第68話 私、両親の現状について語る
次に人事面の変化について話していこうと思う。
まずは両親についてである。
両親のうち、どちらかといえば、母のほうが大きな変化があったと言えよう。
母は私の育児に専念する為、仕事を一時休んでいたのだが、平日私が学園の幼年部を終えた後、本家で過ごすことが決定した為、平日の昼間に時間の余裕が出来た。
その為、母は仕事に復帰することになったのである。
所属する部署は違うのかもしれないが、父と同じ会社。
言わずと知れた本家が経営する警備会社である。
それも父と同様支社から本社勤務栄転復帰である。
そのうえもしかしたら、将来本家関連の仕事も請け負う可能性が出た為、両親は今、二人まとめて厳しい研修を受けているとのことである。
厳しい訓練を受けることは決して無駄にはなりはしない。
むしろ専門家としての知識を持って、今まで以上の仕事がこなせるようになる。
少なくとも過分な家、そして給与分相応に励んでほしい。
今少し付け加えるならば、両親ともに、最初は研修でぐったりしていたが、やがて慣れてきたのか、土日私と戯れる余裕も出て来たようである。
両親は異能の力はないものの、体術は一通りこなせるので、身辺警護や施設警備の仕事には問題ないらしい。
後は礼儀、マナーなどなどを身につけるだけとのことだ。
それが絶望的に身につかないらしい。
重ねて言おう。励んで欲しい。
そういった苦労はあれど、本家からの口利きで栄転になった両親に、妬みによるいびりは一切ないとのことだ。
我が家は、分家序列最下位の末である。
両親も覚悟して本社への移動に臨んだが、肩透かしだったと首を傾げていた。
考えられる理由としては、本家による移動命令など珍しくないのだろう。
加え、本社勤務の者は優秀な者が多いと推測される。
両親を一目でライバルに能わずと判断したのだろう。
更に両親の性格もそれに一枚噛んでいると思われる。
両親は、娘の私の現状と自分たちの本社栄転は、分不相応だと心得ている。
いずれはまたどこか地方に転勤になるであろうし、娘も若君の許嫁候補はあくまで候補で、それで終わるだろうと開けっぴろげに同僚に話したそうである。
分を弁えていると、感心し受け入れられ、色々と仕事の仕方など教えてもらえているらしい。
きっと本社の人は建前でもそこまで言える両親で、かつ無能力であるのもあって、すんなりと受け入れられたのだろう。
両親にいたっては建前で話したのではなく、本音で話したのだと思う。
そこまでは見抜かれなかったかもしれない。
両親はいい意味でも悪い意味でも、脳筋。
そのことが、今回はプラスに働いたようである。
幸いである。
説明回が続きまして、すいません。
サクサク進みたいデス。




