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第13機動部隊 プログレッサー  作者: 藤沢マサト
第四章 最終決戦へ
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第42話 帝国軍壊滅作戦(前編)

 6月26日、ドラギウス帝国軍はついにジュピトリア共和国軍に対し総攻撃を仕掛ける事を決断した。

その作戦では、圧倒的物量攻撃を敵軍に浴びせ、最終的には降伏にまで追い込むというものである。

しかし一方で、皇帝であるアルバレスに対して不信感を募らせるものがいた。反戦派の組織は、今後この国を変えるためにデモを行い、改革を起こそうとしていたのだ。そんな中であるにも関わらず、アルバレスはこの作戦を実行しようとしていたのだ。


「皇帝陛下、今回の作戦に関してですが……」

「うむ、必ずやり遂げるのだ。何があろうとな」

「はい、皇帝陛下」


バルマーンは頭を下げた。


「バルマーン。もしこの戦いで勝ち、ジュピトリアを征服できた暁には何をするつもりだ?」

「ジュピトリアだけでなくファルストも統治下において、一大帝国を築き上げていこうかと……」

「ふむ、良い志だな。流石はワシの忠臣だ」


少し口元が綻ぶバルマーン。彼の野望が実現するときは来るのか。



 一方、共和国軍は今後の戦いに備えて軍備を大幅に拡大し、最終的には帝国軍の打倒を目指して最終決戦への準備を行っていた。ロジオンは部下数名を集めて軍事会議を行い、その結果ついに帝国軍へと最終決戦に挑むこととなったのだ。


「ロジオン長官、本当に……、やるつもりなんですね」

「そうだとも。この戦いに全てを懸けるつもりだ。もし失敗したら、いかなる責任も取ろう」

「責任を取るとはいえ、これはリスクが大きいのでは?」


トーラスは冷や汗を垂らしつつ、ロジオンを見つめる。


「うむ。だが、これほどの攻撃をしなくては帝国軍を撃退することは出来ない……。私はそれを覚悟でやっているのだ」

「分かりました。もう私は止めません」


その後、トーラスは彼の元を去って行った。



 その後、共和国軍各部隊の間で綿密な作戦会議が行われた。その中で、万全な戦闘態勢を備えていく。

とはいうものの、やはり一部の兵士はこの作戦に対し不安を抱いていた。だが、いちいち悩んでいる暇もないまま、彼らは何度も作戦会議を重ねていく。ロバートも不安こそあったものの、上手くいくはずだと前向きに捉えていた。


「少佐、最近ますます疲れが溜まっているようですが……」

「気にするな、カイル。俺の事はいいから……」

「でも、顔色が悪いですよ。今からでも遅くないので、休んでみてはいかがですか?」

「分かった。そこまで言うなら少し休むよ……。気遣いして貰って済まない」


ロバートは、そのまま整備ドック付近でこしらえたベッドで休むことにした。

彼が目を覚ますと、そこにはヘレンがいた。


「少佐……、ロバート少佐」

「ん……。ヘレンか。そういえば、もうすぐ次の作戦会議だったな。これで四回目か……。

これで一段落するといいんだがな」


ロバートは寝ぼけ眼を覚ますため、洗顔シートで顔を拭いた。

彼らは武装のコンディションを入念に確認していたのだが、それ以前に行った度重なる長時間の会議で全員が疲労困憊状態であったのだ。


「フランク、作戦会議の配布用データ資料は完成したんだよな」

「勿論です。昨日のうちにやっておきました」

「そうか。分かった。本当に疲れさせてばかりで済まないな……」

「大丈夫です。お気になさらずに」


フランクは軽く微笑んで見せた。

こうして、第四次作戦会議が行われる。ここで本格的な総仕上げとなり、ついに最終決戦への準備は整ったのだ。その中で共和国軍の兵士達は心の中の闘志を熱く燃やす。



 それから翌日、ついに最終決戦に向けての作戦に挑むこととなった共和国軍。彼らは全戦力を引っ提げて帝国軍基地群へと急接近していった。こうして、史上最大の戦いが始まる。

プログレッサー隊はアタッカー隊と共に共同戦線を組み、空中から奇襲を仕掛けた。


「よし、行くぞ皆!」

“了解!”


ロバート達は爆撃部隊が切り開いた突破口を元に、基地上空を飛び回りながら攻撃を仕掛けていった。

凄まじい火力に物を言わせ、さらに追い打ちを掛けていくという今までにない程の戦力で帝国軍を追い詰めていった。


「そんな……、母さん!!」


兵士の中には、学徒出陣によって駆り出された少年兵もいた。虚空の中で叫ぶも、その声は届かない。


“ロバート、こっちはどうだ?”

「アモン大佐、自分たちは今、補給基地を殲滅した所です。しかし、不自然です……」

“何がだ?”


