第387話:計り知れない力
第11シーズン第387話「計り知れない力」。
アリーナの修復作業中、戦士たちの間では束の間の休息が訪れます。過去の記憶を語り合う女性陣、そしていよいよ始まるリウたちの戦い。圧倒的な強さを見せつけるジュンと、緊張に包まれるアリーナ。そして最後にリウが口にした重大な決意とは……。
スタジアムは修復中だった。組織の工学構築物が、前回の激戦で破壊された床面を瞬く間に組み上げていく。ルーンが輝き、重厚な金属板が噛み合わさる。
「十分間の修理休憩だ! 皆、休憩を楽しんでくれ!」
実況の声が響く中、観客席は冷めることのない熱気に包まれていた。
「なあ……今の試合、凄まじかったよな!」ナンドが興奮を隠せない。
レニは腕を組んだまま淡々と答える。「効率的だったな」
「あんた、ロボットみたい」ケレが呆れ顔で突っ込む。
ヴィニーがそれに釣られて笑い声を上げた。
その一方で、女性陣のエリアでは静かな時間が流れていた。
ラーラがアリーナを見つめ、ソルやキラたちが並んでいる。
「XPのディレクターたち、凄く良かったわ」ラーラが寂しげに呟く。
「前から知り合いだったの?」キラの問いに、ラーラは遠い目をした。
「……レオンと私が初めてキスをしたのは、彼らとの戦いの中だった」
ソルが驚いて振り返る。「えっ? 本当?」
ラーラは微笑む。
「当時、レオンはクリザード人だというだけで激しく批判されていたわ。モンスターのように蔑まれて……。XPのディレクターたちも、彼にひどい偏見をぶつけた。私は彼が好きだったけど、混乱していて……」
「ダリアムへの婚約の話があったからよね?」キラが核心を突く。
「そう。でも……アリーナの真ん中で、皆の前で彼にキスをしたの。スタジアム中が凍りついたわ」
ソルはその言葉を聞き、深く沈黙した。
(皆が敵に回っても、彼を選んだのね……)
かつてダリアムと過ごした山々、交わした言葉、そして彼が言った「俺たちの側を選んでほしかった」という言葉が、ソルの胸を締め付ける。
一方、レオンたちはヴァーロンと共に戦況を見守っていた。
「リウは好調だな」レオンが告げる。
「ああ。だが……ジュンが怒っているようだ」ヴァーロンが冷ややかに分析する。
アリーナでは、カタリナがリウに親しげに寄り添っていた。
「ねえリウ、訓練したあのコンビネーションを決めましょう」
カタリナがリウの肩に手を置いた瞬間、ジュンの空気が変わった。
「その手を離しなさい」
「あら? 戦略の話よ。あなたには理解できないわ、異端の力でしょう?」
嘲笑うカタリナに対し、ジュンの瞳から光が消える。「……もう一度言ってみなさい」
「二人とも、やめてくれ!」リウの必死の仲裁も虚しく、戦いの火蓋は切られた。
「――開始!!」
BOOOOOOM!!
敵のマグナが全身を溶岩に変え、アリーナを灼熱地獄に変える。ルーバルが圧倒的な速度で舞い、刃が空気を切り裂く。
リウが緑の鎖を放ち、カタリナも同調する。二人のエネルギーが重なり、マグナを拘束した。
だが、ジュンは微動だにしない。
「ジュン! 援護を!」リウが叫ぶ。
「……見ているわ」
「JUN!!」
「見ているってば!」
ルーバルがジュンに肉薄する。
「甘い!」
だが、ジュンが動いたのは一瞬だった。彼女がルーバルの腕を掴んだ瞬間――。
BOOOOOOOOOOM!!
凄まじい衝撃波がスタジアムを揺るがし、ルーバルは三つの壁を突き抜けて消え去った。
呆然とするカタリナ。「な……何が起きたの?」
「次」ジュンが短く告げる。
十メートルの巨人と化したマグナが襲いかかる。ジュンは跳躍し、その拳を叩き込んだ。
BOOOOOOOOOM!!
巨人が宙を舞う。最後はルシアの青いエネルギーも、ジュンの圧倒的な力の前では無力だった。
「勝者、リウ・ジュン・カタリナ!!」
スタジアムは再び爆発的な熱狂に包まれる。
カタリナが震える声で尋ねる。「あなた……人間なの?」
ジュンは腕を組み、「知っているわ」とだけ答えた。
静寂が訪れる中、リウがマイクを手に取った。
レオン、ダリアム、そして観客たち。皆が息を呑んで彼の言葉を待つ。
リウが深く呼吸し、口を開いた。
「皆……報告がある」
スタジアム中が、完全に沈黙した。
(第387話・完)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
ジュンの圧倒的な力、そしてリウの突然の重大発表。アリーナの空気は一変しました。彼は一体何を告げようとしているのか。そして、物語の歯車が大きく動き出します。
次回の展開もお楽しみに!皆さんの応援が執筆の原動力です!




