第88話 私、新宿御苑に到着
そしてやって来たのである、新宿御苑!
天子の庭園だからか、入園用が取られる。お付きの人間だけ。
ふ、私と晶露様は余裕で無料である。
私の要望通り、開園と同時に、入場である。
やはりご挨拶は午前中が基本である。
できれば早朝が望ましいが、開園してないのだから仕方があるまい。
私たちは目的地に向かって寄り道せずに進む。
本日、私たちの他に本家の子分2人、晶露様の付き人として、従っている。
そのうち1人は松也さんが、
「抱き上げましょうか?」
とのありがたい申し出をしてくれたが、断った。
神に等しいものへの道である。できるだけ自分の足で向かうべきであろう。
しばらく歩くと、目的のゆりのきの巨木が見えてきた。
どれどれ。私は目に力をいれて視る。
「おお~!」
すごい!清浄なる良気が溢れ出でている。
ご神木、あるいはそれに近い貴き木で間違いないであろう。
「ふおおおおおおおお!」
ロウもいち早く反応して、晶露様の頭で跳ねている。
その気持ちわかるのである。気持ちがぐんぐんと上がる。
私ははやる気持ちを抑えつつ、晶露様と手をつないで、晶露様の歩幅に合わせて、近づいて行く。
朝が早いからか、人はそれほど多くなかった。
これはちょうどよい。
ようやくゆりのきの巨木の近くまで来ることができた。
よくみると、ゆりのきは3本の巨木が寄り集まって生えていた。
幹は太く、見上げた先は私たちには見えないほどである。
「晶露様、ご挨拶申し上げますよ」
「はい」
私と晶露様は、ゆりのきの巨木から少しだけ離れた場所ですっと片膝をつき、右手を左胸に持って行った。日本の礼にあわせたほうがいいかとも思ったが、エルフ語がロウに通じたこともあり、ならばと馴染みのある礼を使うことにしたのある。長年使用した礼のほうが様になっているというのもある。
私は隣の晶露様とアイコンタクトを取る。
晶露様はそれに頷く。
よし。私たち2人は声を合わせて挨拶をする。
挨拶だけ、晶露様にもエルフ語を覚えてもらった。
半年の準備期間があったからな!
<<亭々たる大地を守りし偉大なる大樹よ。ここに我ら2人、ご挨拶申し上げます。そしてこの地にたどり着けましたこと、大いなる感謝を申し上げます。どうか感謝の祈りを捧げることお許しください>>
私と晶露様は頭を下げる。
すると、周囲の音がさあっと引く。
私と晶露様が顔を上げた時、周囲の視線がなくなった。
これは。
人払いされたか?
不思議空間に突入デス。
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