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嫌な教師とご対面

 「お前か、ろくに職にも就かないで言いたい放題している碌でなしの救世主は。」

 「随分な言い草だな。俺だって、好きで定職に就いていないわけじゃない。定職に就いても、国を救えばすぐに出て行かないといけない。それに、この世界のしきたりを理解していないんだから、出来ないものは出来ない。」

 「それが、碌でなしの発想だと言いたいんだ。」

 「随分、口の悪い教師だな。こんな奴が教育者をやっていて、この国は大丈夫なのか?」

 「何が言いたい?」

 やべっ!思っていたこと言っちゃった!

 「そうだな、俺のことを碌でもないとか言って、どういうつもりだ?」

 「きまっているだろう、お前みたいに救世主とか戯れ言を言っているような奴は子供の教育に良くない。直ぐにでも出て行け。」

 言ってくれるじゃん。

 「子供の教育、ねぇ。こんな賭博まみれの国が、子供の教育が~とか言えるのかよ。俺のいた国では、賭博は高い中毒性と依存性から国民の賭博は禁止とされていた程だ。国で公的賭博施設を作る際も、海外の客人用としてしか作られなかったくらいにな。そんなのにどっぷりと浸かっている人が素晴らしい教師です~とか、笑わせてくれるよ。」

 「貴様、ナガレ局長の功績を愚弄する気か!局長の方針のおかげで、今の俺達の生活はある。局長を否定するのは、この国を否定することだと思え、この低思考が!」

 こいつ、案外沸点低いな。

 「あのさ、俺はこの世界の事なんて知らないの。それでも、今のこの国が異常だって事はよく分かる。だから俺は、救世主としてこの国を救うと決めた。っと、あんたもそろそろ賭博の時間か。早く行って帰らないと、奥さんが心配するんじゃないのか?」

 「お前には関係ない!」

 バスターはいらつきながら校舎内に戻っていく。なんなんだ、あいつ?

 「ああ、救世主様!バスター先生に奥様の話は厳禁なんです。」

 一人の女性教師が慌ただしくやって来る。 

 「なにか、あったのですか?」

 「…はい。バスター先生は、五年ほど前に離婚なさっているんです。」

 「五年前って事は、ゼンリンとかいう記者が書いた記事の時期と同じか。」

 「はい、どうもそのことで夫婦関係に亀裂が入ってしまったようで。」

 「なんか、悪いことをしちまったなぁ。それで、元奥さんの住んでいる場所とかって分かりますか?」

 「あっ、電話番号なら持っていますので、聞いてみましょうか?」

 「ありがとうございます。」

 女性教師はそのまま通話を始め、数分経つと電話を切って俺の方に向く。

 「連絡が取れまして、明日会ってみたいと言っていましたよ。それで、これが住所になりますね。」

 女性教師はメモを渡してくれる。

 「ありがとう。明日、行ってみます。」

 「それで、どうしてバスター先生にあの様な態度を?」

 「分かりにくいとは思いますけど、なんかぴりついた雰囲気をしていたんですよね。それでは、失礼します。」

 俺はそのままラヴェーラの所に向かった。


 「なるほど、その教師に喧嘩をふっかけて、何も出来ずに返り討ちに遭ったと。」

 ラヴェーラの奴、呆れながら言いやがって。

 「それでも、実入りはあった。」

 「何だ?」

 「明日、バスターの元妻に会う約束を取り付けた。」

 「元?離婚していたのか?」

 「なんでも、ゼンリンの書いた記事を切っ掛けに夫婦間に亀裂が入ったんだとよ。他の教師が教えてくれたよ。」

 俺とラヴェーラが明日のことで打ち合わせをしようとしていると、

 「お二人さん、相変わらずお熱いですねぇ。」

 来やがったよ、ゼンリンが。

 「何の用だ?」

 流石にラヴェーラは警戒しているか。

 「何もしねえよ。それより、あの先生の所に行ったんだろ?」

 「そうだが?」

 「実はな、あの学校ってナガレ局長がまだ教育委員会の時代に担当していた区域内の学校なんだぜ。」

 ゼンリンはヘラヘラしながら言う。

 「それ、流石にただの偶然だろ。」

 「ははっ、それは俺も思っていた。なにせ、ショットにはナガレ局長と何の接点も無いからな。俺だって、何でもかんでもそういう風に見たりしないさ。」

 「それで、俺達の所に来たってことは、俺の明日の予定はもう嗅ぎつけているって事か。」

 「そうだ。バスターから連絡が来てな、俺達の関係に首を突っ込むなって、釘を刺すように言われたんだ。」

 「それは出来ない相談だな。俺は救世主、この国のことで気になることがあれば首を突っ込ませてもらう。」

 「そうかよ。とりあえず、忠告はしたからな。どうなろうと俺の責任じゃないって事で、じゃあな。」

 ゼンリンは何がしたいんだ?ていうかあいつ、上位プレイヤーと連絡できるのかよ。これは、中々面倒なことになりそうだな。

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