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55.メフィストフェレスvs茜

なお、ミランダはメフィストフェレスが生きている?事を知りませんし、何なら強い筈なのにあっさり死んだ役立たずの能無しとすら思っています。

(早水 勇雄視点)


いったい、何がどうなってるんだ?


「何が起きて『ククク……にしたって酷く雑な展開になっちまったなぁ……本来の予定じゃ、ここから少しずつそれっぽい台詞(セリフ)を出していって()の存在を示唆するつもりだったってのによぉ……お陰で伏線もクソもねぇ突飛な展開になったじゃねぇか……』るんですの!?」


炎麗さんが喋る言葉、どう聞いても変だ。


まるで、もう1人"何者か"が炎麗さんの口を使って喋ってるかの様な……


……こんな時に、俺は何をしてるんだ?


「ふん……そんな本来の展開、私はお断りだよ!」


「誰か説明し『ククク……そりゃどうも♪』てくださいませ!……そもそも、メフィストフェレスは私が倒し『ククク……嬢ちゃんが吾を倒しただぁ?……そりゃ吾が嬢ちゃんの願いを一方的に叶えたに過ぎねぇ……ってか、当時A級探検者だった嬢ちゃんが吾を倒せた時点でおかしいと思わなかったか?』た筈……へ?」


「……ほんと、性格悪いね……」


「メフィストフェレスが生きていた『ククク……性格悪いは悪魔にとっちゃ褒め言葉だぜ?』だなんて、私は絶対に信じ『ククク……おいおい、時には現実と向き合う事だって大事なんだがなぁ……』ませんわ!」


……駄目だ、頭が痛くなって来た……


茜は何者だ?


悪魔の特異個体であるメフィストフェレスがどうして炎麗さんの中に居る?


分からない、何も……分からない……


「ハァ~……炎麗ちゃん、真実が知りたいなら少し黙っててくれると助かるかな……」


「なっ……分かりましたわ……『ククク……こりゃお気遣いどうも♪』」


「勘違いしないで。……私はどっちかというと、炎麗ちゃんの味方なんだから!」


……果たして、こいつを信じて良いのか?


というか、俺はあの2人の場所に行ったところで無力だしな……


何だよメフィストフェレスって、俺にどうしろっていうんだよ……


「むぅ……『ククク……んじゃ、さっさとネタバラシしてあげますか……まず、吾が生き延びた?のは吾が嬢ちゃんの願いを一方的に叶える形で死んだからだな。……嬢ちゃんは吾の死を願い、吾はそれを叶える代わりに魂だけの状態で嬢ちゃんの肉体へ潜り込んだ……念のため記憶処理をした上でだ!……ま、これに関しちゃ契約書抜きの賭けだったが、吾は無事に成功したって訳だ』」


「悪魔が契約書抜きで願いを叶えた上に代価まで無意識下に支払わせるとか、いくら何でも無法過ぎないかな?」


「『ククク……その無法すらやり遂げられるのが吾の能力だからな。……加えて表にも出ず、無害で居続ければ他の奴等に気付かれる事だってありゃしねぇ!』」


……マジか……


それがまかり通ったらどうしようもないぞ?


「……じゃ、お前がわざわざ炎麗ちゃんに入り込んだ理由も教えてくれるかな?……いや、私は分かってるんだけど他の2人は分からないだろうしね?」


「『ククク……そんなのたいした意味もねぇ……ただただ面白そうだからやった、それだけだ』」


「……重ね重ね終わってるよ」


面白そうだったから、死んで魂だけで炎麗さんに入り込んだ?


訳が分からない……


メフィストフェレス……こいつが正気だとは、到底思えない……


「『ククク……終わってて結構♪……ま、吾としちゃもっと悲劇的かつ絶望的なやり方でネタバラシしてやりたかったんだけどな~……その絶好の機会を待って、5年も経っちまったってのに……』」


「ふぅ……それがどんなやり方だったか、私は聞かないでおくし言わせるつもりもない……お前みたいな薄っぺらいクセに悪辣な敵は、必要な情報を開示させたら即殺するに限るからね!」


「『ククク、言ってくれるねぇ♪……けど、吾がこの嬢ちゃんと一体化してるって忘れてねぇか?』」


「っ!……そうだ……こいつを倒そうと思ったら、炎麗さんごとやるしか……」


クソがっ!


……メフィストフェレスは、炎麗さんを事実上の人質にしてやがる……


それこそ人質が居れば俺達が手を出せないと理解していて、その上で右往左往する俺達を嘲笑うつもりなんだろう……


……何か打開策を考えろ、考えるんだ俺!


そう、策を捻り出そうとした直後だった……


「勇雄君、君は何もしなくて良いよ?」


ーブワッ……ゴゴゴゴゴ……


「っ!?」


ーガタガタガタブルブルブル……


突然、茜が俺へ殺気?を飛ばして来やがった……


というか、何だこれ……


これまで出会ったどんなモンスターよりも……それこそ、七天美より遥かに恐ろしい……


もう、全身の震えが止まらない!


