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第63話 私、晶露様と今後の話をする

 野衣さんを見送ると、私は晶露様に顔を戻した。

「では野衣さんが戻ってくるまでの間、少しお話してもよいですか?」

「はい」

 晶露様は、姿勢を正した。

 うん。3歳にしてはしっかりしすぎているのである。

 本家の厳しさがうかがわれる。

 それが今はありがたいのだけれども。

 私は前当主との話、そして若君との話をわかりやすいように、そして簡潔に話した。

 晶露様は、しっかり私の話を聞いてくれた。

 ロウはホットミルクに夢中である。

 そして身体が温まったからか、こくりこくりと頭を落としている。

 いいよ。ロウには後で話をするからね。

「以上です。何か質問はございますか?」

「はい」

 晶露様は手をあげて、発言を求めた。

 礼儀正しい。

「どうぞ」

「かくにんです。おおみねえさまは、ぼくのいえのちかくにおひっこしをされて、おなじがくえんにかようのですね?」

「その通りです」

「それからがくえんがおわったら、このうちにきて、おゆうしょくをいっしょにたべてから、おかえりになられる」

「そうです。時間によるとは思いますが、晶露様がお眠りになるまで、おそばにいられたらいいですね」

「ほんとうですか!」

 晶露様が嬉しそうに顔を輝かせてくれる。

 素直ないい子である。

「はい。ただ土日は学園がお休みなので、私もお休みです」

「そうなのですか」

 ちょっとしょんぼりする、晶露様。

「ですが、平日は毎日お会いできるかと思いますよ」

「うれしいです!とても!」

 晶露様はそれは嬉しそうに私の手をぎゅっと握られた。

 身体全体で喜んでいらっしゃる。

 が、次の瞬間肩を落とした。

「でもそれは、ぼくのわがままのせいですね」

「はい?」

「きょうだってそうです。ぼくがねえさまにあいたくて、ないてだだをこねたから、ねえさまはいそいでぼくにあいにきてくれたのですよね」

 晶露さまは状況を完全に把握しておられる。素晴らしい理解力である。

 3才にしては驚異としかいいようがない。

「ぼくがおおみねえさまといっしょにいたいとわがままをいったから、おおみねえさまとごりょうしんはおひっこしまでしなくてはならなくなったのですよね」

 若君がこの場にいたら、そうだと頷いて肯定しそうだ。

 そしてどれだけの人が動いたかとコンコンと諭しそうだ。

 確かにそうなのだけれども!

 それは3歳の弟には厳しすぎるのである!

 この場にいない若君に私は教育的指導をいれる!

 そういうところだぞ!と。

 実際には言えないがな!

 今日は言えないことだらけであるな!

3歳の晶露様、苦労してる為、精神年齢が高そうデス。

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