第87話 私、車中にて遠出のしおりを確認す
短めです。
「さあ、晶露様、しおりの最初のページを開いてください」
車の中で、私たちは真剣に今日の予定を確認する。
それの指針となるのは、言わずと知れた遠出のしおりである。
遠出のしおりは3冊作成した。
そして1つは若君へ献上、後の2つは我々用である。
「はい」
晶露様は真剣にページをめくる。
「最初は今日の目的である、新宿御苑のゆりのきの巨木へと行きます。忘れ物はありませんね?」
「はい。前の日に確認しました」
「おやつもちゃんと持ってきましたか?水筒も大丈夫ですか?」
「はい!」
「よろしい」
私がしおりを読み上げ、それに答える晶露様。
どうやら抜かりはないようであった。
よきよき。
「では最後にゆりのきの巨木に対する心構えは覚えておりますか?」
「はい」
晶露様は力強く頷く。
「きょうおとずれるパワースポットのちゅうしんにざすゆりのきのきょぼくは、かみのようにとうといそんざいです。そのため、れいせつをもってせっしなければなりません」
「よくできました。その心構えを忘れないように。敬いの心を胸に望むことが大切です」
「わかりました」
晶露様4才になられてから、ますます聡明さに磨きがかかっておられる様子。
前世の記憶がある私とも対等にお話ができるとは、幼児にしては出来すぎである。
ただ、我ら2人がそれぞれチャイルドシートとジュニアシートに座って話しているのが、なんともしまらなく残念である。
対面に座る手下の1人が肩をふるわせているのは見なかったことにしておく。
寛大な私に感謝するように。
いつもお読みいただき、ありがとうございますv
もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!




