表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/20

第17話 私、決意す、父、説得す

 どうにか私は父に腕を緩めてもらうのを成功し、死の危険を免れたが。

 うーん。

 私が考察を深めている間も、誰も解決に乗り出す人がいない。

 どうやら、この混乱のるつぼをなんとか出来る人物は、この場にいないらしい。

 当主や前当主以外の本家の方々も動かない。静観しているだけだ。

 分家がこの現象を知っていたから、こういった現象は初めてではのだろう。

 そしていつも自然に収まっていたから、今回もそれを待つ的な姿勢なのか?

 確かに妖精未満にそれほど力はない。せいぜいぶんぶん移動して威嚇するくらいしか出来ないだろう。

 それに。

 憑きものつきが本家の若君の弟君だからというのもあろう。

 根本原因の1つである、弟君を無理矢理排除することはできないのだろうな。

 となると、この場を収めるには。

 本家の方々のように、あの妖精未満が怒りが静まるのを待つか。

 もしくは

 私がなんとかするか、である。

 私も解決できると確信がある訳ではないのであるが、あのように青ざめた顔で震える弟君を放っておけない。

 子どもは、守られるべき存在なのである。

 反論は認めない。

 それに、それにである。

 あの怒りを振り撒く小さき自然の申し子と、意思の疎通できたら楽しそうである。

 あ、誤解しないように!

 決してこちらがメインではない!

 あくまで弟君の窮地を救うのが、主たる理由である!

 くっ!正直に言おう!

 私の目が開眼し、妖精未満もいる!

 ならばだ!

 前世の私の知識が、今世この日本で通用するか、知りたい!試したい!という気持ちが抑えきれない!!

 仕方なかろう!

 それでも私の好奇心の先で、弟君もお救いできたら、最高ではないだろうか!

 ふう。人間正直が一番である。

 少し気が楽になった。

 ここに、方向性は決まった。

 私の好奇心を満たす、いやいや、満たしつつ、若君の弟君を救うと。

 で。でだ。それを実行する為に、まず必要なのは、父の説得、これである。

 難関である。図書室探索とは訳が違う。

 それでもあの妖精未満に近づく為には、父の説得が不可欠。

 娘を危険に近づけたい親はいない。

 それを敢えてさせて欲しいとお願いする。

 成功させるのは、非常に困難である。

 ふう。父相手に、回りくどい言い回しは悪手だ。

 はっきりとストレートに告げないと、こじれるというか通じない。

 だから、告げることにする。

「父、父」

 私は私を守るように抱きしめている、父の腕をポンポンとたたく。

「なんだい?」

 厳しく周囲を見回していた、父が私に注意を向ける。

「父、私、なんとかできるかもしれない」

「は?な、何を突然言い出すんだ?!」

「飛び回っているものに、私、心当たりがある」

 普通なら、何を馬鹿な事を!いいから、おとなしくしてなさいって諫められるところである。

 私もそれを覚悟していた。

「……大海には視えるのか?」

 それなのに、父からは意外な反応、予想外の言葉。

 父にしてみれば、不可思議な現象が起っている、訳のわからない状態だろう。

 なぜにその言葉が出てくるのか?

 どうしてそんな反応なのか?

 当然の疑問が浮かぶ。

 しかしそれを今、追求している場合ではない。

 私にとっては、父の反応は好都合なのだから。

 時間がない。

 話を進めさせてもらう。

「視える。それに正体もわかる。だからなんとかできる」

「なんとかできるのかい?本当に?」

 父は私を諫めず、ただ確認してくる。

 どうしてその反応なの!?

 と、聞きたい!けれど、私はぐっと堪え、父の疑問に答える。

「ん。多分。だから行かせてほしい」

「危険はないのかい?」

「うん。大丈夫」

 絶対じゃない。けど、それを言ったら、父は行かせてくれないだろう。

 だから言わない。

「わかった。パパも一緒に行こう」

「それはだめ。余計に警戒しちゃうから」

「だが!!」

 父が思いっきり眉間にしわを寄せる。

 心配不安だって、父の顔に描いてある。

 父、ありがとう、心配してくれて。でもここで待っていてほしい。

「大丈夫。あの子は悪いものではないよ。弟君を守ろうとしているだけ。だから弟君を傷つけようとしなければ、あの子も私を傷つけない」

 多分である。それでも言い切らないと、父の不安を拭えない。

 父は私の言葉を吟味し、行かせるか否か悩んでいる。

 ここはもう一押しか。

 くぅ!恥を忍ぼう!目的の為に!

「パパ」

 ピクンと父の腕がはねる。

「パパ、もし私が危険と思ったら、パパを呼ぶわ。その時はすぐに来てくれる?」

 私は上目遣いに、父を見る。

「もちろんだとも!パパが全力で大海を助ける!!」

 父が、大きく頷く。

「よかった!それなら私も安心して行けるよ!」

「そうだな!」

 私はそう笑顔で頷きつつ、そっと父の腕をのける。

 一瞬力が入った父の腕が、狙い通り、私の身体から外れる。

 よし、これで行ける。

「行ってくるね」

 私はそう告げると、父に背を向け、上座へと向かった。

 私の顔はきっと赤くなってるに違いない。

 だが、その成果はあった!

 くうう!恥ずかしかった!

いつもお読みいただき、ありがとうございますv

もし少しでも続きが読みたいっと思っていただけましたら、☆をぽちりとお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