第385話:守護する御手
第11シーズン第385話「守護する御手」。
スタジアムでは「エーテルの魔術師」たちの圧倒的な力の前に、潜入者たちが屈します。一方、組織の深部でも謎の力「ガブリエル」が立ちはだかり、K11の裏側で静かなる戦いが進行していました。そして、物語は次なる熱狂、炎の対決へ。
スタジアムは今なお震動していた。ヴァルダリアの戦士たちとエーテルの魔術師たちの激突は、予想外の結末を迎えようとしていた。
カエルスが手を掲げる。「貴様ら、何かを隠しているな」
その言葉と共に幻想が炸裂した。金色の荒野、滅びゆく惑星、死に絶える人々――。
リウが椅子を強く握りしめる。「彼ら、折れてしまうか……!」
だが、三人の偽ヴァルダリア人は倒れなかった。彼らはNharithの潜入者。動揺を演じつつ、鋭い観察眼で機を窺っていたのだ。
セルヴァリスの姿をした潜入者が口元を拭う。「……良い試みだ」
爆発する緑の鎖。ドラエゴンとヴァエルコルの偽物がアリーナを蹂躙し、エーテルの魔術師たちを追い詰める。
「おいおい! 彼らが戦局をひっくり返したぞ!」ナンドが叫ぶ。
リウが立ち上がった。「これだ!」
しかし、ヴァーロンは腕を組んだまま冷ややかに呟く。
「まだ理解していないようだな。奴らはまだ、食事遊びをしているだけだ」
その言葉通り、セレンヤが深く息を吐き出す。「……わかったわ」
エトールが金色のルーンを浮かび上がらせる。
「遊ぶのはここまでだ」
スタジアムの空気が一変した。
エトールが両手を掲げる。「エーテルの檻」
数百もの封印が炸裂し、逃げ場を失った潜入者たちを飲み込む。
カエルスが嘲笑う。「幻想とは、ただ目を欺くだけのものじゃない。相手に『誤った選択』を信じ込ませるものだ」
セレンヤが両手を広げる。「虚無の庭園」
世界から光が消えた。闇と沈黙が三人を支配する。
「何が起きているんだ!?」
「貴様らの負けよ」セレンヤの冷徹な声が響き、閃光と共にすべてが消失した。
「勝者、エーテルの魔術師!!」
会場が熱狂に包まれる中、リウだけが悲痛な面持ちで座り込んでいた。
「……負けたのか」
ジュンが肩に手を置く。「彼らはよくやったよ」
ヴァーロンはただ微笑んだ。「忠告したはずだ。あの三人は怪物だった。だが、魔術師たちは……それ以上だ」
その頃――。
組織の奥深く、サーバー室。三人の潜入者たちは、血相を変えてコンソールを叩いていた。
「急げ! インストールを完了させろ!」
システムがエラーを吐き出し、地図や座標が明滅する。
「やった……! これでアレス王は――」
その時、黄金の光が部屋を満たした。
沈黙。響く足音。
そこに立っていたのは、荘厳な翼を持つ者――ガブリエルだった。
「……嘘だろ。まさか」
潜入者たちは凍りつく。ガブリエルは優雅に微笑んだ。だが、その眼光には慈悲などなく、ただ圧倒的な支配の権威だけが宿っていた。
「……何度、学べば理解できる?」
空気の密度が変わり、息さえもままならない。
「創造主がその手を置いた場所に、邪悪が触れることは許されない」
逃走を試みた三人の動きが停止する。
光がすべてを包み込み――彼らは消滅した。
アリーナでは、ソルが静かに目を閉じていた。
(……Nharithが消えた。そしてガブリエルが、この場所を保護しているの?)
「……本当なのね。この星は、守られている……」
彼女は内なる動揺を隠し、努めて冷静に振る舞った。
「ふん。平凡な試合だったわ」
「あんた、様子が変よ」キラが怪しむ。
「黙りなさい」
スクリーンが明滅し、次なる対戦カードが映し出される。
『Xyrus・Seraphina・Sara』 vs 『黒き炎の三人衆(Karen・Lena・Kele)』
スタジアムがこの日一番の咆哮を上げた。
「待ってました!!」ナンドが叫ぶ。
カレンが腕を組み、レナが静かに目を閉じる。ケレが深く呼吸を整えた。
その光景を見て、レニが初めて笑みを浮かべた。
それは、これから来る「何か」を確信した者の、自信に満ちた笑みだった。
(第385話・完)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
エーテルの魔術師たちの圧倒的強さと、K11の裏側で進行するガブリエルの介入。物語はいよいよ核心へと向かっていきます。
次話はいよいよ炎の対決!キャラクターたちの熱い戦いを、引き続きお楽しみください!




