シーズン6 第229話 「創設者の帰還」
ここまで『黒き天使(Anjo Negro)』を読んでくださり、本当にありがとうございます。
激闘の末、ついに戦場に訪れた“静寂”。
しかしその静けさは、新たな転換の始まりでもあります。
失われたはずの存在――
そして、すべてを変える男が帰還します。
どうか、この瞬間を見届けてください。
戦場は、異様な静けさに包まれていた。
崩壊した大地。
燃え残る炎。
空気に残る戦いの痕跡。
その中心で――
アレスが膝をついている。
胸を貫く一本の剣。
血が、ゆっくりと地面に落ちていく。
その背後に――
一つの影が現れた。
ゆっくりとした足取り。
迷いのない歩み。
光が、その姿を照らす。
ヴァロン。
少し離れた場所で、レオンは気を失ったララを抱えながら見上げる。
そして――
わずかに笑った。
「……やっぱりな」
アレスは歯を食いしばり、無理やり身体を起こす。
振り返る。
そして――目を見開いた。
「……ありえない」
低く、重い声。
「俺はお前を殺した」
「……あの爆発で、生きていられるはずがない」
ヴァロンは静かに頷く。
「その通りだ」
「本来ならな」
腕を組み、まっすぐ見据える。
「だが――俺には、友がいた」
一瞬の静寂。
「ヴィデウ」
その名に、周囲がざわめく。
「……あの種族の最後の生き残りか」
ヴァロンは続ける。
「彼が俺を守り、別の惑星へ転送した」
「そして言った――」
『創造主は、まだお前に使命を残している』と。
目を細める。
「回復には時間がかかった」
「だが、その間に――多くの出会いがあった」
一歩、前へ。
「アレス」
声に重みが乗る。
「これから起こることは――」
「お前の想像を超える」
空気が変わる。
後方で――ラウラの身体が震える。
「……ヴァロン?」
信じられない表情。
涙が溢れる。
その隣で、ヴァンダーは静かに目を閉じる。
そして――小さく笑った。
「やはり……終わっていなかったか」
ドリアは視線を落とす。
何も言えない。
胸の奥で、感情がぶつかり合う。
遠くで――ダリアンが腕を組む。
(……そういうことか)
(あんたは……そこまでして守ったのか)
(“血の繋がらない誰か”を)
ざわめきが広がる。
「ヴァロンだ……」
「本当に生きていたのか……」
「流れが変わるぞ……」
希望と混乱が交差する。
その時――
アレスが笑い出した。
「はは……」
胸の剣を掴む。
そして――引き抜いた。
血が噴き出す。
それでも、立つ。
不安定な足取り。
だが――その目は死んでいない。
「まだ終わりじゃない」
ヴァロンを睨む。
「……そして二度と」
炎が揺れる。
「俺のラウラに触れるな」
重い沈黙。
次の瞬間――
光が、アレスを包む。
「次は――」
全員を見渡す。
「本気で潰す」
FLASH
その場から消えた。
静寂。
すべての視線が、一人に集まる。
ヴァロン。
彼はゆっくりと息を吐く。
そして――
「聞け」
ざわめきが止まる。
「Xprianも、組織も関係ない」
「ここまでのすべては把握している」
一歩、前へ。
「俺は別の任務に就いていた」
短い沈黙。
「だが――」
目に強い光。
「今、戻った」
空気が張り詰める。
「そしてこれからは――」
「すべてを変える」
カメラが引く。
ララを抱くレオン。
限界のレニ、ナンド、リウ。
静かに見つめるジラ。
涙を流すラウラ。
沈黙するヴァンダー。
揺れるドリア。
そして――
その中心に立つ男。
ヴァロン。
すべての始まりを築いた者。
死んだはずの存在。
今――
再び世界に立つ。
続く――
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
ついに――ヴァロンが帰還しました。
この登場により、戦いの流れは大きく変わっていきます。
それぞれの正義。
それぞれの選択。
そして、新たな秩序。
物語はここからさらに加速していきます。
次回もぜひ、お楽しみに!




