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オレはおっぱいを揉みたいんだ  作者: はれ
第三章 おっぱいとお尻、どっちを選ぶ?
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36 オラぁケツが大好きなんだよッ!!

今回から3章スタート!

またしても変態という名の新キャラがやってきます。

「――はぁっ」


 息詰まるよな暑さの中、俺は汗を垂らしながら、大きく息を吐いた。

 ――視界が狭い。呼吸がしにくい。精神が安定しない。

 選べ。と神は言った。だが、俺にはどちらを選んでも最悪の結末しかないように思えるのだ。


「……どうすりゃ、良いんだよ……! 俺にどうしろって言うんだよ……!」


 決められない。決められるわけがない。

 俺にその選択は出来ないんだ。だからと言って、両方選ぶのも違う。

 だから苦しいんだ。だから……分からないんだよッ!


「どっちを、選べば――」


 俺はまばたきすら拒み――二つの()()を掲げた。

 







 ――巨乳もののアダルトビデオと、貧乳もののアダルトビデオの二つが、そこにはあった。




 …………


 ……………………



 いやよく考えてくださいよ?

 俺はもう二十歳。おしゃけだって飲めます。苦手なのであまり飲みませんけど。なので、当然十八歳の壁は突破しました。Z指定のゲームだって普通に買えます。当然ですよね?

 だったらアダルティーなビデティーだってそりゃ買いますよ。当たり前の話なんですよこれは。

 べっ、別に買う事に対してビビってるわけじゃないですよ? まさか二十歳がアダルトビデオ買うのにビビるとか。そんなのあるわけないですよ。今まで買ったことないけど。


 ――で。

 でだ。問題は買う点ではない。いやそこも重要っちゃあ重要なのだが。

 俺……ライタが困っているのは……

 

 巨乳物のビデオを買うと、どうしても彰がちらつく。


 という事である。

 いや別にホモ的なあれじゃないよ? 単純にそういうのを見ようとすると、耳元で彰が「おぬしも好きよのぉ」と呟いてくるのだ。当然幻聴だが、これでは視聴もままならない。

 普段の行動からだと誤解されやすいが、俺は巨乳――もとい、おっぱいが()()()()()()()()()。勿論、嫌いじゃないのだからそう言うのだって見る。

 だが、彰の出現によって俺の性癖は大幅に制限されてしまった。おっぱい。と言うだけで彰が出てくるのだから、これはもう重症だろう。

 というか、貧乳か巨乳か、どちらのビデオを買うかで迷ってるけど、どちらにせよこれ彰が出てくるんじゃないか?


(ちょっとシミュレーションしてみるか。えーっと、貧乳のビデオ……)



 …………


『おっ、貧乳を選んだのか。オマエも通だなぁライタさんよぉ』


 あ、ダメだ。普通に出てきたわこいつ。


「あーやめやめ。乳物を選ぼうとするからダメなんだよ。いっそ尻物とか、そういうのにしよう」


 と、俺は巨乳物と貧乳物のビデオを所定の位置に戻し、尻が売りのコーナーを探す。

 近くにないな。と思ってたら、俺の背中側の棚にあるっぽい。『尻系のアダルトビデオはこちらです→』と、ご丁寧に矢印付きで。

 道理で見つからないわけだ。そう思いながら、ゆっくりと振り向くと――


「――はぁっ」


 ――二つのアダルトビデオのパッケージを食い入るように見つめている、変態がいた。

 

「……」


 いや、これだけで変態と言うのは些か早合点かもしれない。実際、さっきの俺も似たようなシチュエーションだった。だが、これは違う。

 というのも、後ろ姿で分かってしまった。こいつはマジの変態なのだ。

 

「くわばらくわばら……」


 気付かれないようにと、俺はこっそり18禁コーナーを出ようとしたのだが……こけっ。

 何もない場所で躓いて、見事にスッ転んでしまった。何やってんだ俺!

 当然そんな事をすれば、気づかれるわけで……



「おおっ、ライっちじゃねェか! 久しぶりだなァ!」

「……久しぶりだな、瀬川」


 男前。そう呼ぶにふさわしい外見の男が、俺に満面の笑顔を向けていた。






 ************************

 



「おっ、ライタ。帰って来たのか……って。瀬川もいるのか?」


 部屋に戻ると、リビングで本を読んでいた彰が俺に声をかけてきた。

 ていうかお前その本、『おっぱいは何故おっぱいなのか?』ってタイトルなんだが、一体何を読んでるんだよ……

 

「ああ。何か、さっき道端で会っちまって」


 と、俺はなるべくやれやれ感を出しながら返した。というのも――


「こぉぉおおのぉぉぉぉ悪魔がァ! アキ次郎! テメェ何おっぱいに関する本なんか読んでんだァ!」


 ほら出た。瀬川の暴走。

 そもそもあだ名のセンスが無さすぎだろ。誰だよ、アキ次郎って。


「……瀬川、人の部屋なんだから、少しは静かに――」

「あぁ!? オマエおっぱいをバカにすんのか!? おっぱいをバカにするやつは二度とおっぱいを揉めないんだぞーっ! 残念でしたー!」

「……悪かった。確かに瀬川だけに静かにしろって言うのは確かに不公平だよな。よし彰、お前も一旦黙――」

「別に揉みたかァないわァ! おっぱいの事考えすぎて、テメェの頭も母乳に満たされてきてんじゃあないんかァ!?」

「……おい――」

「オマエがいくらおっぱい堕とした所でおっぱいはケツごときに負けないからな! おっぱいは正義! おっぱいは最強! おっぱいはライタも好きなんだぞ!」

「いや、一言もそんな事言って――」

「テメェがいくらお尻貶した所でお尻の柔らかさは揺るがんわァ! お尻は男の夢! お尻は世界を救う! お尻はライっちも大好きなんだぞ!」

「言ってないからな、おいお前ら、少しは話を――」

「おっぱい! おっぱい! おっぱいぱいの、おっぱいぱい!」

「お尻! お尻! あ尻尻尻なら尻尻尻!」


 ――カチッ。


「お前ら……俺の話を聞けええええええぇぇぇ――!!!」


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