第二章 幕間「空を翔り、戦場へ」
そんなわけで今の俺は空を飛んでいる。否飛ばされている。
普通の人間なら自壊しそうな勢いのままで、空を滑空しているわけだが、冷静になれるほど余裕かあるいは、どうにでもなれという諦めのおかげか、眼下に広がる景色を眺めていた。
とはいえあまり覚えれそうにない。
まあこういう体験型ゲームも、VRであったよなと気を紛らわせようとするが、空気を裂いて進む感覚は、リアルだった。
空を裂くようにしてどんどん前に進む。
どちらといえば前に進むと言うよりは、常に落下していくような感覚である。こうなれば無事着陸出来るように切に願うばかりである。
そんなこと考えながらも、あっという間に短い旅路は終わるのだ。そう、落ちているということは向かうべき戦場にたどり着くだろう。問題は……
「着地どうすっかな……うーん……そうだ、あの手を試してみるか」
いくら今の俺がこの世界で神ごとき強かろうが、こうして物理法則があるようだから間違いなく落ちて死ぬんじゃなかろうか。落下ダメージはどんな奴すら殺す一手であるからだ。
ならばと死を回避するべく、思考を高速回転させながら、ある行動へ移す。
「狙いはあいつでいいか、目立つし」
大剣を背中から落下させ、それに沿うように自由落下。
並行する剣を踏み台に前方へ飛躍。鎖付きだから大剣も付いてくる。そのままの勢いで剣を手繰り寄せは柄を握り下へ剣先を向けた。
落下地点は戦場で暴れて目立っている巨人の頭上。一か八かの大勝負、空を裂く大剣に身を委ねた──




