第386話:空を喰らう炎
第11シーズン第386話「空を喰らう炎」。
トーナメントはさらなる激戦へ。XPの精鋭たちと、圧倒的な破壊力を持つ「黒き炎の三人衆」。魔法さえも焼き尽くす黒炎の脅威に、アリーナは戦慄します。そして、勝者たちの背後に隠された、恐るべき真実とは……。
スタジアムは今なお震動していた。先刻の死闘が観客の記憶に焼き付く中、次なるカードへと視線が注がれる。巨大スクリーンが鈍い輝きを放ち、実況がその名を告げた。
「レディース・アンド・ジェントルマン!! 次なるバトルの時間だ!!」
観客席から爆発的な歓声が上がる。ナンドは興奮のあまり立ち上がり、ラーラは腕を組みながら「難敵ね……」と呟く。レオンはその戦いを見つめ、レニは静かに、だが確信に満ちた笑みを浮かべていた。
『サイラス・セラフィナ・サラ』 vs 『黒き炎の三人衆』
「……知っているのか?」レニが尋ねると、ヴァーロンが冷徹に答える。
「ああ。サイラスは組織でも最高のディレクターの一人だ。そしてセラフィナとサラ……彼女たちは危険すぎる」
ラーラが微笑む。「でも、彼女たちはXPリアン。私の同胞よ。そう簡単には負けないわ」
レオンは静かに語る。「前回の大会で戦ったが、奴らは怪物だ」
ゲートが開き、サイラスたちが現れる。緑の鎧を纏ったサイラス。金色の髪をなびかせ、光り輝く構造体を操るセラフィナ。そして、冷静沈着なサラ。
彼女たちが言い争う姿に、観客席からは笑いが漏れる。
「本当、あんたたちはいつもね……」
「黙りなさい」
そんな彼女たちの背後に、黒き霧を纏った三人が現れた。カレン、レナ、ケレ。感情を一切排し、影のように静かな三人衆。
「――開始!!」
BOOOOOOM!!
サイラスが先に動いた。無数の緑の槍と鎖が空間を支配する。だが、カレンが手を翳すと、黒い炎が爆発し、接触したすべての構造体が灰となって霧散した。
「魔法を……焼き尽くしただと!?」レオンが目を見開く。
ヴァーロンが厳しい表情で語る。「黒き炎。それはエネルギーを燃やし、魔術を食らい、火すらも飲み込むのだ」
サラが宙を舞い、「構造体! 太陽の槍!」と放つが、レナが黒炎を纏った拳でそれらを無に帰す。
ケレの怒涛の連撃がサラを襲う。壁を突き破り、吹き飛ぶサラ。
「セラフィナ! サラ!」
「……本気で行くわよ」
サイラスが空から巨大な緑の竜を召喚するが、カレンがただ手を翳すだけで、その巨大な魔術さえも消滅させていく。
「不可能な……」サイラスが戦慄する。
セラフィナがXPの力を全開にし、数千の光の刃を解き放つ。「諦めない!」
アリーナが光に包まれるが、カレン、レナ、ケレの三人は、機械のように完璧な連携でそれを躱し、反撃に転じる。
「私の力……消えている!?」セラフィナの叫びと共に、彼女の防御が崩れた。
BOOOOOOOOOM!!
セラフィナが倒れ、サラが怒りの奔流となって突進するが、それもカレンの圧倒的な炎の前に沈黙した。
静寂。
アリーナの中央で、カレン、レナ、ケレだけが、呼吸一つ乱さず立ち尽くしていた。
「勝者、黒き炎の三人衆!!」
スタジアムが爆発するような熱狂に包まれる。勝利に歓喜する観客たち。ラーラは悔しそうに溜息を吐き、ヴァーロンは「忠告したはずだ。……難しい戦いになると」と満足げに笑った。
だが、レニだけは違った。彼はアリーナの三人を見つめ、どこか違和感を覚えていた。
カレン、レナ、ケレ。彼女たちは静かに立ち去る。その背中には、一切の感情がない。
――その背後に隠された、恐るべき真実。
彼女たちの正体は、(潜入者)だった。
遠く離れたクリザードの地で、本物のカレン、レナ、ケレは今も生きている。誰かに自分の名前と顔、そして能力を奪われ、恐るべき計画の駒として利用されていることなど露知らずに……。
巨大スクリーンが再び輝き始める。
次に表示された名に、会場は凍りついた。
(第386話・完)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
圧倒的な力を見せつけた「黒き炎の三人衆」の正体は、やはり潜入者でした。本物の彼女たちの安否や、何が起きようとしているのか。物語はますます緊迫の度を深めていきます。
引き続き挿絵の準備と執筆に全力を注いでいきます。いつかアニメとなって彼女たちが動く姿をお届けできることを夢見て。次回もお楽しみに!応援よろしくお願いします!




