黒き天使 第三章 – 第82話 「鉄の兄弟 vs 鋼の姉妹 ― トーナメント開幕」
第三章が始まりました。
ここまで読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます。
いよいよトーナメント編が開幕します。
これまで積み重ねてきた戦い、葛藤、絆――すべてが試される舞台です。
この章では、力だけではなく、それぞれの信念や覚悟も描いていきたいと思っています。
誰が勝ち、誰が敗れるのか。
そして、その先に待つものとは何なのか。
少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、第82話――開幕です。
惑星K11。
死んだ砂漠の上に、巨大な闘技場が浮かび上がっていた。
人工の光が夜を切り裂き、透明な防御結界が淡く輝く。
六つの組織の観客席が空中に展開し、重低音の歓声が大地を震わせていた。
ついに――
トーナメントが始まる。
ララは腕を組み、レオンを睨んだ。
「負けは許さないからね。集中しなさい。」
レオンは苦笑する。
「はいはい、分かってるって。」
少し離れた場所で、リウが笑う。
「リー、あの二人に勝ち目はあると思うか?」
リーは視線を闘技場から外さない。
「もしあいつがあの程度に負けるなら……俺が終わらせる。」
リウは肩をすくめる。
「厳しいな。」
影の中では、ダリオが低く呟いた。
「ようやくだ……必ず叩き潰す。」
VIP席ではロード・ヴァロンが静かに微笑んでいる。
王が闘技を見下ろすかのように。
◆第一試合
中央にホログラムの司会者が現れる。
「西側より!鋼鉄の生存者――鉄の兄弟、カルガン&ドルヴス!」
地面が震える。
巨体がゆっくりと入場するたび、観客席の空気が重くなる。
「東側より!オメガ所属、鋼の姉妹――カオリ&A-07!」
俊敏な足取り。
蒼いエネルギー刃が光る。
A-07のピンク色の瞳が点滅する。
ゴングが鳴り響いた。
◆激突
カルガンが突進する。
金属の拳が空気を裂く。
カオリは回避し、青い刃で反撃。
火花が散る。
ドルヴスの蹴りが炸裂。
A-07が衝撃を吸収し、砂嵐を巻き起こす。
観客席がざわめく。
レオンは目を細めた。
「力だけじゃない……」
◆必殺技
兄弟が同時に拳を地面へ叩きつける。
地震のような衝撃波が闘技場を走る。
「同期開始!」
カオリとA-07が跳躍。
交差する斬撃。
青と桃色の爆光が炸裂する。
リーは低く言う。
「……まだ立つか?」
◆決着
最後の一撃。
光の砲撃と、地震衝撃が正面衝突。
白い閃光。
沈黙。
砂煙が晴れた時――
立っていたのは、鉄の兄弟だった。
カオリとA-07は膝をつく。
「勝者、鉄の兄弟!」
歓声が爆発する。
◆余韻
ララが拍手する。
「いい試合だった。」
レオンは静かに呟く。
「……あれと戦うのか。」
ダリオは冷たい目で見つめる。
「誰が勝とうと関係ない。」
ロード・ヴァロンが微笑む。
「本番はこれからだ。」
その時。
巨大なスクリーンが再び光る。
次の試合カードが表示される。
ゆっくりと浮かび上がる名前――
「レオン」
観客席がざわめく。
レオンの鼓動が一瞬止まった。
――相手は。
(続く)
第82話を読んでいただき、ありがとうございました。
ついにトーナメントが始まりました。
今回は開幕戦として、鉄の兄弟と鋼の姉妹の戦いを描きました。
ここから物語はさらに加速していきます。
レオンたちの戦いも、すぐそこまで迫っています。
毎日少しずつですが、ブラジルで働きながら物語を書き続けています。
通勤のバスの中や、夜の静かな時間に物語を紡いでいます。
日本の皆様に少しでも楽しんでいただけたら、それだけで大きな励みになります。
もしよろしければ、感想や評価をいただけるととても嬉しいです。
今後とも『黒き天使』をよろしくお願いいたします。




