第364話 『選ばれし16チーム』
ついに大会参加者が発表される日がやってきた。
K11全土が期待と興奮に包まれる中、それぞれの戦士たちは己の力を磨き続けている。
だが、この大会はただの娯楽ではない。
未来を変える者たちの戦いが、今まさに始まろうとしていた――。
その朝、K11の空は青く輝いていた。
巨大なアリーナはまだ建設途中だったが、その姿はすでに惑星の象徴となりつつあった。
天へ伸びる金属の塔。
空中に浮かぶ観戦プラットフォーム。
XP人技師たちと各種族の職人たちが忙しく作業を続けている。
本来なら誰もがその光景に目を奪われるはずだった。
しかし、この日だけは違った。
誰もアリーナを見ていない。
なぜなら――
大会参加チームが正式に発表されたからだ。
◇
K11中央広場。
巨大ホログラムの前には、信じられないほどの人だかりができていた。
子供たちは走り回り、大人たちは勝敗予想で盛り上がる。
すでに賭けを始めている者までいる。
「どいてくれぇぇぇ!!」
ナンドが超高速で人混みを突破した。
「見えねぇだろうが!!」
その後ろからレニが現れる。
「お前は子供か。」
「うるさい!」
「いきなりヴァロンと当たったらどうするんだよ!」
その瞬間。
ホログラムが輝き始めた。
◇
【チーム1】
シルス セラフィナ サラ
「厄介なチームね。」
ザイラが腕を組む。
ジュンも真剣な顔になる。
「シルス一人でも危険なのに……。」
◇
【チーム2】
レオン ダリアム ソル
会場が一気にざわつく。
「アレスの娘だと!?」
「反則だろ!」
「優勝候補じゃねぇか!」
キラが不敵に笑った。
「早く当たりたいな。」
すると背後からソルの声。
「奇遇ね。」
「私もそう思ってた。」
二人の視線がぶつかる。
空気がわずかに震えた。
ナンドは額を押さえた。
「始まった……。」
◇
【チーム3】
レニ カム 長老カミ
黒炎族たちが歓声を上げる。
「将軍が戻ってきた!」
「今度こそ勝てる!」
しかしレニは冷静だった。
「油断するな。」
「この大会に弱者はいない。」
◇
【チーム4】
ララ ザイラ キラ
レオンが思わず呟く。
「それは禁止カードだろ……。」
ザイラが笑う。
「怖い?」
ララは腕を組んだ。
「今のうちに祈っておくことね。」
キラの視線はすでにソルへ向いていた。
◇
【チーム5】
ナンド ナナ ダラム
「宇宙最速チーム参上!!」
ナンドが胸を張る。
ナナは呆れ顔だった。
「恥ずかしいから黙って。」
◇
【チーム6】
ヴァロン 時の双子
その名前が表示された瞬間。
広場から笑い声が消えた。
誰もが息を呑む。
レオンでさえ表情を引き締めた。
「災害だな。」
ナンドが呟く。
リュウも頷いた。
「時間操作とヴァロン……。」
「最有力候補だ。」
◇
その後も次々と強豪チームが発表される。
雷光の双子。
黒炎三人衆。
ヴァルダリア戦争の英雄たち。
虚無を喰らう者たち。
白嵐の子供たち。
血の軍団。
エーテルの魔術師。
黄昏の騎士団。
どのチームも一筋縄ではいかない。
◇
数時間後。
K11全体が熱狂に包まれていた。
誰もが強くなろうとしている。
誰もが勝利を求めている。
誰もが未来を変えようとしている。
◇
レオンたちの訓練場。
「目標は単純だ。」
レオンが言う。
ソルは即答した。
「優勝。」
「その通り。」
ダリアムは苦笑した。
「問題はそこまで生き残ることだな。」
ソルは笑う。
「大丈夫。」
「倒れたら私が運ぶから。」
「余計なお世話だ。」
◇
一方。
ララたちのチーム。
キラは遠くのソルを睨んでいた。
「問題はあいつ。」
ザイラが肘でつつく。
「大会を見なさい。」
◇
リュウたちの訓練場。
カタリナはいつものようにリュウの腕を掴んでいた。
「もう一回合わせよう。」
ジュンは無言で背を向ける。
リュウは頭を抱えた。
大会前から胃が痛くなりそうだった。
◇
そして。
K11最上階。
ヴァロンは建設中のアリーナを見下ろしていた。
背後には時の双子。
「心配ですか?」
一人が尋ねる。
ヴァロンは首を振った。
「いや。」
小さく微笑む。
「興味があるだけだ。」
「何に?」
ヴァロンは空を見上げた。
「世界を先に変えるのは――」
「この大会か。」
「それとも戦争か。」
彼の視線の先では、
完成間近の巨大アリーナが静かにそびえ立っていた。
まるで近づく嵐を待つように。
――続く
ついに大会出場チームが出揃いました!
今回のエピソードは本格的な大会編への導入回となります。
それぞれのチームが抱える思惑や因縁、そしてライバル関係が今後どのような形でぶつかるのか。
作者自身もとても楽しみに書いています。
次回からはさらに熱い訓練と、新たな事件が動き始めます。
ぜひ次回もお楽しみに!
それではまた次回お会いしましょう!




