アンジョ・ネグロ 第二部 ― 第15話「宇宙を漂う岩」
前書き:
第15話を読みに来てくださり、ありがとうございます!
今回は宇宙での救出作戦が中心となる回です。
これまでの出来事と繋がる形で、レオンの力に新たな変化が現れ始めます。
戦闘だけでなく、彼が抱えている“内なる存在”にも少し触れる重要なエピソードになります。
ぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです!
第15話「宇宙を漂う岩」
リーのもとへ届いた救難信号は、過去からの呼び声だった。
かつて彼が救った女性たちと子どもたち。
故郷を二度失い、それでも宇宙を生き延びてきた人々。
だが今、その最後の避難所が崩壊しようとしていた。
巨大な岩は小惑星帯へと流され、無数の岩石に打ち付けられている。
リーは腕輪を起動した。
青い光が広がり、レオンとリウを包み込む。
「急ぐぞ」
レオンが頷く。
「一秒も無駄にできない」
リウも静かに構えた。
「覚悟しておけ。これは簡単な任務じゃない」
次の瞬間、三人の姿は宇宙へ転移した。
目の前には――
崩れかけた巨大な岩。
揺らぐ酸素障壁。
そして四方から迫る小惑星群。
リーが叫ぶ。
「リウ、できる限り支えろ!」
リウは両手を広げる。
光の鎖が現れ、岩全体へ絡みついた。
衝撃が彼を襲う。
「……くっ!」
岩が軋む。
レオンは地の力を使い押し返そうとするが、重力と衝突の力は想像以上だった。
「動かない……!」
歯を食いしばる。
「一人じゃ無理だ!」
リウの額から汗が流れる。
「支える……だが限界だ……!
七百人いるんだ、どこまで持つか分からない!」
その時、リーの表情が変わった。
「レオン……上を見ろ!」
視界の先――
山のような巨大隕石が、一直線に迫っていた。
レオンは目を閉じる。
「……主よ」
小さく祈る。
「無茶をします。どうか共にいてください」
意識が沈む。
暗闇の中、声が響く。
「また私を頼るのか?」
カイロスだった。
レオンの声が低く変わる。
「心配するな、リー……解決する」
次の瞬間――
黒い翼が広がった。
黒い渦のような闘気が彼を包み込む。
レオンは宇宙を駆けた。
障壁を突き抜け、岩へ到達する。
黒い爪が振るわれる。
巨大な岩が裂ける。
内部にいた人々が、開いた通路を通って移動を始める。
カイロスの声が笑う。
「見ろ……我が力を」
破壊の気配が宇宙に広がる。
リーは息を呑んだ。
「……これが、リムの力か」
その時、複数の光が現れる。
アルファ組織の船団だった。
ララが先頭に立つ。
「急いで!全員を船へ!」
隊員たちが動き出す。
「前方、隕石接近!」
「防御障壁、展開!」
エネルギーの壁が形成され、大型隕石が弾かれる。
他の船が小惑星を偏向させる。
次々と避難が進み、負傷者は出なかった。
全員、救助された。
だがレオンの精神世界では――
カイロスが前へ出る。
「体をよこせ」
その瞬間、白い光が現れた。
静かで温かい光。
カイロスが後退する。
「……またお前か」
光は言葉を発さない。
それでも、確かな意思がそこにあった。
レオンの意識が戻る。
彼の体は力を失い、宇宙で崩れ落ちる。
リーが瞬時に転移し、彼を抱き止めた。
救助船が並び、星空の中に静けさが戻る。
リーは意識を失ったレオンを見つめる。
彼の背後では、アルファの艦隊がゆっくりと航行していた。
かつての難民たちは、ついに安全な場所へ向かっている。
だが――
レオンの中の力は、まだ眠ってはいなかった。
それは彼がいつか向き合わなければならない影だった。
宇宙の戦いは、始まったばかりである。
第15話 終わり
後書き:
第15話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
今回の出来事によって、レオンの中にある力が
単なる能力ではないことが少し見えてきたかもしれません。
この力は、これからの物語に大きく関わっていきます。
また、『アンジョ・ネグロ』の世界をより楽しめるように、
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