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ブラック・エンジェル・ユニバース  作者: Leon Black Angel


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第376話:白き炎の指輪

第376話「白き炎の指輪」を執筆しました。

ジュンとの関係に悩むリウが、究極のプロポーズのために伝説の惑星「白き炎」へ向かうコメディ&青春回です!果たして、過酷な試練の先には何が待っているのでしょうか。

K11の巨大母艦テラスに、人工の太陽が降り注いでいた。

リウは椅子に深く腰掛け、頭を抱えている。その前にはレオン、レニ、ナンド、ダリアムの四人が並んでいた。

「もうどうすればいいのか分からない……」リウが力なく呟く。「カタリナのせいで、ジュンが俺に対してずっとよそよそしいんだ。あのヴァルダリア女が、ことあるごとに彼女を嫉妬させてくるんだよ」

ナンドが笑い出した。

「ついに、完璧超人のあんたも苦しむ時が来たか」

リウが苛立ちを隠さずに指をさす。「笑い事じゃないぞ!」

レオンが腕を組み、思案する。

「たぶん、お前がジュンに安心感を与えられていないんじゃないか?」

リウが首をかしげる。「どういう意味だ?」

レオンは肩をすくめる。「付き合って長いだろ。彼女は、お前がちゃんと自分を選んだという証が欲しいのかもしれない」

レニが頷く。「そうね。あんたたち、遅すぎるのよ」

彼女はレオンを見た。「あんたとラーラもね」

レオンは気まずそうに後頭部を掻いた。「いや……その、戦争がいろいろと複雑でな……」

ナンドが悪い笑みを浮かべる。「解決策なら知ってるぜ」

全員の視線が彼に集まる。

「『白き炎』っていう惑星があるんだ」

ダリアムが眉をひそめる。「聞いたことがないな」

「生きて戻ってきた奴がほとんどいないからな」ナンドは誇らしげに答える。「その惑星は希少なダイヤモンドで溢れている。白き炎を吐くドラゴンに、凍てつく嵐、そして異常な怪物たちが潜んでいるんだ」

