四分の一
昼時、俺は栄光記念館とかいう場所に来ていた。なんでも、過去の大きな大会とかをはじめ、国民の戦績はここに記録されているらしい。理由は『下級プレイヤーは上位プレイヤーになる物差しとして、上位プレイヤーには栄光をたたえるため』とかいうものだ。明らかにふざけたものだが、ここなら上位プレイヤーの戦績を調べられる。エンジンの情報を調べるついでにバスターとショットの戦績を調べておけば今後の話もスムーズになるだろう。施設に入ると、上位プレイヤーの戦績を調べられるブースが普通にあった。正直、わざわざ探す手間が省けて助かった。とりあえず、エンジンの戦績から調べようとしていると、眼鏡をかけたつまらなそうな顔の女性職員がやって来る。
「救世主様、申し訳ありません。当施設は会員登録制になっておりまして、先ずは会員証発行の手続きをお願い致します。」
まじか、めんどくせ。
「あ、すみません。それなら案内をお願いします。」
「畏まりました。それでは、こちらへどうぞ。」
俺は職員に案内されて、手続きを済ませてもう一度ブース内に入って戦績を調べる。成る程、エンジンはギャンブルの才能に長けているのか、たった一年で他の上位プレイヤーに匹敵するほどの勝率になっていったのか。
「それで、他の二人はどんな感じだ?」
そのままバスターの勝率を見ていると、奇妙な感じに見えた。
「これ、操作されていないか?」
そう、ぴったり等分されている。勝率や獲得金額が。バスターとショットの二強時代は半々に、エンジンが台頭してきた頃には33%ずつに。これを意図してやっているなら、胡散臭いなんて話じゃ無い。あのミラージュの不正技術は半端ではないって事になる。もう少し調べてみるか。俺はそれから、エンジン台頭時期からの二人の敗北率を調べてみると、露骨に敗北率が上昇していた。
「これは、ゼンリンの勝率も気になるな。」
俺がブースから出ると、
「なに、俺の勝率が気になるの?」
入り口にゼンリンが立っていた。
「うわっ!ビックリさせるな。それで、ゼンリンは自分の勝率を確認しているのか?」
「当然だろ。それより、俺があげた紙、役に立った?」
「ある程度、にはな。かなり怪しいまでには絞る事が出来た。」
「おいおい、俺がせっかくあげた情報、その程度にしか使えていないのかよ。」
「内容を考えれば、健闘した方だと言ってくれ。俺は別に調査が得意ってわけじゃないんだ。」
「あっそ。んで、俺の勝率だっけ?俺が相手しているのは上位プレイヤーだけ。これだけ言えば察しがつくだろ。んじゃあな。」
ゼンリンはヘラヘラしながらどっか行く。相変わらずつかめない奴だ。さて、思った以上に時間も出来たし、バスターが勤めている学校にでも行ってちょっと話してくるか。
「御利用、ありがとうございました。」
さっきの女性職員の言葉を受け流して、俺はバスターの勤めている小学校へ向かう。
「ここが、バスターの勤めている場所か…」
俺は歩いて二十分ほどかけて、『パレスト第二地区東小学校』に来ていた。
「せんせー、さようなら!」
低学年の下校時間ということもあってか、子供の騒がしい声も聞こえてくる。丁度教師の一人が手隙になった。
「あっ、お忙しい中すみません、バスター先生ってお時間空いていますでしょうか?」
「えっと、救世主様ですね?只今お呼びしますね。」
丁度声をかけた教師がバスターを呼びに行ってくれたみたいで、すぐに来たバスターは不服そうな顔をしていた。




