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第74話 私、外出の起こりを語る

 私たちの外出計画の発端は、学園に編入して4ヶ月ほど経った頃。

 きっかけは文明の利器であるテレビ番組である。

 学園を終え、晶露様の自室にて、テレビを見ていた時に、その天啓を受けたのである!

 もう少し正確を期すならば、テレビを見ていたのはロウである。

 日本語を覚えるのに、テレビは丁度いい教材だと言って、ロウは時間があればテレビを見ている。

 その甲斐あってか、ロウは瞬く間に日本語をマスターしてしまった。

 やはり地頭は悪くないのである。

 そのロウが何気なく見ていたワイドショーなるもの。

 ちまたのご婦人方が興味のあるものを特集したりしていて、衆目を集めている番組構成であるものらしい。

 私はあまり流行り物には興味がない為、その時は晶露様が家庭教師殿に出された宿題を懸命に片付けているところを見守っていた。晶露様は3歳とは思えぬほどの内容を先行して学ばれておられる。やはり本家のご子息、優秀な成績をとるように義務付けられているのであろう。

 かくいう私も、本家の若君、許嫁候補の筆頭の立場ならば、恥じない学力を身につけよと、小学部で倣うであろうものを先行で学んでいる。

 学びは私の望むところである。

 文句を言わず粛々とこなしていく。

 若君の嫁になるつもりはないのではあるが、無料で教材を与えてくれるのであれば、拒否はない。

 励むのみである。

 勉強中。私語は厳禁である。部屋に流れるのは、テレビの音のみ。

 最初家庭教師殿はテレビの音声に眉を潜めていたが、ロウの学びになっていると伝えると視聴の許可を出してくれたのである。

 なかなか柔軟な教師殿である。

 ちなみに晶露様の家庭教師の名前は土出幹斗(みきと)さん。

 黒縁めがねをかけた誠実そうな青年である。

 私は教師という立場に敬意を表して、幹斗殿とお呼びしている。

 そして私は勉学に励みながら、いつものようにテレビの音声を聞き流していたのであるが、聞き逃せぬほどの情報がその日その時に、突然私の耳に飛び込んできたのである。

「さあ!皆様、今日はパワースポット特集です!今からご紹介する場所を訪れれば、きっと貴方にも幸運が降り注ぐ事間違いないでしょう!」

 司会者が声を張ってそう告げている。

 パワースポット?幸運が降り注ぐ?

 私はパワースポットなる、この言葉に心をグングンと引きつけられた。

 私はついと顔をテレビに向け、注視する。

「さて、メモのご用意はよろしいですか?それではご紹介致します!」

 との口上から、次々とそのパワースポットなる場所を、テレビの画面の中の男性が紹介していく。

 この男性によると、パワースポットなるところは人を癒やし、力を与え、運気をあげる場所であると言う。

「お?!おおおおお!」

 思わず感嘆の声がもれる。

 それは神殿や神域、聖域とよばれる場所に酷似していまいか?

 なんでもこの日本なる国には、八百万の神々が御座す国らしい。

 私は多数の本を読み、神話や日本の起こりなどを学んだのである。

 本家の書架はそういった類いの本が豊富にあった。

 知識は力なり。

 話を戻そう。

 テレビからの情報を聞くに、パワースポットなる場所には、神が地上に降りる場所なのではあるまいか!

 可能性は大いにありうる!

 さすれば、そこにぜひとも参拝したいのである!

 いや、絶対に行くのである!

 私はその時にもう心を決めていたのである!

いつもお読みいただき、ありがとうございますv

もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!

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