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ブラック・エンジェル・ユニバース  作者: Leon Black Angel


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第397話 「友よ… 最初の一撃が鳴る時」

ついに幕が開けた因縁の対決。

仲間であり、友であり、そして今は敵として向かい合う六人。

最初の一撃が告げるものは――絆か、それとも運命か。

熱気と笑い、そして緊張が入り混じる一戦を、どうぞご覧ください。

挿絵(By みてみん)

スタジアムの観客は総立ちになっていた。

誰一人座る者もなく、

誰一人瞬きする者もない。

巨大スクリーンには、

未だ輝きを放つ二つのチーム名が映し出されている。


レオン・ダラム・ソル

VS

ララ・ズィラ・キラ


風が、破壊されたアリーナの砂を巻き上げる。

六つのオーラが戦場の中央を照らし出す。

蒼、

黄金、

紅、

影、

炎、

そして無限の力。

実況アナウンサーは興奮を抑えきれない。


「皆様!

この試合こそが――

このトーナメント最大の一戦になるやもしれません!!」


歓声が轟音となって会場を揺らす。

ナンドは観客席から落ちそうになりながら叫ぶ。

「いけーレオン!!

いけーララ!!

いけーキラ!!

いけーソル!!

みんなー!!」


ジュンは呆れて腕を組む。

「あいつ、六人全員を応援してるぞ」

「それを友情というのよ」リュウが答える。

レニは黙ったまま腕を組み、

ただ試合を見つめている。

ヴァロンは真剣な面持ちで、

ライコーは静かに腰を下ろしている。

そして時の双子が――

初めて、心から試合に注目していた。


アリーナ中央。

レオンがララを見つめる。

ララもまた、彼を見返す。

ほんの一瞬だけ――

スタジアムの喧騒が遠くなった。


――過去。

先のトーナメント。

野次、

罵声、

「クリザード人め」

「化け物め」

「異形め」

一人立ち尽くすレオン。

そこへ――

ララがアリーナに歩み寄り、

その唇を重ね、

静寂が会場を包んだ。

彼女の手が、彼の手を強く握りしめる。

「あなたを選ぶわ」


――現在。

レオンが微かに笑う。

「同じことを考えてた?」

「かもしれないわ」

「手加減してくれる?」

「夢物語はやめて」


ズィラが指を鳴らす。

影が周囲に広がり始める。

「ラブラブは試合が終わってからにしてくれる?」

キラが拳を鳴らし、

鋭い視線をソルに向ける。

「特にあんたはね」

「今日こそ――

私が勝つから」

ソルも腕を組み返す。

「言うだけは一人前ね」

「そっちこそ、思い上がりも甚だしいわ」

「なら、かかってきなさいよ」


ダラムが二人の前に手をかざす。

「おいおい、

まずは作戦だろ」

レオンが表情を引き締める。

「忘れるな。

俺たちが戦うのは敵じゃない。

強き者たちだ。

だからこそ、最大限の敬意をもって挑む」


ララが口角を上げる。

「相変わらずヒーロー気取りね」

「それはいつものことだ」


アナウンサーが腕を高く掲げる。

「さあ、開幕――」


――その瞬間!

ドゴォォォォォン!!

キラが一足早く駆け出した。

「キラー!!」

ソルもまた、その瞬間に飛びかかる。

ドゴォォォォォン!!

拳と拳が激突し、

地面が砕け散る。


「もう始まったぞ!!」ナンドが絶叫する。

「合図すら待たなかったとは!!」ジュンが目を見開く。

二人は距離を取り、

互いを見つめ合い、

そして笑った。


「やっとだね」ソルが言う。

「やっとだな」キラが応える。


「ズィラ!」

「もうわかってるわ!」

影が爆発的に広がり、

幻が現れる。

ズィラが十人、

二十人、

三十人――。

ダラムが緑色の光の構造物を展開する。

「その手は食わないぞ」


ララが背後に現れる。

バシッ!

横からの鋭い蹴り。

ダラムが辛うじて受け止める。

「速くなったな」

「そっちこそ、読みやすくなったわ」


レオンはその場に佇んだまま、

ただ戦況を分析している。

観客席のレニが呟く。

「まだ動いていないのか」

ライコーも気づく。

「妙だな」

ヴァロンが真剣な顔で言う。

「いや、彼は待っているんだ」

「何を?」ヴァンダーが尋ねる。

「情報をだ」


アリーナでは、ララが旋回し、

黄金の光の槍や盾、

閉じ込める光の檻が次々と現れる。

「ズィラ!」

「今よ!」

影が地面を覆い尽くし、

ダラムが飛び退くも一歩遅れ、

影の鎖が彼の足を捉える。

「捕らえたわ!」

ララが間髪入れずに襲いかかる。

バシッ!バシッ!バシッ!

三つの打撃が、

正確に、

無駄なく、

見事に決まる。


「すげえ…!」ナンドが驚きの声を上げる。

「あの二人、徹底的に練習してきたんだな」


レオンがついに動く。

ただ一歩踏み出すと、

天の剣がその手に現れ、

一閃。

影は跡形もなく消え去る。

ララが後ろに跳び退く。

「速い…」

「そっちもだな」


キラとソルはなおも激しく打ち合う。

ドゴン!ドゴン!ドゴン!

