第393話:最後の稲妻
第11シーズン第393話「最後の稲妻」。
圧倒的な実力でナンドの仲間たちを沈めた叔父ライカー。組織オメガの精鋭というその名は、ただの称号ではなかった。全ての力を封じていた腕輪を外し、本気を見せるライカー。追い詰められたナンドは、己の限界を突破できるのか。伝説の猛者を前に、アリーナはかつてない緊張感に包まれる。
スタジアムを支配するのは、重苦しい沈黙だった。
アリーナの反対側には、ナンド、ナナ、ダラムの三人。そして対面に立つのは、たった一人の男、叔父ライカーのみ。
足元の地面は、ライカーの溢れ出るエネルギーによってひび割れ、空気さえも震えていた。
「これこそが、物理的な純粋エネルギー……」
実況の声ですら、恐怖で震えている。ヴァーロンは腕を組み、かつてないほど真剣な表情を浮かべていた。
「ヴァーロンがここまで険しい顔をするなんて……」レオンが驚きを隠せない。
ヴァーロンは視線を逸らさずに答える。「ライカーは組織オメガの最高峰の一人だ。私やヴァンダーでさえ、まともに戦えば手を焼く存在だ」
レニでさえポケットから手を取り出し、興味深げに戦場を見つめる。
「面白い……ようやく見どころが出てきたな」
戦いが動いた。ナナが全速力で突撃し、ナリスのエネルギーを爆発させる。しかし、ライカーは無造作にそれを回避した。
「隙だらけだ」
一撃。ただの一撃で、ナナはアリーナの半分まで吹き飛ばされた。
ダラムが続いて飛び込むが、ライカーは片手でその拳を受け止める。
「力はいい。だが、技術が伴っていない」
CRAAAAASH!!
ダラムは地面に叩きつけられ、立ち上がることさえままならない。
「二人まとめて……圧倒しただと!?」
観客のどよめきがスタジアムを支配する。しかしライカーの標的は一人だった。
「さて、生き残りよ」ライカーがナンドを見据える。「ようやく、お前と向き合えるな」
ナンドは拳を握りしめ、青く、白く、黄金の輝きを纏う。
「……あんたに昔のことを思い出させるつもりはない」
ダラムが立ち上がろうとするも、ライカーの一撃で完全に戦闘不能となった。審判の声が響く。「ダラム、場外!」「ナナも戦闘不能!」
ついに、アリーナにはライカーとナンドだけが残された。
ライカーはゆっくりと、両腕の黒いブレスレットを外した。
CLANG――。
金属音が響いた瞬間、スタジアム中の空気が変わった。
膨大なエネルギーが奔流となって溢れ出し、ライカーの髪が逆立つ。足元の地面がさらに深く沈み込んだ。
「……本気、か」
ヴァーロンの呼吸が止まる。
「ナンド、逃げろ!」と叫ぶレオンだが、当の本人は笑っていた。恐怖を感じながらも、その瞳には情熱が宿っている。
「ようやく……求めていた相手だ」
二人の猛者が対峙する。かつてない死闘の幕開けに、観客の誰一人として息をすることさえ許されない。
二つの力。二つの魂。ただ一人だけが、この戦いを勝ち抜く。
(第393話・完)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
ライカーの圧倒的な力の前に、ついに「本気」が解放されました。次回、いよいよナンドと伝説の激突です!
【重要なお知らせ】
皆様により物語を楽しんでいただくため、作者より新しい取り組みを開始しました!
各エピソードにはキャラクターたちの姿がわかる「挿絵」を掲載しています。ぜひ、彼らの表情や雰囲気を想像しながら読み進めてくださいね。
また、作者プロフィールページでは、キャラクター個別のイラストとともに詳細なバイオグラフィも公開中です!
「このキャラが気になる!」「もっと活躍が見たい!」というご意見は、ぜひコメント欄で教えてください。皆様の応援が、今後の物語の展開を決める鍵になります!
次回も手に汗握る展開が待っています。引き続き応援よろしくお願いします!




