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ブラック・エンジェル・ユニバース  作者: Leon Black Angel


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388/433

第384話:幻想と侵入

第11シーズン第384話「幻想と侵入」。

スタジアムではヴァルダリアの戦士たちが強大な魔法使い「エーテルの魔術師」たちとの激戦を繰り広げます。しかし、トーナメントの熱狂の裏で、母艦の深部には不穏な影が忍び寄っていました。

挿絵(By みてみん)

スタジアムは今なお震動していた。レオン、ダリアム、そしてソルの勝利が観客の熱を極限まで高めている。

喧騒、歓声、そして期待。巨大なアリーナの中心で、スクリーンが再び回転を始める。

「始まるぞ!」ナンドが椅子に立ち上がって叫ぶ。

「落ち着きなさい」ジュンが窘めるが、彼の胸の内も高鳴っていた。

キラが腕を組む。「ソルを超える奴がいるか見ものね」

「黙りなさい」ソルが即座に反応する。「私は勝ったわ」

「辛勝だったくせに」

「……」

ラーラが笑いをこらえる横で、レオンは静かにスクリーンを見つめていた。

現れたのは――。

『ヴァルダリア・トリオ』(ヴァエルコル、ドラエゴン、セルヴァリス)

対するは……

『エーテルの魔術師』(エトール、カエリス・ヴォン、セレンヤ)

リウの背筋が伸びる。「……始まる」

レニが隣で覗き込む。「緊張してるのか?」

「……まさか」

「嘘だな」

「黙れ」

背後にはヴァーロンが立っていた。腕を組み、冷ややかな視線を送っている。

「あいつらは負ける」

リウが振り返る。「何だと?」

「『エーテルの魔術師』を知っている。純粋な魔力、封印、精神操作、そして幻想。ヴァルダリアの戦士たちに勝ち目はない」

リウは目を細めた。「彼らはやってのける」

ヴァーロンはただ、薄く笑った。

ナレーターが吠える。

「レディース・アンド・ジェントルマン!! 次なるカードだ!!」

緑のゲートからヴァルダリアの三人――ヴァエルコル、ドラエゴン、セルヴァリスが姿を現す。リウが小さく呟く。「行け……」

対して、もう一つのゲートからは重く、静かな空気が漂い出した。

黒いマントを纏ったエトール、空虚な瞳のカエルス、そして不気味な微笑を浮かべる銀髪のセレンヤ。

「随分と不気味な連中ね……」ソルが眉をひそめる。

「……強大だ」ヴァーロンが短く答えた。

「――開始!!」

BOOOOOOM!!

ドラエゴンが大地を砕き、エネルギーの鎖を炸裂させる。だが、エトールが手をかざすだけで、その鎖は空中で静止した。

「エーテルの封印」

「何だと!?」ナンドが絶句する。

カエルスが指先を動かす。「精神の檻」

ドラエゴンが硬直する。セルヴァリスが駆け寄るが、それは虚像だった。「後ろだ」

背後からの青い魔法の炸裂。ドラエゴンはアリーナを滑り、吹き飛んだ。

「……彼らは異常だ」ジュンが呟く。

だが、リウは睨みつける。「いや……立ち上がれ!」

ドラエゴンが咆哮し、緑のエネルギーを爆発させる。「俺たちは、もう昔の自分じゃないんだ!」

エーテルの魔術師たちが、一斉に陣を敷く。「『魔術の領域フィールド・アルカナ』」

アリーナ全体が漆黒に染まり、霧の深い森へと姿を変えた。

「なんだと!? アリーナ全域の幻想か!」ソルが立ち上がる。

「最悪だ……」リウが顔を青くする。

幻想の中で、ヴァエルコルの前に幻影のリウが現れた。「……お前たちを見捨てたんだ」

「違う!」

「失敗作だ」

「やめろ!」

彼らは心の奥底にあるトラウマを抉り出されていた。セレンヤは不敵に笑う。

「終わりね」

だが、ヴァエルコルは目を閉じた。リウとの訓練、仲間との絆、組織での日々。

「……いや、これは現実じゃない」

BOOOOOOM!!

幻想が亀裂を走る。

「何だと!?」カエルスが驚愕する。

「俺たちは変わったんだ!」ドラエゴンが叫び、セルヴァリスが瞳を開く。

「私たちには、理解できないだろうけれど……『仲間』というものがある!」

幻想が砕け散り、スタジアムが爆発的な歓声に包まれる。

その頃――。

巨大母艦の深部。誰もいない廊下を、三つの影が歩いていた。

ヴァルダリア、ブズ、そして黒き炎の使い。潜入者たちだ。

「……全員がトーナメントに集中している」

「絶好の機会だ」

「急げ」

主制御室。三人はコンソールを操作する。

「これで……アレス王がK11を特定できる」

「終われば、全てが変わる」

データ転送バーが上昇していく。10%、40%、80%……。

100%。

完了した。その瞬間――。

部屋の明かりが消えた。

「何だ?」

「どうしたんだ?」

沈黙。そして、白く柔らかな光が三人を包み込んだ。

部屋の中央に、一人の人物が立っていた。清楚な衣を纏い、剣のように鋭い眼光を放つ者。――天使だ。

「……おい、報告書にはなかったぞ」

「逃げろ!」

三人が駆け出そうとしたその時、光が激しく増幅する。

「……神が手を置いた場所に、土足で踏み入るな」

光が全てを飲み込み――カット。

(第384話・完)

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

ヴァルダリアの戦士たちの逆転劇と、母艦内で動き出した不穏な影。物語は一気に加速していきます。

今後もこの「黒き天使」の世界を精一杯描いていきますので、ぜひ次回も楽しみにしてください!皆さんの応援が執筆の励みになります!

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