「こいつは私が殺る……あ、炎麗ちゃんは殺さないから安心してね?」


「『は?……ククク……この嬢ちゃんを殺さずに吾だけ殺るとか阿呆の言い分だなぁ!……んな真似がそんじょそこらの奴に出来る訳ないってのに!』」


「ふ~ん、この殺気を浴びても自分が殺されないって思ってるのか……それとも、仮に死んだところで次の顕現を待てば良いとか思ってる?」


「『ククク、どっちもに決まってんだろ?』」


そうか……


こいつ等みたいな名持ちの悪魔は、死んでも次の顕現を待つだけ……


完全に根絶する事は出来ない……


と、思っていた。


俺だけじゃなく、この世界の全員が……


だってのに……


「なら、その凝り固まった固定観念を今から私がぶっ壊してあげるね!……【戦乙女(ワルキューレ)】の神器17番、【砕岩の籠手】!」


ーカチャ……


「『ククク、殴り合いでもするつもりか?』」


……茜は自信満々で籠手を装備し、メフィストフェレスが体内に居る炎麗さんへと向き合った。


そして……


「惜しい!……正解はこうだよ!ふん!」


ーダンッ!ドンッ!


「ぐはっ!?」


「かはっ!?……く、ククク……い、良いパンチだったが吾を倒すには至らな……って、何じゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


……それは、一瞬の出来事だった。


茜が猛スピードで炎麗さんへ突進して軽く籠手で小突いたら、何故かメフィストフェレスらしき魂だけの存在が分離した。


もしこの思考を誰かが聞いてたら何を言っているか分からないと思うだろうが、俺も分からないのだから説明のしようがない。


ともかく、明らかなのはメフィストフェレスは驚く程にあっさりと炎麗さんから分離させられた事実だけだった。


「すぅ~……さっき肘打ちした時に、お前の魂の形は理解しておいた……後は、今の攻撃でお前だけを上手いこと吹き飛ばせば良いだけの話って訳♥️!」


「ククク……そんなんアリかよ……」


「あ、まだ笑ってられるんだ?」


「んあ?……ククク、そりゃ地獄に居る奴等への土産話が出来たとあっちゃな?」


こ、こいつ……


炎麗さんから分離させられてもなお、地獄へ戻って他の悪魔への土産話を持ち帰るつもりで居やがる……


つっても、俺達に出来る事なんてもう……


「ううん、お前にはここで消滅して貰うよ。……いやさ、地獄で大人しくしてくれるんなら私だってここまでしなかったんだけど、流石にまた戻って来るとか言われちゃったらね……」


「は?……ククク、いくらお前が強/


ースパッ!スパパパパパパパパパパパパッ!


/いからって、そんな真似……………へ?」


……今起こった事を簡潔に纏めよう。


メフィストフェレスの魂が、喋ってる最中に細切れにされた。


何を言っているか分からな(ry


「ま、この程度で消滅させられるとも思ってないから、トドメにこれで燃やしちゃうね?」


ーキュポッ……ボォォォォォォォォォォォォォォ!


「あ?……ククク……細切れにされたとはいえ、吾がただの炎ごときで死ぬ訳……って、あづいあづい死ぬ死ぬ死ぬ゛ぅぅぅぅぅぅぅぅ!」


挙げ句の果てに、茜は取り出したガラス瓶の中から炎を出して、メフィストフェレスの魂を燃やした。


最初は平気そうにしていたメフィストフェレスだったが、何故か途中から苦しみ出した。


「ふっふっふ……何を隠そうこれはただの炎じゃなくて北欧神話に登場する巨人、スルトが身に纏ってた世界すら焼き尽くせる炎だからね!……当然、メフィストフェレス程度の悪魔なら魂すら遺らず燃やし尽くせちゃうのだ~!」


「あ……り得……ね……え……吾が……こんな……形で……死ぬ……なんて……」


ージュッ……


「……え、今のでメフィストフェレス死んだ?」


驚く程に呆気なく……


本来なら最悪の敵となっていたかもしれないメフィストフェレスは、筋書きも人質作戦も魂すら滅茶苦茶にされて消滅した……


「……すぅ……はぁ……すぅ……」


……ただし、炎麗さんは分離の時にされた攻撃の影響か気絶していた。


一応、呼吸はしてるので生きてはいるが……


「よし、これで問題の1つは解決と……それじゃあ勇雄君、私と少し話そうか?」


「あ、すぅ~……はい、分かりました……」


依然として、俺が危機的状況を脱せていない事実だけは変わっていなかった……

ご読了ありがとうございます。


メフィストフェレス、一応は七天美に匹敵するか凌駕するレベルの強敵ではあったんですが……相手が悪過ぎました。


気が向いたらいいね、ブックマーク登録してくれるとありがたいですが、あくまでも気が向いたらで大丈夫です。


後、皆様がどんな事を思ってこの小説を読んでいるのか気になるので、感想くださるとありがたいです。

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