炎、

クリザードの炎、

爆発、

そして閃光。

「強くなったじゃないか」キラが言う。

「そっちこそね」

「お世辞はいいから」

「指図しないでよ」

「指図してないだろ!」

「してたわ!」

「あんたこそ理不尽だ!」

「あんたこそ!」

「おい、二人とも!」ダラムが叫ぶ。


ドゴン!

不意の衝撃が、

ダラムを直撃する。

静寂が会場を包む。

「……」

「……」

「お前のせいだろ」キラが言う。

「違う、あんたのせい」

「あんたよ」

「あんたよ」

「あんただってば!」


ダラムが地面に倒れたまま呟く。

「俺、このチーム大嫌いだ…」


レオンは笑いを堪え、

ララも同じく、

ズィラは声を上げて笑いそうになる。

「もう…なんて子供なの」

「子供じゃないもん!」二人が声を揃えて反論する。


その瞬間、

会場全体が笑いに包まれた。

ソルさえも、

笑っていた。

キラはそれを見て、

初めて気づく。

そこには、

気取りも、

仮面もなく、

ただ自分と同じ、

一人の少女がいるだけだった。


ほんの一瞬、

キラの動きが止まる。

――過去。

リー、

アリーナ、

鮮血、

絶叫、

恐怖、

そして怒り。

――現在。

ソルが心配そうに声をかける。

「キラ?」

「……」

「大丈夫?」

「うるさい」

「泣いてるの?」

「泣いてないわよ!」

「泣いてるじゃん」

「ぶっ飛ばすぞ!」

「やってみなよ」


ドゴォォォォォン!!

二人は再び全力のエネルギーをぶつけ合う。


観客席。

レニがレオンを見つめて言う。

「妙だ」

カムが首を傾げる。

「何が?」

「あいつ、まだ本気を出していない」

「まるでな」

ライコーが腕を組む。

「確かにそうだ」

カエルが小さく囁く。

「何か隠してるな」

カエンが同意する。

「そうよ、相当ね」

ヴァロンは黙ったままだ。

ヴァンダーが気づく。

「知ってたのか?」

「……ああ」

「レオンは――

まだ一度も、

すべてを見せたことがない」


ライコーが呟く。

「俺と戦った時でさえもな」

レニは初めて、

表情を曇らせ、

鋭い視線を向ける。


アリーナ。

ララが深呼吸をし、

仲間に声をかける。

「ズィラ、第二の作戦よ」

「了解」

影が再び噴き出し、

スタジアムが暗闇に包まれる。

「なんだ?!」ジュンが立ち上がる。

「幻惑のフィールドだ」リュウが説明する。

「チームを分断するつもりだな」


ダラムは十体のララ、十体のズィラに囲まれる。

「しまった…」

「そうはいかないわよ」ズィラが笑う。


レオンは目を閉じ、

静かに耳を澄ます。

そよ風が、

ほんのわずかに、

彼の周りを流れ始める。

そして目を開けた時、

その瞳は黄金に輝いていた。


その瞬間、

ライコーが思わず立ち上がり、

カエルは表情を硬くし、

カエンは笑みを消し、

ヴァロンが腕を組み直して呟く。

「やはり、本当に存在したのか」

レニが目を細める。

「さっきのは…何だ?」


レオンが剣を一振りする。

「本物だけだ」

一閃。

すべての幻が消え去った。

静寂が会場を支配する。

ララが目を見開く。

「そんな…

ありえない…

いつ気づいたの?」


レオンが微笑む。

「さあ、どうだろうな」

ズィラが急に真剣な顔になり、

ララに囁く。

「ララ、

あの人、

いつもと違うわ」

「知ってる…」


レオンが剣を向ける。

「さあ、こい。

俺は見てみたいんだ。

君たちが、

どれだけ強くなったのかを」


二人のエネルギーが一斉に爆発する。

ドゴォォォォォォン!!

スタジアム全体が激しく揺れる。

ソルもキラも、

そして起き上がったダラムも、

息を飲んでレオンを見つめる。

「あいつ…

まだ何か隠してやがる…」


レニもライコーもヴァロンも時の双子も、

誰一人として視線を外さない。

初めて、

全員が同じことを理解した。

レオンは――

まだ、

自分が何者なのか、

誰にも見せていなかったのだ。


実況アナウンサーは声を震わせながら叫ぶ。

「皆様!

我々はまさにこれから――

このトーナメント最強の化け物の、

真の姿を目撃することになるのかもしれません!!」


レオンが剣を構え直す。

風が彼を中心に渦を巻き始め、

背中には、

あと少しで翼が現れる――

その寸前で、

また消えていく。

ララが息を呑む。

「レオン…

あなた…」


彼はいつものように、

穏やかに微笑んだ。

「まだだよ」


(第397話・完)

最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

仲間同士の戦いは、楽しさと同時に心が締め付けられるような緊張感もありますね。そして今回、レオンが見せ始めた「まだ隠された力」——これから彼が何を見せてくれるのか、そしてこの戦いがどんな結末を迎えるのか、ぜひ次回もお楽しみにください。


もしこの物語を気に入っていただけましたら、ブックマークやお気に入り登録をお願いいたします。また、「今回一番印象に残ったのは誰のシーン?」「次はどんな連携技を見てみたい?」など、どんなご意見やご感想でもコメントで教えていただけますと、作者として本当に励みになります。


次回はさらに激しく、そして奥深い戦いが続きます。どうぞお楽しみに!

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