統一成功!
とうとうこの日が来た。俺とフルール、ラフワール、そしてグラッドは以前の会談で使用した施設に集まっていた。
「なんだ、今日はカメラも入っているのか。」
「えっと、救世主様の世界では射映機のことはかめらって言うんですか?」
そうだった。こっちでは射映機って言うんだった。
「兎に角、何処かに中継で放送でもするのか?」
「当然でしょう?」
「そうだ。新生サンレイドの誕生以外にも、救世の存在を世に知らしめる絶好の機会だからな。さて、そろそろ始めるぞ!」
俺達は席に着き、会談を始める。
「さて、先日の俺からの各国に対する提案に関してだが、まずはフルール国家行政局長から何か意見は?」
「はい、まず我が国に提案された『現在我が国において施行されている国内総国営施設制度の撤廃』に関してですが、先日の国民投票の結果、完全なる三国統一を条件に過半数以上の賛成票により承認となり、それを我が国の意志として表明します。」
「賢明な判断をありがとう。続いて、覇王ラフワールは如何でしょうか?」
「そうね、『覇王による独裁政権と覇王制度の廃止』に関して、国の平和を保証するのならば私からは意見反論の類は無いわ。」
「こちらの提案を受け入れてくださりありがとう。最後に、グラッド王からは何か疑問点はありますか?」
「俺の方も、この『国王による議員、憲法の強制決定権の廃止』に問題は無い。」
俺は改めて三国に妥協出来るところを確認し、想定通りの回答をもらった。
「では、続いて統一後の各国家の問題の解決案に関してですが、イースティア国内の『国民総公務員状態』の解決策ですが、接待業の職員はそのまま公務員から私営の従業員に変更、その他の公務員は引き続き該当施設での公務員として継続、これで問題ないでしょうか?」
「はい、国民からの理解は得てます。」
「ではサーティアスの『軍事施設の統合縮小化』についてはどうですか?」
「此方としては、イースティアとウェステリアの軍事施設が追加されるならば不要な軍事施設はできる限り統合したかったから好都合ね。」
「それでは、ウェステリアの『土地の荒廃の改善』に関しては、元イースティア国民主導のもとで緑化計画を行うというのは如何でしょうか?」
「荒れた土地がどうにかなるなら、俺は別に構わない。」
とりあえず、ある程度のメリットをちらつかせることは出来たから、そろそろ本題だな。
「それでは、今回の議題の本題となる『三国統一後の国家体制』についてですが、事前に皆様に話しましたように、グラッド王の一族は王家として尊重し、参政権を完全に放棄。政治はサーティアスとイースティアの制度を元に、議会制を継続で問題ないでしょうか?」
「ウェステリア側は異議は無いぜ。」
「サーティアスも賛成とさせてもらうわ。」
「イースティアも大丈夫です。」
ここは惑星一の賭博国家、セイスティア。その中のある賭博施設のルーレットのテーブルに囲っている男性達は中継を見ていた。
「皆さん、この救世主って方、あれだけバラバラだった三国を統一させましたよ!」
童顔の青年は他のプレイヤーに話しかける。
「知るか。余所の国の事情なんて知ってどうする。」
「へっ、これだからお坊ちゃまは。国際情勢で色々影響が出るだろ。俺だってこのまま買った株が大損のまま消えるところだったから丁度よかった。」
青年の言葉に二人のプレイヤーは衝突し合う意見を述べている中、
「止まった場所は黒の10です。賭けていたプレイヤーはいますか?」
ディーラーはルーレットの結果を伝える。
「あ~い、オレ当たってるぜ。」
その言葉に、青年の話に参加していないプレイヤーが手を上げる。
「ちっ、またこいつか…失礼。相変わらず私のいる場所では勝率が高いみたいですね。」
ディーラーは不機嫌な態度を取るが、すぐに言葉遣いを戻す。
「おいおい、随分な態度だなぁ。ま、ありがとさん。」
プレイヤーはコインを受け取る。
会談は無事終了。テレビ中継も切り上げか。
「しかし、お前もよくこんな制度を思いついたな。俺を王にしたままで政治は国民に任せるなんて。」
「ああ、それか。俺の国と近い制度にしてみたんだ。立憲君主制っていうんだけど。」
「悪いとは思わないわ。」
「私も、いい方法だと思います。」
「それで、そろそろバンから贈られてくるはずよ。」
「あ、例のあれか。」




