がいつもの二倍の面積になってる。ヤバいだろこれ。


「そうね、どう表現していいか分からないけど……一言で表すなら、害虫を黙らせに来たのよ」

「瀬川の評価は虫レベルにまで落ち込んでるの!?」

「た、助けてくれェ、ライっち。急に咲花が部屋に上がり込んできたかと思えば、殴りかかって来たんだァ」


 美崎の下から、掠れた瀬川の声が聞こえてきた。

 

(咲花――美崎が部屋に上がり込んで、殴りかかってきたか……美崎なら意味もなくやりそうなことなのが怖いよなぁ)

 

 美崎に知られたら怒られそうな評を下しながら、俺はとりあえず美崎から話を聞くことにした。


「で、瀬川が何かしたのかよ。まさかお前が意味もなく瀬川を殴ったとは思わないしな。というか思いたくないからな」

「当たり前じゃない。私だってそんな酷い事はしないわ。基本的には8:2って所ね」

「それ例え2の方が気まぐれだったとしても問題だからな!?」

「嘘よ。7:3よ」

「7の方なの!? もしかして事の重大さに気づいて8から7に変えたの!?」


 恐るべし美崎花。可憐な名前とは裏腹に心が凄まじく荒んでる。

 

「まぁお前の気まぐれ度はいいとして……結局何が問題なんだよ」

「前々から言いたいことはあったのだけれど、そうね。今日に限定すれば、騒音被害による鉄槌って所だな?」

「騒音被害?」

「どういうわけか、朝から『お尻! プリケツ!』って声が私の部屋に何度も聞こえてきたのよ。そんな事をするのはこの寮でもこいつしかいないもの」

「あー……」


 美崎の説明を受けて、俺は大体の事情を理解した。

 瀬川の奴、一週間後の為の準備にと、朝からケツがどうのと部屋で騒いでいたっぽい。その声が隣である美崎の部屋まで届き、この状況に繋がったわけか。

 そりゃ美崎もキレるだろう。だからと言ってタコ殴りにするのはアウトだが。


「で、今の話に何か言いたいことはあるか、瀬川」

「い、いやァ、オラァ一週間後の戦いのために準備してただけだ」


 一応瀬川の言い分を聞いておこうと話しかけたが、どうやら俺の理解で間違ってないようだ。


「人に迷惑をかけたならそれは準備じゃなくてただの迷惑行為だ。人の迷惑になるような事はするな。以上、分かったか?」

「あ、あァ」


 ちょっと怪しい感じだが、瀬川は頷いてくれた。とりあえずこいつはこれでいいだろう。

 問題は――


「ということだ美崎、許してやってくれ」


 未だにマウントポジションを解除しない美崎の事だ。

 ていうかこれ以上瀬川殴られたら、多分こいつ死ぬ。


「イヤよ。私の気が済まないわ」


 未だに殺意が籠っている美崎の声に、瀬川が「ヒッ」と声を震わせた。情けないなこいつ……


「そう言わずに、俺に免じて許してくれよ」

「あなたの顔にどんな価値があるのか知らないけど……それなら、条件があるわ」

「……条件?」




 ************************




「あ、ありがとうなライっち。助かった」

「ん? ああ。気にすんな。それよりもあの女を怒らせないようにしろよ」

「あァ。二度としねぇよ」



 その言葉を最後に、俺は瀬川の部屋を去る。

 外に出ると、太陽が俺の瞳に届いて――俺は目を細めた。


「はぁっ……」


 その溜め息は、空へと消えていく。



 どうやらこの話、思ったよりも面倒な事になりそうだ。


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