アモンは疑り深い表情であった。


「敵の数が極端に少ないんですよ。今まで戦ってきた時よりもあからさまに……」

“そうか……。だとすれば敵部隊は中枢部に集まっているのではないか?”

「恐らくそのはずです」

“ここは俺達が先に行く。これより我々はプログレッサー隊と別行動としよう。いいな?”

「はい……」


ロバートは固唾を吞む。そして彼らは帝国軍の前線基地へと突入する事となる。


「カイル、お前は俺と近距離戦メインで戦おう。それと、フランクとヘレンは遠距離から支援攻撃を頼む」

“了解! 俺達に任せてくださいよ”

「相変わらず頼もしいな、皆」


ほのかに優しく笑うロバート。彼は激しくなっていく戦禍の中へ向かって行った。


「この野郎! よくも俺たちの仲間を……」

「させるかァ!!」


カイルはビームクローを即座に展開し、敵機を一瞬で撃墜する。

鬼のように鋭い目つきをした彼は、近づいてくる敵部隊を次々に仕留めていく。


「カイル、無茶はするなよ」

“分かっています、少佐”


ロバートも負けじと敵部隊を殲滅していき、どんどん突き進んでいく。

さらに彼は、機体を戦闘機形態に変形させた。


「作戦変更だ。カイル、俺の機体の背中に乗れ」

“いいんですか?”

「勿論だ。こっちの方が手っ取り早い。お前もビームライフルぐらいなら持っているだろう」

“はい……。そうですけど”

「なら決まりだ。行くぞ!」

“りょ、了解!”


ロバートとカイルは高速移動しつつ敵機を次々に討っていった。


「何だ!! ウワアァァァッ!!」

「そんな馬鹿な……」


ただでさえ二人だけでも凄まじい脅威であるが、そこにフランクとヘレンもおり、戦力は確固たるものとなっていた。


「ヘレン、さらに先の基地の方も索敵するんだ」


ロバートは攻撃をしつつもヘレンと通信を行う。


“はい。どうやらさらに先の方には、かなりの数の敵部隊がいるようです。油断できませんね”

「油断はいつだってしては駄目だ。ここの敵部隊を鎮めたらそこへ行くとしよう」

“了解です”


その後、帝国軍第2前線基地を攻略し、さらに彼らは突き進んでいく。その最中、ストライカー隊とも合流し、完璧と言えるほどの攻撃態勢が整う。


「クローティス、エリナ、リオ、ここは集中砲火で敵部隊を殲滅するぞ。早く手を打たないと……」

“もちろん分かっています。なるべく早く済ませましょう”


いつになく冷静な表情のクローティス。彼は既に覚悟が出来ていた。


「来ました! 一個小隊が接近」

“よぉし、撃てェェッ!!”


嵐のように放たれる光線。そして、この凄まじい火力に帝国軍は押し殺されていった。

この圧倒的なまでの火力を封じるべく、帝国軍側はジャミング弾を撃っていった。


「何だ? メインカメラが映らない……。まさか……」

“ジャミング弾です! このままでは切り返されて負けます!”

「なら仕方ない……。第六感に頼るしか……」


ルーガンは自らの第六感を研ぎ澄まし、敵を狙い撃っていく。


「そこだッ!!」

「そんなァッ、ウワアァァァッ!!」


ジャミング弾を使っているのにも関わらず、ルーガンは支障をきたすことなく敵機を矢継ぎ早に撃墜していった。


「エリナ、撃てるか?」

“はい、どうにかやってみます”


エリナはスナイパーライフルを使い敵機を仕留めようとする。しかし、背後から敵が迫っていく。


「この野郎、切り刻んでやる……」

「キャアァァッ!」


狙いを付けようとした隙に、敵機がエリナに斬りかかった。

そこでクローティスが援護をして、どうにか最悪の事態は防いだ。


「エリナ、ここは俺がやる」

“ありがとう、クローティス。助かったわ”

「早い所システムの機能が復旧するといいんだが……。おっ、戻って来たぞ。これでまともに戦えるな」


ジャミング弾の効果が薄れ、ようやくストライカー隊は快進撃を始めていく。


「このまま行くぞ! 一斉掃射用意!」

“了解!”


やがて、残り少ない部隊も殲滅することに成功し、さらに別方面で戦っていたプログレッサー隊も敵部隊の殲滅に終了するも、弾薬不足の関係上作戦を一旦終了せざるを得なくなった。



 どうにか今回の作戦では、共和国軍の快進撃により帝国軍をあと一歩まで追い詰める事に成功した。しかしながら、敵部隊はいつどんな戦法を取って来るかは分からない。次の第二次作戦に向け、ロバート達は準備を進めていくのだった。

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