リウが目を見開く。「それがどう関係するんだ!」

ナンドの笑みが深くなる。「そこで指輪を買って、ジュンにプロポーズするんだよ」

静寂。リウがゆっくりと瞬きをする。

「……気に入った」

レオンが吹き出す。「マジかよ」

ナンドは楽しそうに続ける。「そこは宇宙最大の『愛の証』の場所として知られているんだ。誰かのためにそこへ足を踏み入れることは、全てを賭ける覚悟があることを示す」

リウが感極まる。「完璧じゃないか……」

「そうでもないぞ」ナンドが水を差す。「死ぬ奴も多いからな」

リウが凍りつく。「……え?」

レニが高笑いする。「大丈夫よ。死んだら死んだで、愛に殉じたってことで美談になるわ」

リウが憤慨して立ち上がる。「お前らは助けに来たのか、殺しに来たのか!」

ナンドが腕を組む。「だが、惑星の中心部には宇宙一のダイヤモンドを加工する古代都市があるんだ」

リウが目を見開く。「待て……つまり彼らは、それを他惑星に売っているのか!?」

ナンドは黙り込む。レニが額に手を当てた。

「……あんた、本当に鈍感ね」

レオンが椅子から転げ落ちそうになりながら笑う。「代償を払うことに意味があるんだぞ、リウ!」

リウはようやく理解し、真剣な面持ちになった。

「よし、それが俺たちの任務だ」

ナンドが自分を指さす。「俺たちの?」

リウが威厳たっぷりに腕を組む。「そうだ。俺は監督官だ。お前たちは護衛として同行してもらう」

「勘弁してくれ……」ナンドが敗北感に打ちひしがれる。

数時間後、船は「白き炎」の惑星に降り立った。

そこは、凍てついた地獄のようだった。黒い山々、銀色に輝く雪、そして谷間を切り裂く白き炎の川。遠くから咆哮が響く。

リウが慎重に船を降りる。「なんてことだ……」

ナンドが前方を示す。「ようこそ、デートには最悪の場所へ」

その時だった。巨大な咆哮が響き渡る。

雲を突き破り、白き炎を吐き出すコロッサル・ドラゴンが姿を現した。

リウが絶叫する。「あれは何を吐いてるんだ!?」

「白き炎さ」ナンドが淡々と答える。「霊圧すら焼き尽くす」

リウがゆっくりと振り返る。「これを……ロマンチックだと言ったのか!」

レニが爆笑する。「この任務、どんどん好きになってきたわ」

その頃、K11では。

ラーラ、ジュン、ソル、ザイラ、キラがホログラムでその様子を見守っていた。

ジュンが腕を組む。「誰のアイデア?」

ラーラが純粋な笑みを浮かべる。「リウよ」

キラが笑い出す。「嘘ね」

惑星上では——。

グループは巨大な水晶の橋を渡っていた。リウは極度の緊張で固まっている。

「ここ、崩れそうじゃないか?」

レオンが下を覗く。「ああ、崩れるぞ」

「……え?」

その瞬間——。

CRAACK!

橋が砕け始めた。

「走れ!」ナンドが叫ぶ。全員が全速力で駆け出す。

リウが必死に喚く。「恋人死にだけは御免だあああ!」

白き水晶の森を抜け、無数の巨大蜘蛛が地面から這い出してきた。リウがパニック状態で円を描く。

「なんで俺ばかり狙うんだ!」

ナンドが蜘蛛を殴り飛ばしながら叫ぶ。「お前が獲物みたいに叫んでるからだ!」

ようやく辿り着いた中心部には、巨大な古代都市があった。

しかし——。

そこは無残にも破壊されていた。

廃墟と化した建物、壊れた機械。壁から剥ぎ取られたクリスタル。

リウが呆然と呟く。「……何があったんだ?」

背後から、杖をついた老人が現れた。

「略奪さ。何年も前にスピリの者たちが来て、全てを持ち去った」

男は破壊された都市を見つめる。「ダイヤモンドは枯れ、職人は死に絶えた。白き炎が残りを焼き尽くしたんだ」

リウは力なく俯いた。……すべては無駄だったのか。

K11へ戻る船内。リウは敗北感に打ちひしがれていた。

「全部、無駄だった……」

レオンが隣に座る。「そんなことないさ」

「何がだ? 五十回は死にかけたぞ!」

「六十二回ね」レニが訂正する。

「なおさらだ!」

K11に着くと、ジュンが待っていた。傷だらけで包帯だらけのリウを見て、彼女は目を丸くする。

「一体、何があったの!?」

ナンドが即座に答える。「愛だよ」

リウが顔を真っ赤にする。

ラーラが微笑んだ。「彼、あなたのために白き炎の惑星まで指輪を探しに行ったのよ」

ジュンが凍りつく。「え……?」

リウが気まずそうに視線を逸らす。「何も見つからなかったけどな」

ジュンは数秒間、じっとリウを見つめた。

そしてゆっくりと近づく。

「私のために、あんな場所に行ったの?」

リウが頭を掻く。「まあ、そんなところだ」

ナンドが後ろから叫ぶ。「蜘蛛から逃げながらお前の名前を叫んでたぞ!」

「黙れ!」

全員が笑い出す。ジュンはこらえきれず、微笑んだ。彼女はリウの手を握る。

「馬鹿ね」

リウが呆然とする。

彼女はそのまま顔を近づけた。

「あなたが私を選んでくれたこと、ダイヤモンドなんてなくても分かってるわ」

レオンが小さく笑う。レニが満足そうに腕を組んだ。「ようやくね」

ジュンが真剣な表情でリウを見る。

「でも、カタリナがまたちょっかい出してきたら……二人とも殺すからね」

リウが目を見開く。「俺には何の責任もないぞ!」

誰もが笑い合う中、リウは悟った。

指輪なんて、最初からどうでもいいことだったのだと。

(第376話・完)

最後まで読んでいただきありがとうございます!

リウの不器用な愛の証明、いかがでしたでしょうか?命がけのプロポーズ(未遂)の結末、ジュンとの関係も一歩前進ですね。

続きが気になる方は、ぜひブックマークやコメントをお願いします!次回の展開もご期待ください!

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