5話・魔力とは夢である
魔力とは世界に満ちる力でありこの世界の均衡を保つものである。人の生活はもちろん自然界のバランスや世界の形までもが魔力でできている。魔力を知ることというのはすなわち世界を知ることなのである。
ー魔力の影響、ニコル・マーゼル著より。
と、魔道伯家にあった本には書かれていた。この本から俺は最初魔力はこの世界に大きな影響を与えており、地球との違いの原因なのではないか、と考えていた。
しかし…あんまりないんだよな、地球との違い。確かにミスリルや魔法といったファンタジー要素はある。しかしこれらは地球にあったものに付け足された感じなんだ。物理現象や物質、生物なんかは今調べている限り地球との違いが見当たらない。つまるところ魔力がなくても地球の様に回る世界なのだ。では何故この世界に魔力があるのか…
「うーーーん…」
「どうしたのそんなに難しそうに考えて?早速試してみましょう?ミスリルの実験するんでしょう?」
「いやするよ?でもさ何から始めればいいかなーって」
「とりあえず魔力を流してみたら?魔法は使えなくても魔力の操作は分かるんでしょう?」
「おぉ!さすがリリアお嬢様!天才!」
「お嬢様って呼ばれるの変ね…」
ミスリルに触れて魔力を流してみる。
「おぉ!これが魔力が外に出る感覚!」
ミスリルに魔力を流してみるとミスリルが体の一部になったような感覚がある!これが魔力の放出なら魔法も同じ要領で魔力を出せばいいのかな?
ミスリルから手を話してミスリルに触れていた時の感覚を手のひらで再現する。
うん!ミスリルに触れている時ほどじゃないけどうっすら空気が体の一部になった気がする!
でもこれあれだな、個人の感覚でしかないから魔力とは何かの答えを言葉に出来るか怪しいな。多分俺が本を読んで実践しても分からなかった理由はこれだろう。前世の記憶がある分本に書いてある”感覚”というものが理解できなかった。逆なリリアやお母さん達みたいなこの世界の人からするとこの”感覚”は当たり前なんだ。
くっ!異世界転生もののアドバンテージマイナスに働いてるじゃねぇか!
「なにそんな悔しそうな顔してるのよ…まぁ何考えてるか知らないけど感覚が掴めたのなら良かったわ」
「あ、うん。感覚はバッチリ!でもさぁぁ、この感覚を理解するための障害が知識だったってことがねぇ…」
「何の話…?」
「な!何でもない!こっちの話だよ!それよりさ、このミスリルすごいね!ほとんど普通に金属、特に銀かな?に近い見た目で性質なのに魔力の通りが全然違うや」
「ミスリルにはいろんな説があって、魔石が変化したものや鉱石と魔力が混ざったもの、さらには神様が生み出したものなんていう説まであるのよ。」
「うーん。なら俺は鉱石と魔力が混ざったものな気がするな。これは勘でしかないんだけど金属に似た性質があるし何かしらの金属、もしくは複数の金属が魔力か魔石と合わさったものじゃないかな」
「あなたの実家、アストライト魔道伯家の結論も同じよ。だからこの国ではあなたの言った説が1番有力とされているわ」
「この国ではってことは他の国だと違うの?」
「えぇ、たとえば聖教国ではミスリルは神が与えてくれたものとして神聖な素材とされているわ。まぁ神様の権威を保持するためだけの虚言だって言う人もいるけどね。詰まるところミスリルっていうのは国の権威にも関わる素材なのよ」
確かに杖などで魔法を増幅させる際、いかにエネルギーのロスが少なく早く魔力を通せるかと考えたら魔法社会に置いていかにミスリルの保有量は戦力に直結する。聖教国が神の御業として扱うのも納得できる。
「とりあえずは実験も魔力の放出も出来るようになったし今日はここまでにしましょうか?明日からあなたの家庭教師さんがくるんでしょ?」
「あ、うん。それじゃあ上に戻ろうか」
読んでくださってありがとうございます!
誤字脱字などがありましたら教えていただけると嬉しいです!(コメントや反応もお待ちしてます!)
不定期更新になるので書けたら上げていくので気長に待っていただけたら幸いです。
お久しぶりです。更新が開いてしまいすみません…
ナオくんはついに魔法への糸口を掴みつつあります!ミスリルに関してですがミスリルは値段が高い上国力に直結するため基本的に国が管理しています。そのため魔道伯家であっても所有することは出来ていません。公爵家に関しては権力ですね。特にリリアが普段わがままを言わない分パパは頑張っちゃいます。




